「Warcraft III:The Frozen Throne」の発表会を開催 | - 03/06 21:21 |
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Blizzard Entertainment社は,世界的に注目されている「Warcraft III:The Frozen Throne」と「World of Warcraft」の2作品のプレス発表会を行った。作品のプレゼンテーションを行うのは,いまやBlizzard社の副社長にまでなった(以前名刺を貰ったときはシニア・プロデューサーだった)ビル・ローパー(Bill Roper)氏その人。氏は,先日まで韓国で同作品の発表会を行っており,休むまもなく日本での発表を行うという,非常に多忙なスケジュールのなかでの来日となる。 発表会の会場となったのは,ネットゲームカフェとして知られるNecca秋葉原店。PCのモニタに,見渡す限りThe Frozen Throneのロゴが表示されるなか,多くのプレス関係者が集まり,ビル・ローパー氏のプレゼンテーションに聞き入っていた。 まず軽い挨拶から始まり,次にThe Frozen Throneで新たに追加されたヒーローやユニットのついての説明が行われた。その内容を軽くまとめて紹介すると,以下のような感じとなる。 ●Warcraft III:The Frozen Throne ・ヒューマンの新ヒーロー:Blood Mage 強力な魔力を備える魔術師ヒーロー。範囲内の敵を攻撃する「Flame Strike」などのアビリティを持つほか,敵を一時的に戦闘から隔離する「Banish」などを備える。究極奥義は,指定したユニットをフェニックスに変身させる「Mark of Fire」。 ・オークの新ヒーロー:Shadow Hunter 補助系魔法に秀でたヒーロー。これまでオークの弱点とされてきた"序盤の回復手段の無さ"を補う,「Healing Wave」というアビリティを備え,オークは序盤でも味方のユニットの体力を回復させれるようになった。また敵を一時的に蛙にして無力化される「Hex」を持つなど,オークの主力級ヒーローとしての期待が高まる。 ・エルフの新ヒーロー:Warden 女性ヒーローで,任意の場所にテレポートできる「Blink」や一度に多くの敵に攻撃可能な「Fan of Knives」など,非常に使いやすそうなアビリティが用意されているユニット。究極奥義の「Spirit of Vengeance」は,周囲の味方の死体から精霊を呼び出し,敵と戦わせるというもの。状況が不利なほど,使ったときに効果が大きく,逆転を演出しやすい能力だという。 ・アンデッドの新ヒーロー:Crypt Lord カブトムシのような外見だが,実体は大きな蜘蛛のヒーローらしい。敵を角で突き飛ばして地面に叩きつける「Impale」や,近接攻撃で受けたダメージを反射する「Spiked Carapace」などの能力を持つ。究極奥義の「Locust Swarm」は,体から無数の虫を発生させ,その大群で敵を襲うというもの。周囲の敵を自動的に攻撃してくれる,非常に便利そうなアビリティだ。 ・中立のヒーロー:Pandaren Brewmaster The Frozen Throneでは,どの陣営にも属さないヒーローも登場する。Pandaren Brewmasterは,神秘の国「Pandaren Empire」からやってきたというパンダのヒーロー。愛嬌ある容姿にぴったりのユニークな挙動に加え,酒を口に含んだのちに炎を吐く「Breath of Fire」や,敵に酒を飲ませて酔っぱらわせ能力下げる「Drunken Haze」など,独特のアビリティが用意されている。なんでも,酔拳のような技の使い手だとか。ビル・ローパー氏の一押しだそうだ。 などなど,WC3を遊び込んだ当方としては,ヒーローの詳細を聞くだけでも,The Frozen Throneへの期待感が高まってしまった。ビル・ローパー氏によれば,あとでプレス向けにβアカウントを送ってくれるとのことなので,ユニットなどそのほかの追加要素については,追って詳しく紹介していきたい。 またThe Frozen Throneでは,二つのシングルキャンペーンが用意されるらしい。一つは製品名と同名のキャンぺーンで,ヒューマン,エルフ,アンデッドの複合シナリオ。さまざまな地域に場面が移り変わるような展開となるようだ。もう一つは,上記のシナリオと同じ時点のオークのストーリーとのことだった。 そしてThe Frozen Throneのプレゼンテーションが一段落したところで,ビル・ローパー氏が「今回はおまけなのだけど……」という前置きを置きつつ,World of Warcraftの説明を行ってくれた。 World of Warcraftについては,実際にキャラクターを動かしながらのプレゼンテーションとなったのだが,筆者としては,まずその画面に広がる"圧倒的なスケール感"がかなり印象的だった。World of Warcraftでは,建物やオブジェクトなどが全て"実物大"で表現されており,なにげない木や家などに,妙なほど大きな存在感を感じるのである。説明の最中に,Warcraft IIIで登場するScout Towerを例に出していたのだが,あまりの巨大さに一瞬「おおっ」と内心唸ってしまった。ビル・ローパー氏曰く「ストラテジーゲームでは,なかなか実際の縮尺で表現することは難しいが,World of Warcraftならそれが可能なんだ」とのことらしいが。それにしたってあの小さなScout Towerの"実物"の大きさは,一見に値する。グラフィックも非常に美しく,すぐにでも遊んでみたいという欲求に駆られてしまった。これまでにも,いくつかの3D MMORPGが世に送り出されてきたが,あれほど画面内の世界に広がりを感じた作品は正直初めてだ。 なんでも,調子よく開発が進めば,今年の年末にはβテストを行う予定らしい。開発ペースが非常に遅いことでも有名なBlizzard社だが,思ったよりもずっと開発が進んでいるようなので,まずは一安心といったところか。 作品の説明が一通り終わったあと,最後に,昨年のWorld Cyber Gamesの「Age of Empires II:The Conquerors」部門で見事優勝を果たしたHalen選手が壇上に登場。競技性の高いスポーツタイプのゲームとして,Warcraft III:The Frozen Throneへの期待を語り,業界の大物であるビル・ローパー氏を前に,多少緊張した面もちながらも「早く遊びたいです。大会に向けてやり込もうかと思っています」と答えていた。 ちなみに,World of Warcraftの発売時期は未発表だったが,現在βテストが行われているThe Frozen Throneは,英語版が今年の夏の発売を予定しているとのこと。いまから発売が楽しみである。ただ,日本語版の発売や予定については,今回の発表では触れられなかった。こちらは情報が入り次第,お届けするつもりだ。 絶対に外れなし,とユーザーから絶大な支持を受けるBlizzard社のタイトル。今後の動向に注目である。(TAITAI) |