[E3 2003#46]Empireシリーズ最新作についてRick Goodman氏にインタビュー - 05/16 23:35

 「エイジ オブ エンパイア」や「ライズ オブ ネイション」は,元々は「Civilization」の帝国建設の楽しさをリアルタイムで再現しようと試みたソフトである。そういう意味では兄弟のようなソフトかもしれない。「Empire Earth」もそんなソフトの一つだが,開発元のStainless Steel Studios社を率いるリック・グッドマン(Rick Goodman)氏も,エイジ オブ エンパイアでリードデザイナーを務めていた経歴を持っている。
 そんなグッドマン氏が,前作で不評だった部分を大きく変更して制作を進めているのが,これから紹介する「Empire:Dawn of the Modern World」(以下,Empire:DMW)である。

 最も大きな変更点は,5000年近くに及ぶ人類の壮大な歴史の流れを14の時代に分けて表現していた「エンパイア・アース」に比べて,本作では時代を5つまで絞り込んでいるところ。具体的には,中世,中近世,産業,第一次世界大戦,第二次世界大戦の時代分けとなり,古代や未来の時代が削られた形だ。グッドマン氏によれば,時代の数をブラッシュアップし必要最低限に抑えることで,ゲームにより締りが出るようになったという話だった。
 Empire:DMWに登場する帝国は,イギリス,フランス,ドイツ,中国など全7か国。ユニークなのは日本ではなく韓国がアジア文明の一つとして登場するだろう。Starcraftのセールス300万本という韓国市場の"実績"は,やはりゲーム開発者にとっても見逃せない要素なのかもしれない。また今回の文明は,それぞれに異なるテクノロジーツリーや兵士が用意されており,文明の特徴が薄く無個性だったと言われていた,エンパイア・アースの反省を十分考慮した仕様へと変更されている。
 グラフィックエンジンは前作のものを継承しているものの,さまざまな部分に大幅なチューンナップが加えられ,1ユニットのポリゴン数なども前回の4倍ほどに膨れ上がっているなど,カメラを近づけても鑑賞に堪えうるだけリアリスティックなものへと進化。加えて,波打ち際の演出や町の様子など,前作の雰囲気は残しながらもグラフィックスは数段美しくなっているようだ。

 以下,グッドマン氏へのミニインタビューを掲載する。(奥谷海人)

forGamer.net(以下,4GN):
 それぞれの文明が異なるテクノロジーツリーやユニットを持っているということですが。
Rick Goodman(以下,RB):
 ええ。すべてのユニットやテクノロジーの進化は,その文明に特殊なものになっています。例えば,韓国なら町の中心で新しいユニットを強制的に出現させたり,中国なら移動式の町の中心(注:パオのようなものか?)で基地ごと場所移動することができるのです。
4GN:
 五つの時代に縮小させた理由は,やはり1ゲームが長過ぎるという判断からですか?
RB:
 それもあります。しかし,そういう長時間のモードでゆっくりとしたペースで楽しもういうプレイヤーも多かったらしく,そのために今回は二つのモードを追加したのです。一つは従来のような帝国建設ゲームで,もう一つはトーナメントモードというもので,とりあず素早いプレイの参加をできるようにするためのものです。早い場合は,20分から20分くらいで一つの対戦が終了するくらいのスピードだと考えてください。
4GN:
 前回の反省点を材料にして練り直した部分はありますか?
RB:
 それはもちろん。我々も前作から学んだことは多いですからね。実際には,もっとプレイヤーがEmpireで遊んだことによって,遊んだら遊んだだけなにかしらの結果が得られるようにしたかったということです。長く遊ぶほどに上達していくようなゲームにしたかったんですよ。
4GN:
 1950年までの時代設定ですし,第二次世界対戦での太平洋戦争なども描いているのでしょうか?
RB:
 日本がいないから難しいかも知れませんね。しかし,日本はシングルプレイヤー用のキャンペーンではノンプレイヤブルな軍団として登場する予定で,侍ばかりでなくポルトガル銃を進化させた強力な鉄砲足軽を持っているんですよ。楽しみにしていてください。


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