[ECTS速報#9]Breed - 09/03 17:03

 高性能のグラフィックエンジンが魅力的な「Breed」は,"サドンストライク"以降業界の注目が集まるCDV Softwareの最新作だ。"ブリード"と呼ばれる体の半分がロボット化したエイリアンによって侵略された近未来の地球が舞台で,ブリードたちが極点を氷解させたため,ほとんどの大地が水面下に埋没しているという設定だ。プレイヤーは,地球軍の隊長として地球を取り戻すために戦うのが目的で,場合によっては地球ばかりでもなく,宇宙でも繰り広げられることになる25種類のミッションが予定されている。開発者の話では,ミッションによってはブリードとしてもプレイできるという風変わりなストーリーらしい。
 プレイヤーが操作するのは,1ミッションにつき10種程度のユニットからなる部隊で(コサックスとは打って変わって少ないユニット数だ),兵士を始めとしてジープ,戦闘用ヘリコプター,タンク,戦闘機などの8種類程度の兵器を自由に動かしていくアクションゲームだ。"いろんな兵器を一度に動かすインカミング"のようなゲーム,と考えればいいだろう。どのユニットにも自由にカメラを切り替えることができるのが特徴で,すべてはリアルタイムで行なわれていく。会場で見たデモでは,ホットキーだけで次々とカメラを切り替えていき,すべてのユニットが第1人称もしくは第3人称の視点でプレイすることが可能だ。もちろんプレイヤーは,突撃する,逃げるなどの簡単なコマンドを与えられることができ,プレイヤーが使っていないユニットも,ミッションの目的を遂行するため,自動的に進行していくようになっている。
 前述したようにグラフィックスの性能が素晴らしく,地形モデルなどは非常に美しい。地球上で行われるミッションの最初の部分は,地球の軌道上に浮かぶ宇宙戦艦から輸送船で送られてくるのだが,宇宙から大気圏へ突入し,目的地に到達するまでスムースに風景が変化していくのが素晴らしい。これは,レベル・オブ・ディテールというシステムを採用していて,視点がオブジェクトから遠ざかるごとに,ユニットに使用されているポリゴンが小さいものから省略されていくことで,フレームレートに負担を与えないシステムを採用しているからなのだ。デモンストレーションでは,ユニットが遠くにあっても不自然な形になることもなかった。ディテールに富んだテクスチャも美しく,水面はテカテカしているのに対してユニットはくすんだようなものになっている。

 また兵器のシミュレーションにも凝っており,ジープはサスペンションが別々に動くような4輪駆動が再現されているし,デモで見せてくれたヘリコプターも,それ単体でシミュレーションゲームとして十分通用するような出来だ。兵器に装着された武器は,マシンガンやレーザーガンなどタイプやミッションによって異なるものが6種類用意される予定。
 兵士ユニットのためだけには14種類の武器があり,スナイパーモードのあるライフルなども使える。これはマルチプレイヤーモードにも生かされ,兵士ユニットだけを使ったデスマッチや,違うユニットを混合したチームでの対戦もサポートする予定だ。非常に楽しみな作品だが発売はもう少し先になるらしく,ヨーロッパでは2002年の第2四半期にリリースされる見込み。


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