[E3速報#22]CivilizationIII - 05/21 21:13


 本サイトの取材陣は,世界のストラテジーゲーマーが注目する「CivilizationIII」を垣間見るチャンスにめぐり合った。Civ3は,実に5年ぶりとなるシリーズ続編で,Sid Meier(シド・マイヤー)が監修し,Faraxis Gamesの創設者の1人でもあるJeff Briggs(ジェフ・ブリッグス)がリードデザインを務めている。Civ3は,グラフィックス面でもいくつかの変更点が見られるが,一瞥すれば直にシリーズ続編だと納得できるほど,前作の雰囲気を継承している。
 Civ3をかいつまんで説明しておくと,紀元前4000年から紀元後2500年まで,資源を供給し,街を大きくしながら軍事を強化して自国の文明を拡大していくという,ターンベース制戦略ゲームの鏡のようなシリーズの最新作である。なお「ゲーム開始後10分以内には,プレイヤーをゲームに引き込ませる」というシド・マイヤーのデザイン哲学に乗っ取り,ゲームプレイをさらに洗練した点が,Civ3にはいくつも見受けられる。

 まず,プレイヤーが司る一国の長以外にも,政治的,文化的な指導者が登場することになった。彼らは,ユニットの攻撃が勝利したときに発生するランダムイベントで登場し,彼らを自分の都市へ招待することで,軍事訓練学校を設立できるのだ。現在はまだまだ調整中とのことだが,軍事ばかりではなく,文化や開発,探索分野でも,それぞれに適した能力を持つ指導者たちが出現することになるという。
 ゲーム画面を見てまず気付くのが,都市の周囲をつなぐ点線である。これは,その都市の影響範囲を示す都市境界線で,この範囲内にある資源なら搾取できる,という意味合いを持つようだ。さらには,国家としての影響を現す文化境界線も存在し,これは文明の進化具合で変化するとのことだ。文明に属さない蛮民族たちの侵攻も健在だが,黒い未開拓部分からランダムに登場してくるのではなく,それぞれ宿営地を持っている,というのも前作とは異なる部分だろう。
 序盤の展開は,相変わらずサクサクと進行していくが,いったんほかの文明と出会えば,Civ3で強化された外交の要素が生きてくる。選択肢型の会話システムはそのままだが,そのパターンが大幅に増えており,文明の英知やユニットを交換し合ったり,駆け引きの切り札として使用することができる。また協定次第では,自国の資源を輸出して資金を得ることもでき,他の文明とのインタラクションが豊富になっているのだ。さらに,相手国との友好度が視覚的に表現されており,外交ウィンドウでは3D化された敵国のリーダーが,プレイヤーの申し出に従って表情を変化するようになった。

 ゲームの最終目的の1つであった惑星移住用のロケット開発は削除されたが,軍事的制圧だけでなく,外交や経済力の影響で勝利することも可能になったのは面白い。Civ3にはマルチプレイヤーモードも追加されるが,そのことについては一切口を閉ざしたままだった。人々を睡眠放棄や留年に追い込んだ悪魔のゲームは,順調なら今秋には発売されることになりそうだ。

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