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投擲武器,リアルで投げてみたくない? 斧やナイフ,チャクラムを投げられるお店で戦闘スキルを上げてきた
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印刷2021/04/08 12:00

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投擲武器,リアルで投げてみたくない? 斧やナイフ,チャクラムを投げられるお店で戦闘スキルを上げてきた

 投擲武器ってカッコイイ。

 マッチョな戦士がぶん投げる斧,スタイリッシュなアサシンが暗闇から放つナイフ,忍者のサブウェポンに欠かせない手裏剣。使う得物は違えど,さまざまな投擲武器による攻撃はゲームでもおなじみだ。

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 筆者は「サイバーパンク2077」で「ほう,ナイフ投げのパーク。取るしかあるまい」と真っ先に取得して,その微妙すぎる使い勝手にしょんぼりしたぐらいには投擲武器が好きである。
 剣を振ったり剣を買ったりしている武器マニアとしては,当然「投擲武器,リアルで投げてみたいな」と思うわけだが,そんな物騒な欲求がそう簡単に叶えられるのかというと……実は叶う。東京・浅草に,「THE AXE THROWING BAR」,つまりは斧投げバーなる施設が存在するのである。しかも,斧以外の武器も投げられるというのだから,これは足を運ばずにはいられない。
 本稿では,そんなリアルで投擲武器を投げてきた体験をお伝えしていこう。

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 THE AXE THROWING BARは,BrickWallが運営している,2021年2月にオープンしたばかりの施設だ。もともとBrickWallは,「やってはいけないことを、より楽しく、よりFUNNYに!!」をコンセプトに,斧投げだけでなく,壁に落書きしたり,ハンマーやバールでモノをぶっ壊したりといったサービスが楽しめる「REEAST ROOM」を浅草で運営していた。これを,斧投げ専門店としてリニューアルしたのがTHE AXE THROWING BARとなる。
 REEAST ROOMのサービス自体は,2号店の池袋店で引き続き行われているが,本稿の趣旨からは外れるので割愛する。

住所は東京都台東区駒形1-2-13 那須駒形ビル1F。最寄り駅は都営大江戸線の蔵前駅だが,浅草駅(東京メトロ,都営地下鉄,東武鉄道)からも徒歩で行ける。雷門の前の大きな道をまっすぐに進んで,バンダイ本社を越えたあたりで右手側に道を1本逸れると,10分程度で到着する
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 THE AXE THROWING BARは,名前のとおりお酒を飲みながら(別に飲まなくてもいいけど)斧投げを楽しめる場所だ。メインは斧だが,オプションでナイフ,手裏剣,トランプ,チャクラムも投げられる。斧がメインになっているのは,アメリカで競技化されているからだ。

BrickWall代表取締役社長 河東 誠氏
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 競技の名称としては「アックススローイング」となる。BrickWall代表取締役社長の河東 誠氏によれば,アックススローイングはもともとはカナダの田舎が発祥で,家の裏庭で斧を投げる文化があり,それがアメリカで競技化されて広まっているそうだ。スポーツ専門チャンネルで大会が放送されるようになったことをきっかけに,ここ2,3年で急速に店舗が増え,河東氏が確認している限り,アメリカの主要都市には500店舗以上のアックススローイングバーが存在するという。

 これを日本でも広めようとしているのがBrickWallだ。アックススローイングは,非日常的な体験とスポーツ性を併せ持つ競技であるためか,お客さんのリピート率が高く,手応えを感じており,今後は東京以外にも店舗を増やしていきたいと話していた。

 アックススローイングのルールを簡単に説明しよう。アックススローイングは,ダーツやアーチェリーのような的当て競技だ。的の真ん中の赤い部分(ブル)が6点,そこから外に行くにつれて5〜0点と得点が下がっていく。1ゲーム10回斧を投げて,その合計得点を競うという,シンプルなルールとなる。的が細かく分けられたダーツより,アーチェリーのほうが近いかもしれない。

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 的の上側,左右にある青い点は「キルショット」という大変物騒な名前がついている。ここは,10投中,2投だけ宣言して狙うことが許される場所で,宣言通りここに斧を刺せると8点となる。ただし,外すとどこに刺さっても0点になってしまう。このハイリスクハイリターンな場所を当たり前に狙えるのは,アメリカの大会参加者レベルの腕前だ。

