ゲーム開発者の間で「マックス」の呼称で親しまれている，もはやアニメーションツールとしては最強といっても過言ではない人気ソフトの最新版，「3Ds MAX 5」がSIGGRAPH 2002で発表された。

　MAX 5はアニメーション部分が強化されており，「ポーズとキー出し」という従来の方式をインタラクティブにした"Set Keyアニメーションシステム"を搭載し，モデルにあらかじめ骨と関節を指定することで生々しい動きが表現できるスケレタルアニメーションを制作するためのツールも装備。さらにはフィジクスエンジンで有名なHAVOKエンジンを改良した「Reactor」が付いていたり，"グローバル イルミネーション"と呼ばれる，よりリアルな照明効果を実現するラジオシティライティング効果をさまざまな方法で表現できるなど，さらにフレキシブルなアニメーション制作が可能になっている。

　前バージョンのMAX 4は，「DiabloII：Lord of the Destruction」のムービーを始め，「Dungeon Siege」のモデリングやレンダリングに利用されるなど，映画，テレビ，ゲームなど幅広い分野で支持を得ている。今回発表されたMAX 5には，「SDK 4.X」でサポートされているすべてのプラグインソフトに互換性が与えられているため，各会社が独自に制作したMAX 4用のツールなども問題なく動作することになりそうだ。
　またSIGGRAPH 2002では，このMAX 5のプラグインソフト「Character Studio 4」など，さまざまな関連ソフトも発表されていた。（Okutani）