[ECTS速報#10]Comanche 4 - 09/03 17:48

 戦闘ヘリシミュレーションとして代表的な存在の「Comanche 4」が,ECTS会場で正式に公開された。ボーイングが現在,アメリカ陸軍の要請を受けて開発しているのが,このコマンチ。正式名称RAH-66で,最新鋭の機器や機能をふんだんに使用した戦闘用ヘリなのである。もちろん,まだ軍事利用されるまでには至ってないヘリだが,軍部の公式発表や関係者の協力を得て,Comanche 4の製作が進行しているというわけだ。

 初回作であるDOS版はもとより,前作にあたる「3」が発売されてからすでに3年が経過しているが,本作では時流に合わせてかより難度が低いモードが用意されている。3人称視点でW,A,S,Dのキーを使ってプレイすることができ,まるでシューティングゲームのようなノリでプレイできるようになっている。初回作の雰囲気が少し復活した感じだろうか。開発者曰く「5分もあればComanche 4で楽しく遊べるようになれる」とのことで,セールスの伸びないフライトシム系ゲームに再び顧客を呼び込もうという努力が見られる。もちろんジョイスティックなどのハードウェアもサポートし,コアなミリタリー系フライトシムファンでも十分に満足できる操作感は残されている。
 ミッションは砂漠や雪原など多岐に及び,会場ではアメリカ大統領の身辺警護というミッションを見せてもらった。これは,市街地でリムジンで輸送されていた大統領が突然敵軍に襲われ,ジープやブラックシャーク・ヘリコプターで追撃されているところを救助するというもの。実際に黒いリムジンを2台のジープが追いかけており,飛行場では秘密警察に囲まれながらAir Force 1(大統領専用機)に向って走っていく姿も描写されていた。
 Comanche 4の最大の改善点は,そのグラフィックスエンジンだ。前作までNova Logicで使われていたボクセル系(スプライトを擬似3D化する技術)のVoxelSpaceエンジンの使用をやめ,ハードウェアT&Lに対応した最新の3Dアクセラレータをサポート。これにより,より現実的な爆発効果がビルや敵ユニットで見られるようになり,森などの地形の様子が非常に複雑に見えた。おそらく,より多くのオブジェクトを配置できるようになったからだろう。さらに,コマンチが低空飛行をしていたりエンジンをかけたまま着陸待機している状態では,ローターが回転するに従って,周囲に砂が舞うパーティクル効果が新鮮。特に,海面上でも同じような効果が見られるのに加え,森林の上では風の方向に従って広がるようになびく描写などは,ただただスゴいの一言だ。
 また今回からは,敵や味方の陸上ユニット(兵士)も登場し,地面から対空砲撃を仕掛けてくる敵の兵士や,タンクに砲撃されて散り散りになっている味方兵を確認することができた。実際のコマンチはパイロットと砲撃手がコンビで搭乗しているのだが,プレイヤーはどちらを選択でき,飛行や攻撃だけに専念することも可能だ。実際のRAH-66は,完成すれば逆向きでも飛行できるというシロモノになるらしいが,本作の開発者は「それも面白いけど,ゲーム性には関係ないから」と,この機能の実装には否定的だった。
 発売は11月を予定しており,デスマッチや"キング・オブ・ザ・ヒル"など16人までをサポートしたネットワークプレイもフィーチャーされる。初回作「1」以来,久々の大ヒット作になりそうだ。


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