「銀翼」で日本の空を飛ぶ - 04/12 21:48

 フライトシムやレースモノなど,"乗り物"大好きメーカーアクアシステムは,今年6月8日から,新開発オリジナルエンジン搭載のフライトシミュレータ「銀翼(ぎんよく)」(以下,銀翼)を発売する。対応OSはWindows 98/Me/2000で,CD-ROM2枚組。価格は8800円。

 さて。古いPCゲーマー諸氏なら知っている人も多いであろう,フライトシムの名作「Jet Stream(ジェットストリーム)」。その"ジェット"を開発したアクアシステムが今回放つのは,とにかくキレイな,それでいて軽いフライトシミュレータ。"ジェット"のエンジンをバージョンアップするだけでは機能向上に限界があるため,2年の時間をかけ,新たにゼロからフライトエンジンを書き起こしたようだ。ちなみに今回操縦できるのは「ボーイングB777-200」のみだが,今後アドオンとして機体も増やしていく予定。
 大体フライトシムというと海外市場作品のオンパレードなので「あぁ国内モノね」というコアゲーマー諸氏もいるかもしれない。しかしこの銀翼は,コダワリが違う。

 エンジンや翼,ランディングギアなどすべてにいたる独立したシミュレーション計算を行っているのがその一つ(もちろんそれに連動してアニメーションで反応する)。エンジンが1個だけ止まった場合,ギアのタイヤの片方だけに大きな負荷がかかった場合など,かなりキッチリとした挙動(?)を示すのだ。着陸時の姿勢による機体バランスの違いや,エンジン1基停止による緊急着陸など,特殊条件での"フライトシム"を意図的に体験できる。

 そしてリアリティ追求の最も分かりやすい形としての「景観」部分も見逃せない。いままでの"美しい"といわれているフライトシムのお約束は,数種類のテクスチャを繰り返し利用するタイプ(地面が近づくと妙に粗くなるゲームを見たことある人も多いのでは)。銀翼では,高度数値地図から生成した3D地形図に衛星写真を貼り込み,日本全土を収録したデジタルマップシステムを考案した。ちなみに正規のエアラインをはずしてフライトすれば,普段では見られない地形を鳥瞰することもできる。離着陸時の建物にもキレイにテクスチャが貼られているのも特筆モノ。結構手抜きのモノも多いし……。
 特筆モノといえば,空の表現にこだわっているのも印象的。単に数パターンの繰り返しであるいままでのフライトシムの「雲」と違って,日本における地域別の雲と風の分布パターンをデータベースとして持ち(!),高度別に3階層のシミュレートを行ってパターンに添いながらもランダムに発生させているのだ。かなりリアルなこの雲だけでも一見の価値あり?

 収録した空港は,全部で39空港。その中で羽田空港,関西国際空港,福岡空港の3空港では航空写真が使われていて,スタンドアロンフライトシムパッケージでは初の「送迎タラップから滑走路までのプッシュバック」を再現している。

 ……とここまで"リアル"を追求していても,初心者に優しい機能も忘れていない。オートパイロットのモードも用意されているし,なんと「飛行ポイントと離着陸空港を指定するだけでフルオートで飛行するオートパイロット機能」も搭載している。もはや環境ソフトかスクリーンセーバーか……これだけ美しい画面なら,その手の楽しみかたもアリ,かも。期待して待て!
※画面は開発中のものです

■収録空港
女満別,旭川,釧路,新千歳,函館,青森,三沢,秋田,花巻,山形,仙台,福島,新潟,新東京国際,東京国際,小松,富山,名古屋,大阪国際,関西国際,八尾,岡山,鳥取,出雲,石見,広島,山口宇部,高松,徳島,高知,松山,福岡,長崎,佐賀,大分,熊本,宮崎,鹿児島

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