GDC会場で「魔界村オンライン」が初公開された! 「GDC 2003」スペシャルレポート #10 - 03/08 20:22

Text & Photo by 奥谷海人

 GDCのエキスポ会場でひっそりと展示されていたのが,カプコンが開発中のMMORPG最新作「魔界村オンライン」(アメリカでのタイトルは,「Ghouls N' Ghosts Online」)である。まだ,NPCやインターフェイスの全く存在しないα版以前のテスト用バージョンと思われるが,本作のゲーム画面が一般に公開されるのは始めてのことだ。
 実は,「魔界村オンライン」は,アメリカを本拠にするネットワークエンジンのミドルウェア"Terazona"を開発するZona, Inc.社のブースデモとして紹介されていたもので,PC版とXbox版の2つのプラットフォームが展示されていた。もちろん,カプコンからの係員はおらず,実際にどのようなゲームになるかは残念ながら一切の説明がなかったものの,完全3Dのグラフィックスによる本格的なMMORPGとなりそうだ。
 デモでは方向キーを使ってナイト風の男性キャラクターを操作することができ,PC版ではダンジョンのような迷路,Xbox版では土塁に囲まれた村の中を走り回ることが可能だった。キャラクターのプロポーションや顔の作りは,欧米製のMMORPGにはないタイプのもので,影が非常に印象的な作品だ。剣での攻撃には,複数の振り方が用意されているようだった。PCモニターから直接撮影しただけの画面写真しかないが,上の3つがパソコン版,下の3つがXbox版である。
 ちなみに,カプコンからは, "Ghouls N' Ghostsマッチファイト"と呼ばれているネットワークゲームもリリースされる見込みとなっている。この2作を開発しているのは,台湾にあるGame Factory社である。

 Terazonaは,ロールプレイングゲーム以外にもRTSやFPSなどにも応用できるネットワークソリューションで,サーバーやメッセージシステム,ロビーなどネットワークゲームに必要なサービスを揃えたミドルウェアとして知られている。通常は最低でも12か月かかるというネットワークエンジンの開発期間を短縮できるだけでなく,PCやXboxの他にもPS2やGameCubeもサポートしており,サーバーソフトウェアもWindows,Linux,Solarisに対応している。1つのシェードで最大3万人をサポートしており,「SD Gundam Online」のネットワーク部分を担っている開発キットでもある。


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