[E3 2002#86]D&D第3版に対応した「Icewind DaleII」は,RPGを心底堪能できる | - 05/29 20:20 |
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Black Isle Studiosは,Interplayのゲーム制作部門の一角を担うレーベルとして立ち上げられ,「Baldur’s Gate」や「Planescape」を始めとするAdvanced Dungeons & Dragonsのゲームシリーズを多く手掛けてきた。元々は,実質的に「Baldur’s Gate」の制作を手掛けたBioWare社によって開発されたInfinityエンジンは,その後もBlack Isleの手によって改良が重ねられており,E3 2002で発表されたのが「Icewind DaleII」(以下,IWD2)だというわけだ。 とくにシングルプレイヤーモードを前提としたRPGのエントリーが少ない今年は,IWD2の存在はキラ星のごとく輝いている。ゲームシステムも,Black Isleシリーズでは初めて,D&D公式ルールブック第3版(D&D3E)に乗っ取っており,種族によるクラスへの規制がなくなったり,スキルポイントなどの振り分けが簡略化されるなど,キャラクターのカスタマイズが容易になったのが特徴だといえるだろう。もっとも開発者によると "テーブルトークのDungeons & Dragons"を知らないPCゲーマーでも,普通にゲームを楽しんでもらうことを念頭に考え直した そうで,D&Dというだけでハードルが高くなりがちな新参のゲーマーでも,すんなりと入っていける作品になるだろう。 ストーリーに関しては詳しく語られなかったが,前作の拡張パック「Icewind Dale:Hearts of Winter」から30年が経過した頃の話で,北から再侵略を開始したオークやバグベアーらを駆逐するために,新たにプレイヤーが立ち上がるという内容だ。プレイヤーが選択できるキャラクター種族は,ドロウ,ハーフオーク,ティーフリングを含めた16種類。キャラクタークラスはバーバリアン,モンク,ソーサラーの三つが加わり,合計で12種類に増えた。テーブルトークと異なる点は,いままではサイコロを振るように数値を能力に振り分けていたが,IWD2では1ポイントずつ自由に振り分けられるようになったことだろう。キャラクターのポートレートも2倍以上用意され,さらに"雷電系魔法への反射能力"といったようなフィーツ(Feats)と呼ばれるD&D3Eの新概念も,もちろんIWD2には登場する。 グラフィックス部分での実質的な変更はないものの,インタフェースは作り直されているようで,スペル用のアイコンもまったく異なるものになった。12個の"クイックスロット"にも改良が施され,一つめの防御は同じではあるにせよ,二つめが右手,三つめが左手を示すようになった。これで,両手の武器を瞬時に交換できるため,シールドから剣に,さらには弓へと武器を変えて戦えるようになったのも目新しい部分だろう。(Okutani) |