MMORPG「Dark Age of Camelot」（邦題：ダーク・エイジ・オブ・キャメロット。以下，DAoC）に，この冬，最新の拡張パック「Trials of Atlantis」（以下，ToA）が登場する予定だ。E3 2003のVivendiブースにて開発途中のバージョンに触れつつ開発スタッフに話を聞けたので，お伝えしよう。

　2002年の12月に発売されたばかりの拡張パック「Shrouded Isles」では，木や水面の反射などのグラフィックスが大幅に強化されていたが，ToAのメインの拡張内容も，グラフィックスの向上だ。地面や木の描写はさらに細かくなり，建物はより高さと広さを感じられるようになっている。
　とくにその美しさに目を見張るのが，水の表現。水面反射はShrouded Islesでも十分綺麗だったが，ToAでは，"Atlantis"という言葉から分かるように，水中までも舞台の一つとなっている。その水中の表現こそが，ToAのグラフィックスエンジンの腕の見せどころというわけ。また水と同タイプの処理であるのか，向こう側が透けるガラスの表現も随所に見られ，建物に色を添えている。

　ところで「水中が舞台になる」といってもピンとこないかもしれないが，どうもDAoC世界のキャラクター達は，水中でも呼吸ができるようだ（少なくとも当分は，クラス/種族に関係なく水中にどれだけいても平気とのこと）。ToAでは，なんと合計で20もの新ゾーンが登場する予定だが，その多くが水に関係する場所。新しく追加されるダンジョンには，一部が陸上に，一部が水中にあるといた構造を持つものまであるとのことだ。
　当然，水中に棲む多くのNPCやモンスターも新たに追加されているし，これまで不可能だった水中での戦闘も可能になる。「水中で爆発系の魔法が使えるのか？」という質問にはさらりと「未定です」とかわされてしまったが，今後は対レルム戦でも，"水中ならではの戦い方"なんてものが編み出されそうだ。

　また，各レルムごとに一つずつの種族が追加される（今回はクラスの追加はなし）。今回デモを見せてもらったのはレルム"アルビオン"だったが，アルビオンでは人間とオーガのハーフ「Half Ogre」が追加されるとのこと。かなり強力な戦士となりそうな種族である。
　そしてゲームバランス面では，高レベルユーザーがもっと楽しめるような工夫がこらされるようだ。「すでにレベルがマックスの50に達した人でも，新たな目標ができるだろう」とのこと。なにせ20もの新ゾーンが追加されるのだから，これまで以上に強力なモンスターや危険なエリアもいくつかあるのであろう。

　ToAの発売は，アメリカで2003年第4四半期が予定されている（今回お話を伺ったスタッフは「秋くらいかな？」と答えてくれた）。まだ正式なアナウンスはないが，国内でDAoCシリーズの販売を手がけるカプコンが，海外での発売からすぐに日本語マニュアル付英語版を発売する可能性は十分あるだろう。
　自分の家をもてるようになるパッチ「Foundations」もこの6月には登場しそうだし，DAoCは高いクオリティを持ちながら，まだまだ発展途上タイトルといえる。この後DAoCがどのように進化していくのか，一ファンとして，非常に楽しみである。（Iwahama）