[E3 2003#035]会場を笑いに包み込むLucasArtsの「Armed&Dangerous」 - 05/16 21:29

 「Full Throttle:Hell on Wheels」や「Sam&Max:Private Police」など,名作アドベンチャータイトルの復活で賑わうLucasArts Entertainment社の今年のラインアップ。しかし,中でも一際異彩を放っているのが,まったく新しいキャラクター達が暴れ回る「Armed&Dangerous」である。 Armed&Dangerousは,PCとXboxでの発売が予定されるシングルプレイヤー専用のアクションシューティングアドベンチャーゲームで,今冬の完成が見込まれている。プレイヤーは,ローマン(Roman)というヒューマンキャラクターを操作するのだが,彼はロビンフッドに憧れて結成したようなライオンハーツというギャング団のリーダーで,メンバーには,自己の存在を自覚してしまった好戦的で紅茶好きなロボットQ1-11(通称Q),爆破が得意なスコットランドモグラのジョンジー(Jonesy),そして脳に障害を持ってしまったことから現在では落ちぶれてしまったが,かつては偉大な魔法使いとして知られていたレクサス(Rexus)の3人がおり,ローマンを含めたこの4人が市民戦争と疫病によって疲労した惑星ミノラを救うことになるのだ。この惑星は,民衆からは嫌われているフォージ王に統治されており,彼が所有しているというBook of Ruleを盗み出して,王を追放するのがArmed&Dangerousの目的となる。雪国から砂漠まで,21種類のミッションに分かれた五つの地域を旅するのである。

 Armed&Dangerousは,とにかく4人のドタバタ劇が見モノとなる。それもそのはず,開発者は「Giants:Citizen Kabuto」でお馴染みのPlanet Moon Studios社で,以前はInterplay社で「MDK」を制作したイギリスやスコットランド出身のメンバーで構成されるチームである。聞くところによると,Giantsの制作後にMDKチームの残りの開発者たちも引き入れ,ようやく本格的な開発会社へと成長したとのことだ。Giantsは,技術的にも優れた作品だっただけでなく,イギリス風のブラックジョークが満載された派手なゲームだったが, その伝統はArmed&Dangerousにも十分に継承されている。それどころか,アクションやブラックジョークはGiantsの何倍にも増強されているといえ,ライオンハーツはまさしく"武装していて危険(Armed&Dangerous)な野郎達"なのだ。

 デモで見せてもらったゲームのスタートシーンでは,最初からとにかく失敗続き。パイプに向かって発砲すると,それは実はオイルパイプで,その先にあるペンギンの保護区をふっ飛ばしてしまう始末だ。実際にプレイヤーが操作するのはローマンだけだが,このキャラクターに装備できる武器はユニークなものばかり。今回確認できたものには,直線的に複数の敵を狙撃できるサイクロップス・スナイパーガンや,一度に四つの誘導ミサイルを発射できるヴィンダルー・ロケットランチャーなどがあった。そのほかにも,トプシータービーと呼ばれるドリルのような装置は,ローマンが地面に突き刺して逆立ちすると,なぜか世界がすべて反転してしまい,敵が空に向かって落ちていく。数秒すると元に戻るから,周囲の敵は雨あられのように落下してきて大きなダメージを受けてしまうというわけだ。ほかにも,(E3時点ではまだα版のために用意されていなかったが)地中を這って敵に食いつくサメを発射する武器とか,Planet Moonのトレードマークでもあるヒツジを利用した武器も登場するようだ。
 A地点からB地点に向かっていくようなスタイルのミッションばかりではなく,ミノラの住民を守るために,砦に設置された砲台に一人で乗り込み,壁を乗り越えようとする何百という敵に向かって掃射するとうような,ディフェンスミッションもあった。梯子を持って来たり,トロールを連れてきたりと,波のように襲い掛かってくる敵の数が圧巻で,ほかの場面でも豊富なアクションが大いに期待できそうだ。

 毎年規制がやたらに厳しいLucasArts,通路の巨大パネルのものになってしまうがプロモムービーを撮影しておいたので「こちら」で確認してみてほしい。(奥谷海人)


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