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「東京eスポーツフェスタ2023」現地レポート。3年ぶりのオフライン会場では公式種目の大会や体験企画を実施。ただし,次回には課題も
東京eスポーツフェスタは東京都,JeSU(日本eスポーツ連合),CESA(コンピュータエンターテインメント協会),JOGA(日本オンラインゲーム協会),東京ビッグサイトの共同主催による,eスポーツの普及と関連産業の振興を目指すイベントだ。4回目となる今年は「競う。集う。創る。」をキャッチフレーズに掲げ,2020年の初開催以来,3年ぶりのオフライン開催となった。本稿では,最終日(29日)の模様をレポートする。
会場となった東京ビッグサイトの南1・2ホールには,2つのステージ(メイン,サブ),6種目のeスポーツ競技体験エリア,「Minecraft」を使ったプログラム体験を行う学びエリア,関連事業者の出展エリアなどが設けられた。
メインステージでは各日,公式種目タイトルの大会を実施していた。29日には「GUNDAM EVOLUTION」「ぷよぷよeスポーツ」「モンスターストライク」の大会が行われ,なかでも「GUNDAM EVOLUTION」のオフラインイベントは今回が初。体験企画の一環として,専門学校生によるエキシビションマッチが行われた。
また,「ぷよぷよeスポーツ」ではキッズ(小学生)と一般(中学生以上)の部門に加え,プロによる大会も開催された。翌週に予定されているプロ公式大会の前哨戦的な内容となり,白熱の対戦が繰り広げられた。
サブステージでは,eスポーツ関係者や関連事業者による講演を実施。「マイクラの教育的な可能性」「アンチ・ドーピングで実現するクリーン&フェアなeスポーツ」「eスポーツの始め方」といったゲームやeスポーツにまつわるテーマが扱われていた。各講演の模様は,東京eスポーツフェスタの公式YouTubeチャンネルにはアーカイブが公開されている。
eスポーツ競技体験エリアは,「eBASEBALLパワフルプロ野球2022」「グランツーリスモ7」「太鼓の達人 ドンダフルフェスティバル」「パズドラ」「ぷよぷよeスポーツ」「モンスターストライク」の6種目を体験できるコーナーだ。筆者が訪れたときには,「ぷよぷよeスポーツ」の決勝大会を終えた出場選手が交流戦を繰り広げていた。
関連事業者のブースには,eスポーツにまつわる商品やコンテンツを展開する事業者が出展。とくにプロジェクションマッピングや大型の機器を導入した体験コーナーは,親子連れや友達同士で来ていた来場者が楽しそうに遊ぶ様子が見られた。ブースは企業や学校が主だったが,なかには大会で授与されるトロフィーの業者や,eスポーツを取材するゲームライター集団のブースなどもあり,来場者の興味を惹いていた。
取材当日は日曜日だったものの,会場はとくに混雑することなく,ステージイベントでは空席が多く見られた。4年前に開催された第1回と比較しても,やや寂しい雰囲気だったことは否めない。新たに「GUNDAM EVOLUTION」が加わり,出場選手の活躍でエキシビションマッチは白熱したが,体験エリアに試遊台が用意されていなかったことも残念に思う。
また,eスポーツの花形であるプロ選手が腕前を見せる機会も少なかったようだ。
昨年,一昨年はオンライン開催を余儀なくされたが,そのあいだにeスポーツのオフラインイベントに対する意識や傾向は変化している。次回以降の開催に向けて,ゲームファンが積極的に足を運びたくなるようなタイトルやコンテンツの充実に一層の期待をしたい。
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