Kimの韓国最新PCゲーム事情＃73

韓国で，Blizzard最新作の版権をめぐる熾烈な戦いが勃発（2003/3/6）

Text by Kim Dong Wook特派員

　ここ最近，韓国内においてBlizzard Entertainment社の新作ゲーム「Warcraft III：The Frozen Throne」と「World of Warcraft」の版権獲得競争が激化している。
　その背景には，Blizzardが過去に開発してきたゲームが，すべて100万本を越す売上を記録していることがある。新作においても同様の売上を得られるのではないかという期待がかかっているわけだ。

　これまでBlizzardのゲーム販売を手がけてきたHANBIT SOFT社が「Warcraft III：The Frozen Throne」の版権を未だ獲得できておらず，またBlizzardの親会社であるVivendiがHANBIT以外の会社にもコンタクトを取っているため，「Warcraft III：The Frozen Throne」と「World of Warcraft」の版権料がどんどん上がっているというのが現状だ。
　とある関係者によると，シンガポールで先日開かれた「World of Warcraft」の発表会には韓国の有名ゲーム会社が軒並み参加し，HANBITに加えNC SOFT，NET MARBLE，WEB ZENなどが，「World of Warcraft」の版権について交渉したようだ。
　最終的には，最も高い金額を提示した会社が版権を得ることになるはずだが，その版権料の高騰は，ゲームの価格やプレイ料金など，そのまま韓国ゲーマー達の財布を直撃することとなるので，現在沈滞ムードの高まってきた韓国のゲーム市場を，よりいっそう冷えさせてしまうのではないかという懸念の声もあがっている。

　韓国のゲーム市場活性化に大きく貢献してきたBlizzard Entertainmentのゲームが，今度は逆に韓国ゲーム市場を荒廃させていると見る向きも多い。