2003年4月17日，アイドス・インタラクティブからリゾート経営シミュレーション「南海の休日 ビーチ・プロデューサー」が発売される。

　日頃の喧騒から解放されて，南国の楽園ではじけたい！　そんなフラストレーションのたまったオトナ達に素敵な夢のバカンスを提供する。それが本作品のテーマだ。
　ゲームシステムは，今では逆に珍しいほどスタンダードな2Dミニスケープ。南国のビーチに各種リゾート施設を建ててお客を喜ばせ，経営を成功させるのが目的となる。
　ここでユニークなのが，"南国のビーチ"というこの作品の本質的なテーマだ。このリゾート地を訪れる客が求めるモノは，ビーチとアルコールとロマンス。客の中に子供の姿はいっさいなく，ハメを外すことを目的とした大人だけが客として登場する。品行方正な「テーマ・パーク」とは，実に対称的な様相を呈している。

　登場する施設のカテゴリは，"ホテルと関連施設" "飲食施設" "レジャー施設"の三つに大別される。"ホテルと関連施設"は，発電所やホテル別館，清掃員事務所にトイレなどといった，客の快楽とはさほど関係のない基本施設のこと。"飲食施設"はグルメ料理を提供するレストラン，アルコールを提供するバー，そしてジューススタンドやアイスクリーム屋といった露天など。"レジャー施設"は，ビーチを楽しんでもらうための海の家や貸ジェットスキー，果てはビーチディスコやカジノといった娯楽施設だ。
　プレイヤーは単に施設を建てるだけではない。例えば各種バーでは販売するビールの銘柄やアルコール度数などをコントロールして，客をでろんでろんに酔わせるのか，水みたいなビールであこぎに稼ぐのかを設定していく。また客はビールの缶やハンバーガーの包み紙をアホのように散らかすので，ゴミ箱を設置したり清掃員を雇うなどしてビーチを清潔に保たねばならない。救命員監視塔を建ててライフセーバーを配置しなければ，客は呆れるほどの勢いで溺れ死んでゆく。サメが出現したら直ちにビーチを一時閉鎖しなければ，次々と海面が血に染まることになる。リゾート地を訪れる客は，遊園地に来る子供以上におバカなのである。
　しかしこの客のバカさ加減こそ，ゲームの面白さなのだ。酔っ払って喧嘩する客，サメに食べられる客，ビーチで横になってごろごろ抱き合うカップル，ステージ上でTシャツ水かけコンテストに参加する女性などのアニメーションが結構緻密に描かれている。たまにゲーム画面を拡大して客の様子を見てみると，大笑いすること請け合いだ。

　"客が暴動を起こしそうなほど枯れた島を風光明媚に" "75人以上の客を同時に酔わせる" "ビーチでイチャつくカップルを50組以上作る" "サメに殺される客を5人以内に抑える"など，キャンペーンの内容もどこか荒んでいて（？）ユニーク。この手のゲームではオマケ的な場合が多いキャンペーンだが，本作品ではメインモードとして存在しているだけあってバランスが良く，実に楽しく遊べる。
　もちろん達成条件などいっさい気にせず自由気ままに遊べるモードも搭載しており，ミニスケープとしての面白さも水準以上。水着女性でむせかえるビーチの支配者はキミだ！

　なお当サイトの「こちら」で，英語版デモをダウンロードできる。ぜひ発売前に体験しておこう。

■「南海の休日 ビーチ・プロデューサー」
発売日：2003年4月17日
価格：7980円
メーカー：アイドス・インタラクティブ
対応OS：Windows 98/Me/2000/XP
CPU：PentiumII/450MHz以上（PentiumIII/800MHz推奨）
メモリ：128MB以上（256以上推奨）
空きHDD容量：1GB以上
DirectX 8.1以上に対応したビデオカード及びサウンドカード

Beach Life(C) Deep Red Games Ltd 2003. Published by Eidos Interactive KK 2003.
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