リアリティ溢れるグラフィックスが注目を浴びているUnrealエンジンの最新版を使用しながらも,「Jet Set Radio」のように
セル・アニメーション技術を使ってコミック調の絵柄を引き出しているのが特徴なこの
「XIII」。物語は,主人公がアメリカ東海岸の海辺で目を覚ますところから始まる。
この男は記憶喪失になっているが,入れ墨で肩に施された"XIII"(13)の文字と,傍にあった銀行の個人専用金庫のカギだけを頼りにして,自分は何かを付きとめていくというストーリーになる。その後の展開は,マングースと呼ばれる謎の男の追跡を逃れながらもニューヨークにある銀行に到着し,彼の身分証明の手掛かりになる資料を入手するが,直後にFBIによって逮捕され,自分が大統領暗殺事件に関わっていたという証拠を付きつけられるのだ。ところが,今度はXIIIの元上司だったという陸軍の女性官が登場してXIIIを釈放。この陰謀を解き明かすために,XIIIは何も真実を理解できないまま渦中の人物になっていくのである。
XIIIのゲームプレイで特徴的なのは,
イベントとして時折フラッシュバックが発生することだ。プレイヤーは,その夢をヒントにして13にも及ぶチャプターをこなしていくことになる。このチャプターには合計で35種類程度のマップが用意される予定だが,銀行や軍事基地の内部といった屋内型のものから,海岸や積雪地帯,ジャングルのような屋外マップなど多岐に及ぶという。敵は,マングースの殺人者集団から雇用兵部隊,さらにはギャングなどの人間達で,それぞれのグループによって思考ルーチンや攻撃パターンが異なるものになるという。
武器も15種類程度登場することになっているが,XIIIでは銃を使ったアクション以外に,ナイフや周囲のオブジェクトを駆使した隠密行動も重要な要素。デモでは,椅子やビンを持って敵の背後から忍び寄って気絶させたり,ナイフも突き刺すだけでなく投げて仕とめることもできた。これは,XIIIが個人戦には卓越した能力を誇るコマンドー部隊の隊員だった背景からできてきたもののようで,天井から垂れ下がるロープにぶら下がりながら敵を銃撃するほか,敵の不意をついて人質に取り,その体を盾にしながら敵中を進んでいくような曲面もあった。
敵を撃てば,「Aggggg」や「Urrrrr」などの噴き出しも飛び出すなど,コミック的なノリを崩さない工夫も見られた。
会場のデモ機はXbox版だったが,ほかにもPCやPS2,ゲームキューブでも発売される予定になっている。PC版およびXbox LiveをサポートしたXboxにはオンラインでのマルチプレイヤーモードが存在し,32人までの対戦がサポートされる予定。XIIIでは「Cover Me」というチーム対戦の新モードが考案されているが,これはチームの一人以外のプレイヤーはスナイパーガンしか持てないという特殊なキャプチャー・ザ・フラッグになるとのことだ。
この絵柄の新鮮なFPSは,欧米では2003年の第1四半期での発売が予定されている。追ってプレイムービーをUpしよう。(Okutani)