 投擲ラインから的までの距離は12フィート(約3.65メートル)。的は木製であり,縦方向に木目が入っているので,これに合わせて斧も縦に刺すことが望ましい(傾くと単純に刺さりにくい)。
 また,斧の形状から,刺さりやすいのは刃の上側先端部分なので,ここから的に当たるように投げるのがベストだ。だいたい,斧が1回転するように投擲できれば,斜め45度の角度で刺さってくれる。

 投擲ラインを越えないように投げるのであれば,投げ方自体はなんでもいい。基本的には,腕の動きは頭の上から両手で投げるか,頭の横から片手で投げる。足の動きは立ち止まった状態から投げるか,ライン後方から1歩踏み込んでから投げる。この2×2のパターンのどれかがベースになる。
 アックススローイングは的当て競技である以上,再現性が求められるスポーツだ。同じように投げ,同じように当て続けることで,点数が安定する。自分が狙いやすく,一定にしやすい,楽なフォームで投げるのが良い。ダーツのように肘から先の力で投げてしまうと,斧に力が伝わらず刺さりにくいので,肩から腕を動かし,さらに足を曲げて全身を使って投げるようにすると,なお良しだ。

 競技に使う斧は,長さや刃渡りが規定されているだけで,さまざまな種類がある。木製グリップの斧や,短い鉄斧,握りやすいラバーグリップの斧などがあり,どれが使いやすいかは人によって異なる。

用意されている斧の種類は様々。ラバーグリップの斧は,グリップから的に当たってしまうと跳ね返りやすいので,経験者向けだ
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 アックススローイングは新興スポーツであり,こうしたルールはちょくちょく変わる。例えば数か月前までは,的に5点は存在せず,そのぶん大きなブル(6点)が描かれていた。しかし,アメリカの大会参加者の腕前の向上が著しく,試合をしても点差がつかないため,点を取るのが難しくなる方向でルールが改訂される傾向にあるのが現状だ。

ゲームで斧投げと言えば,皆さんは何を思い浮かべるだろうか。筆者は「リーグ・オブ・レジェンド」の,何をどうやっても斧をぶん投げて突っ込んでくるヒゲ親父,オラフだ。あとは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」で遠距離攻撃用のサブウェポンになるハンドアックス
(C)Riot Games Inc. All rights reserved. League of Legends and Riot games Inc. are trademarks or registered trademarks of Riot Games, Inc.
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 などと長々と説明してみたが,細かいルールはさておき,斧を投げるという体験は,それだけでむちゃくちゃ気持ちがいい。斧を投げるキャラクターはだいたいマッチョなので,パワーが必要に思えるかもしれないが,思い切りぶん投げなくても,刃が左右にブレずに適切な角度で当たってくれれば刺さる。


 アックススローイングの難しいところは,この「適切な角度で当てる」ことだ。斧の形状を思い浮かべてもらえれば分かるが,刃のない部分が的に当たっても刺さりようがない。つまりは,回転が足りなくてもダメ,回転しすぎてもダメというわけで,ちょうど良い回転で飛んでくれるように,自分のフォームや使う斧と向き合わなければならない。コツを掴むまではなかなか刺さらないかもしれないが,この試行錯誤が楽しい部分でもある。

斧を刺すのに大切なのは回転を合わせること。外れてしまったら,どこから的にぶつかっているのかを確認して,回転を増やすのか減らすのか,傾いてしまっていないかなどを調整していけば,刺し方が分かってくる
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先端でなくても,刃から当たれば一応刺さる。ただ,力が乗っていないと的に当たってもはじかれてしまうため,安定感に欠ける
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 投擲の基本動作は先に述べた4パターンだが,細かなフォームは人によってまったく違う。投げる前の構えや斧の握り方,勢いなど,人それぞれで特徴があり,コンパクトな動作で投げるガタイの良い男性もいれば,殺意に溢れたフォームで勢いよくぶち込む女性もいる。浅草のTHE AXE THROWING BARではオープンなフロアで投げられるので,ほかの投げている人を見るのも面白いと思う(池袋店はフロアごとに区切られた個室っぽい作りだ)。

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THE AXE THROWING BARでは,オプションで蛍光塗料を用いた「ネオン斧投げ」も楽しめる
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 今回はせっかくなので,お店にある武器を全部投げてみた。

