Vivendi Universal社のブースにある特設テントにおいて,「Men of Honor:Allied Assault」の続編である
「Men of Valor:Vietnam」のゲームプレイが,10分くらいにまとめて見られるようになっていた。Men of Valorは,欧米市場ではXboxとPC版を念頭に制作が進められており,Xboxが2004年の第1四半期もしくは第2四半期,PC版がその後の第3四半期から第4四半期にかけて登場するという。前作はElectronic Arts社からの発売だったが,本作の開発チームは同じ2015社の面々である。デモは,実際に開発者の一人がXboxコントローラを操作しており,前回のMen of Honorのときと同じような,スクリプト化されたストーリーがプレイヤーの周囲で断続的に繰り広げられるという,戦場の雰囲気がダイナミックに伝わってくる仕上がりになっていた。
最近の傾向として,多くの開発者たちの間で子供の頃の記憶として焼き付いているであろうベトナム戦争をテーマにした作品が増えてきているが,
Men of Valorは明らかに「地獄の黙示禄」や「フルメタルジャケット」からアイデアを拝借している。デモでは,ロックンロールを大音量でかけながらジャングルの上を飛行していたヘリコプターの一団が,突然べトコンの奇襲に遭遇して墜落してしまうことになる。プレイヤーと同乗していた多くの隊員は危ういところで命を取り留めるが,不時着した集落にはべトコンの狙撃兵が隠れ潜んでいる。頭を打ち抜かれるなどして次々と倒れていく仲間や,被弾した仲間の介抱に走り回るメディックなども描写されているのはニクいところだ。
この村では,味方の援護と救助の前に対空砲を破壊しておくようにとのミッションがリーダーから通達され,プレイヤーの一団はジャングルに向かって進んでいく。滞空砲を潰すと,傍のジャングルからピュンピュンとスナイピングに遭うのだが,待ち焦がれていた空爆機が敵の潜む付近に爆弾投下して樹木もろとも炎に包む。やがて,ヘリコプターがリーダーの投げた煙幕を手がかりにゆっくりと降りてくる……というものである。
かなりサクサクと進行していくところから,今回のE3での展示を念頭に特別に制作されたデモであるのかもしれないが,映画で観るような少し強調された激しい爆発効果や無線から漏れ出る生々しい絶叫がシーンを盛り上げている。最近では,FPS市場は戦場を模したアクションゲームで溢れているが,また一つ新たなる競合がVU Gamesブランドで登場することになりそうだ。(奥谷海人)