毎年出入りするのに四苦八苦する（？）E3でのSony Online Entertainment（以下，SOE）ブース。同社のブースは基本的に"クローズドのみ"というのが例年のお約束で，今年も正面入り口の両脇を黒づくめのガードマンがガッチリと堅め，万全のブロックだったが，なんとかブース入り。E3 2002で華々しく公開された「EverQuest 2」（以下，EQ2）がどのようにゲームとして形作られてきたかをシゲシゲとチェックしてきたので，早速お伝えしよう。

　その前に，EQ情報を追っていない人のために，簡単に本作の説明をば。
　EverQuestは"元祖ヘロインゲーム"といわれる，ファンタジー世界「Norrath」を舞台にしたフル3DMMORPG。発売から年月を経た今日でも全世界で45万アカウントを有し，2003年の2月には日本国内で「エバークエスト 日本語版」も発売されている（ちなみに2003年5月8日には，EQの最新拡張パック「The Legacy of Ykesha」日本語版がリリース）。現在流通している3DMMORPGは，すべてこのEQをベースにデザインされているといっても過言ではない，同ジャンルの"王道"ともいえるタイトルだ。

　さて，その魅力的な世界にどっぷりとハマってしまう，いわゆる"廃人"を次々と排出してきたEQだが，E3 2003において，SOEより続編となるEQ2が発表。GeForce 3相当のビデオカードを用いて，最新作のグラフィックスをチェックできるだけのテクノロジーデモに過ぎなかったが，EQファンのほとんどが"うっとり"と最新作への期待に胸を膨らませたはずだ。（E3 2002で発表されたムービーなどは，当サイトのEQ2特設サイトの「こちら」からどうぞ）。そのほかEQ2最新情報は，公式サイトなどでジワジワと公開されているが，E3 2003に出展ということでキリもいいし，本作の新フィーチャーなどを以下にまとめておこう。

■世界観
・前作EQから，約500年後の時代設定
・前作同様「Norrath」が舞台。もちろん新ゾーン（エリア）も登場

■特徴（前作からの変更点）
・グラフィックスエンジンを一新
・目・耳・肌色や髪色など，キャラクターカスタマイズ機能を大幅に拡張
・1000以上用意されている武器・防具などの装備品が登場
・家やアパートの不動産や船などを所持可能
・16のレイス（種族）と48のクラス（職業）

　本日SOEの開発スタッフが見せてくれたのは，キャラクターメイキング画面の一部と，フィールドでの移動や戦闘シーン（あのLord Nagafenまで），そしてQeynos（関係ないけど，開発スタッフは"キーノス"と発音していた）やFreeportなど，いくつかの懐かしいゾーンだ。今回見られたのはまだαにも満たないバージョンに過ぎないので，グラフィックスのクオリティやパフォーマンスについては言及しないが，とりあえず見てきたまま，聞いたままをお伝えしたい。

　……それでもちょっとだけグラフィックスについて。
　今回見られたEQ2のグラフィックスは，E3 2002でのテクノロジーデモで見たような感動こそないものの（インゲームなので当たり前といえば当たり前），草木や家屋のオブジェクトは，おそろしく描き込まれていた。途中，森の中に流れ落ちる滝なども見られたが，霧状に拡がる水しぶき，透明度が高く表面が適度に光沢を放つ滝壷など，なかなかに美しい。全体的にEQよりもやや"濃い目"の，ハキハキとした色使いである。
　またキャラクターデザインも，"人形っぽい"前作とは異なり，筋肉の隆起具合や男女のスタイルの差異が強調されている。目玉がクリクリと動き，キャラクターが生き生きとしていたのが印象的だ。

　ゲームシステムについては，インベントリーが未公開だったりキャラメイク画面が「あんまり盛大に公開しないでね」という状況だったりと，明確に説明できる段階ではないようだ。
　それでも，戦闘シーンなどを見ていて筆者が気になったのが"キャラクターアクションの豊富さ"。
　フィールドを移動中，デモプレイスタッフの好意によりCommonlandへゾーニングしてもらい，Orcキャンプでいくつかの戦闘を見せてもらった。敵はOrc WarlordやOrc trooperなどといったものだが，それらのNewbieレベルのモンスターでさえ，連続蹴りなどの多彩なアクションを見せてくる。プレイヤーキャラクターのスペルキャスト時にもアクションが発生しているので，おそらくスペルやスキルに応じた相当数のアクションが用意されていると考えられる（これが戦闘自体の"テンポ"を下げてしまわないかと，ちと不安）。
　また，（これは未確認なのだが）街やフィールドにはゾーニングを請け負うNPCが用意されているようでデモプレイ中に何度かそれらのNPCを確認できた。恐らくは，キャラクターレベルに応じたゾーンへの移動されてくれるものなのだろう。

　デモプレイは，SolBに住まう伝説の二大竜の一匹，火竜"Lord Nagafen"との戦闘で締めくくられた（EQ2になってもその存在感は圧倒的で，高性能な光源/陰影処理により，さらに迫力が増した巨竜が印象的だ）。

　そんなこんなで，E3 2002の段階では"夢"に過ぎなかったEQ2は，全貌も明らかになりつつあり，ほぼゲームとしての形が整ってきたといえる。まだまだ先は長そうだが，ちょっぴり辛いレベル上げや，テンポのある戦闘，そしてなにより魅力的なNorrath世界観を損なうことなく"EverQuestらしい仕上がり"を目指して開発を進めてほしいところだ。（Gueed）

　……とここまでツラツラと書いてみたが，直撮りしたEQ2ムービーを見ればすべては一目瞭然かもしれない。ムービーも追ってUpする予定なので，お楽しみに。

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