 まずはナイフだ。THE AXE THROWING BARで投げられるのは,投擲用のスローイングナイフとなる。
 厨二心がくすぐられるナイフ投げだが,実は斧よりもはるかに難しい。単純に,刺さる部分が限られているのだ。ナイフ投げというと,敵に向かって真っ直ぐ矢のように飛んでいく様をイメージすると思うが,実際はそんな風に飛ぶものではない。真っ直ぐ投げるのは物理的に非常に難しいので,回転させながら飛ばすものなのである。

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 この回転が曲者だ。斧も刃のある部分が的に当たらなければ刺さらないと述べたが,ナイフの場合はこの“刺さる部分”に該当するのが刃の切っ先だけなので,より繊細なコントロールが求められる。初めてナイフを投げる場合,「10回投げて1回ぐらいはどこかに刺さってくれると嬉しいな」みたいなレベルだ。アサシンへの道は果てしなく遠い。


 投げ方は,グリップを握って構えるだけでなく,刃側を持つ方法もある(ちなみにサイバーパンク2077は後者だ)。片刃のナイフなので,刃の向きをどちらにして投げるかも人によって異なる。
 筆者は,人差し指を立てながらグリップを握って投げるのだが,練習中に連投していたらうっかり刃を逆に持ってしまい,指を切って3週間ぐらい傷が残ったことがある。ナイフに限らないが,くれぐれも武器を扱っていることを忘れずに楽しんでほしい。

筆者は練習の甲斐あって割とナイフを刺せるのだが,アドバイスとしては,とにかく傾かないように投げること。変な方向に力を加えずに投げられれば,投擲用なだけあって刺さってくれる
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 一方,手裏剣は簡単だ。先端しか刺さらないナイフと違って,尖った部分=刺さる部分がたくさんある。とにかく回転させることを意識して投げれば,そのぶん威力も増すので,どこかしらが刺さる。初心者でも気持ちよく遊べるのはこちらだろう。
 手裏剣の投擲というと,手を横にしてシュッシュッと連射するフォームが思い浮かぶかもしれないが,“横投げ”は禁止。暴投したとき,ほかのお客さんに飛んでいきかねないからだ。

安全のため,切っ先は砥がれていないのだが,それでもエグいぐらい深く刺さる。「手裏剣,怖っ!」と思えること間違いなしだ
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 トランプについては,確かに絵柄はトランプなのだが,一般的なものではなく鉄製だ。ようするに,カードサイズの鉄板と言っていい。端が鋭くなっているので,4隅でなくても刺さるが,手裏剣よりも薄く,コントロールが難しい。
 トランプ投げのフォームといえば,やはり人差し指と中指の2本で構えて投げたくなるのが人情だろう。ただ,それで力が乗るわけがないので,かなり勢いよく投げないとまず刺さらない。スタイリッシュさゼロである。

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 最後にチャクラムは,古代インドの投擲武器だ。ドーナツ型の円盤で,刺すというよりは斬る武器となる。穴の部分に指を入れて回転させ,遠心力で飛ばすという独特の投擲方法が存在するが,それをお店でやるにはあまりに危険なので,当然禁止。普通に縦に持って投げよう。
 外縁が刃になった輪っかであり,刺さりやすい部分がなく,とにかく回転させて投げるのが重要だ。また,チャクラムも薄いので,簡単にブレてしまって,木目に沿ってキレイに投げるのが難しい。傾いたり,力(回転)が足りなかったりすると,的に当たってもあっさり弾かれてしまう。

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 どの武器もそうだが,無心で投げているだけでとても楽しい。それと同時に,普段画面の中でボタン1つで投げている投擲武器が,実際に当てるのは大変難しいことも理解するわけだが,それだけに刺し方のコツが分かると,気持ち良くなれるだろう。

 利用料金は以下のとおり。時間が長いほうがお得だが,1人で投げようものなら,最初は1時間もすればヘトヘトだと思う。友達とワイワイ投げるのも,1人でストイックにたくさん投げるのもどちらも楽しいので,ぜひ気軽にリアル投擲武器を体験してみてほしい。
 ゲーマー的には,浅草にはSCRAPのリアル脱出ゲーム施設があるので,そちらに行ってから徒歩で斧投げへ,といったプランで1日遊び倒すのもオススメだ。

斧投げの料金表。ほかの武器はオプション(各500円)となる
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どの武器も,投げ方をきちんとレクチャーしてもらえるので,初心者も安心だ
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「THE AXE THROWING BAR」公式サイト

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