カプコン版DAoC,そしてMMORPGに関する噂話などいろいろ | - 04/25 21:34 |
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さて,先日「こちら」にて掲載した"カプコン版Dark Age of Camelot"に関してだが,掲載直後あたりからforGamer宛てに 「日本語化の話とか日本サーバーの話とか聞いてません?」 というメールが何通か舞い込んでいる。こちらもぜひとも聞いておきたいところなのだが,残念ながら公式なコメントはまったく発表されていない。 しかしDAoCといえば,こじんまりと小さい開発規模ながらもなかなかのクオリティの作品として完成させ,Ultima Online,Everquestなどと並ぶ高い評価を受けているMMORPG(多人数オンラインRPG)だ。欧米産の商業ベースで動いているMMORPGとしては,世界3位の地位をキープしていることは間違いないところだろう(韓国パワーはまた別なものということで)。当サイト用に特別βテスター枠などをもらったことなどもあり,我々にとっても単なる"海外メーカー"とは違うちょっと近しい存在となっている。 そんな人気MMORPGも,"英語版","日本語代理店なし","カード決済"などプレイするまでのハードルは高く,国内でメジャーな地位に登りきれていなかったといえる。ここでカプコンがからむことになるのは,製品流通という意味では大きなプラスとなるだろう。 しかしプレイヤーなら,やはり単なる製品流通で終わってほしくないのが正直なところだ。国内サーバーの設置や日本語の通るチャットシステム,そしてあわよくば完全日本語版など,欲望はとどまるところを知らない。 そのあたりに関しては,いずれ行われるであろうカプコンからの正式なコメントを待つことにしよう。 #以下は完全に余談 当たり前のことだが,MMORPGの運営には膨大なお金がつきまとう。1作品に"膨大"なお金をかけるので有名なマイクロソフトでさえ,MMORPGであるAsheron's Callには及び腰だった("2"にはそれなりに興味があるようで,嬉しい限りだ)。EverquestはおろかUltima Onlineでさえも,ビジネスとしてお金の面だけを注目して見れば,とても"大成功"などとは呼べないプロジェクトだろう。ましてやDAoCは――とりわけ日本では――まだまだ認知度も低いしプレイヤー数(アカウント数と言い換えてもよい)も少ない。国内でカプコンの流通網を使ってどのぐらい売れるのかはまったくの未知数だが,通常どおり"数千"という単位では,とても日本サーバーなどを作っている余裕はないだろう。販売権利獲得の契約金さえペイするのかどうか疑問だ。 しかし,いままでは並行輸入品しか存在せず,秋葉原か通販でしか入手できないという事実上"コアゲーマー仕様"だった一品が,大きく化ける可能性はある。カプコンとしては,発売して様子を見て「これはイケるかも?」と判断された場合に,何かしら次の手を打ってくるのではないだろうか。 もし何かしらの手を打ってくるならば,かかる手間とお金から考えると, ・日本語チャット機能の実装 ・Mythicによるリモートメンテの日本国内サーバー ・完全日本語版(?) あたりの順番ではないかと思われる。しかし個人的には,売れてから手を打つので間に合うのかどうかやや疑問ではあるが……。 最初から「日本語サーバー作るぞ」とか「日本語通るようにするぞ」などの発表がなかったのは,ちょっと残念なところだ。カプコンほどの大きなメーカーなら,なにかしらの"日本でのサービスに対するコメント"があってもよかったのではないかとも思う。 とはいえMMORPGに関しては,カプコンを始めとする国内各社はかなり真剣で,かつ慎重だ。カプコンは「レインガルド」のこともあるし,元々MMORPGに大きな興味を示していたメーカーではあるのだが。 昨年の夏ぐらいから,有名どころのメーカー各社は「これやろうかな,どうしようかな,きびしいかな」という悩みを抱え続けている。いま現在でも,MMORPGに手をつけようとしているメーカーは,噂として聞いているだけでもカプコンのほかに数社あるし,韓国産MMORPGの権利を買い集めようとしている会社もあるようだ。コンシューマ系のメーカーが別会社を作ってなにやらゴソゴソやっているというのも聞いている。 その"旬"に見える韓国系MMORPGも,現実として収益はどうなのかというと,とても「ウハウハ」というわけにはいかない。例えば某ゲームの月々の課金などは,72%がインフラ費用で,数%が決済手数料で,さらに数%が人件費割り振りとして消え,手元に利益として残るのはホンの15%ほどだ。 プレイヤーとしてそういう事情など鑑みる必要はないが,もう少しだけ市場が盛り上がるのを待つしかないだろう。当たり前だが,ゲームだってビジネスだ。市場が盛り上がれば,きっとメーカー各社の対応もよくなってくれることだろう。そして事実,もう少しだけ市場が盛り上がってくるのを待つというのがメーカー各社の本音なのだろう。いまMMORPGに手をつけることは,余りにもリスキーなのだ。 と,無駄話が長引いてしまった。盛り上がってきたときに,さまざまなサポート体制を走らせてくれることに期待しつつ……。(Kazuhisa) |