Kimの韓国最新PCゲーム事情＃29

韓国で活動中のカナダ出身のプロゲーマー，C＆C Generalsの開発に参加（2002/11/12）

Text by Kim dong Wook特派員

　韓国で活動しているカナダ出身のプロゲーマー，ギョーム・パトリー（20歳，AMD社所属）氏が，Electronic Arts社から2003年2月11日発売予定のRTS「Command＆Conquer：Generals」（以下，Generals）の開発に参加して，話題になっている。
　パトリー氏はGeneralsを開発しているアメリカのEA Pacificスタジオに招かれ，本作が韓国ゲーマーの好みに合うよう現地の開発スタッフ達に助言しているという。ちなみにEA Pacificの総責任者であるマーク・スキャッグス氏は2002年だけで2度も韓国を訪れていて，「韓国ゲーマーの嗜好にあったゲーム開発を行う」と語っていたのだが，パトリー氏の参加がその具体的な動きといえるだろう。
　またEA Pacificでは，10月25日から全世界で3000人を対象にマルチプレイのβテストを行っているのだが，その3分の1にあたる1000人を韓国に割り当てており，韓国市場を重要に考えていることが伺える。

　EA Koreaの関係者は，「パトリー氏は韓国ゲーマーの嗜好をよく分かっているうえに，同時にアメリカの開発チームと英語での円滑な意志の疎通が出来るという長所を持っている。彼はカナダ人ではあるが，Generalsを韓国ゲーマー好みのゲームにするために大きく貢献すると信じている」と語っている。
　EA Pacificの開発者はパトリー氏と一緒にさまざまなプレイを行ったあと「パトリー氏とプレイすることで，これまで感じなかったいろいろなことに気付かされたし，多くのことを学ぶことが出来た。おかげで韓国ゲーマーが望むゲームがどういうものか分かってきた」と語り，パトリー氏について賞賛していた。

　ちなみにこのパトリー氏，Generalsの3回めのプレイ以降，EA Pacificのスタッフを含めたテスターとのプレイですべて勝利しており（ただしこの話を聞いた時点では3000人でのβテストは始まっていない），開発チームが気付かなかった部分を次々と指摘しているようだ。例えばユニットの反応速度やユニットバランスについていろいろと要望を出していて，なんとユニットが死ぬ速度や建物が破壊される速度に関しても注文を付けているというから驚きである。
　またその一方で，パトリー氏はゲーム中の霧の効果や一度通った場所でも一定時間が過ぎるとまた見えなくなるといった効果などを絶賛しており，とくにグラフィックスの美しさに関しては非常に満足しているようだ。彼はGeneralsについて「βバージョンにも関わらず非常に完成度が高いことが分かる」と語っている。

■■ギョーム・パトリー氏■■

　カナダ出身のギョーム・パトリー氏は，2000年に開催された「スタークラフト」のゲーム大会"Blizzard World Championship"で優勝したのをきっかけに，AMD社所属のプロゲーマーとして韓国で活動を始め，現在に至る。彼は韓国での活動について「韓国はゲームに対する関心がとても高い国なので，ここを選んだ」と語っている。彼は見る人を魅了する豪快なゲームプレイを得意としており，固定された戦略を用いず状況によって戦術を変える，非常に才能のあるゲーマーである。