[Vivendi#3]超美麗なグラフィックスの3D RTS「Ground Control 2:Operation Exodus」 | - 2003/09/16 23:55 |
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立ち並ぶ最新ゲームの中にあって,グラフィックスの美しさや演出の面で,とくにここ最近際立っている作品が,SF RTSの「Ground Control 2:Operation Exodus」である。 本作は,フル3Dのゲームプレイと質の高いグラフィックスで注目された「Ground Control」の続編で,プレイヤー扮する主人公が,28世紀という未来の世界を舞台に,Terran Empireという巨大な帝国との戦いを繰り広げていくという内容になるらしい。 Ground Control 2の長所は,なんといってもその圧倒的なグラフィックスレベルの高さな訳だが,その凄さを開発者の言葉を借りて表すならば, 「FPSレベルのグラフィックスクオリティ」 ということになる。これは,地形や各種オブジェクトのディテールなどが,FPSとしても通用するほどのクオリティであるということで,事実,各ユニットは非常に細かく描き込まれている。カメラをズームさせればさせるほど,そのユニットの詳細な映像が表示されるのは圧巻。装甲服を着た歩兵の顔をのぞき込めたり,銃座から薬莢が乱れ飛んだりと,RTSでありながら"FPSレベルの表現力"を感じさせてくれる。 また,とくに目を引くのが,マップ中に配置されるオブジェクトの巨大さである。巨大なミサイル砲台や多層構造の建築物など,その存在感はかなりのもので,視点を引いて全体像を画面に映すと,それまで指揮していたユニット達が豆粒のように映し出されるほどである。それでいて比較的動作が遅くならずにスムースに視点が動いていくのだから,その技術力にはまったく驚くほかない。 加えて"ドロッピング・マルチプレイヤー・システム"を始めとした,従来のRTSでは見られない特殊なルールの数々を搭載している点も,本作の見逃せない要素だろう。ドロッピング・マルチプレイヤー・システムとは,マルチプレイにおいてプレイヤーが途中から参加したり,退出できたりするという,FPSライクなゲームシステムのこと。これによって,ほかのタイトルのように一定の人数を集めないとゲームが遊べないということはなく,いつでも気軽に楽しめるというわけだ。 また本作のデモンストレーションを行ってくれたMartin Walfisz氏(Massive Entertainment創設者兼CEO:写真右下)によれば,Ground Control 2では,"Mass Play"という,いわばBattle.netのようなゲームサーバー/ロビーが用意され,そこにゲーム中のKill数や各種の武勲を蓄積させていくことで,ランキングやマッチングといったサービスも可能になるという話だった。既存のRTSによく見られるような,個人の役割が大きいチーム単位の勝敗を競い合うのではなく,気軽にFPSライクな遊び方ができるとすれば,RTSの間口も若干は広がっていくのかもしれない。 ただGround Control 2で一つ気になる点があるとすれば,3D RTSにありがちな操作性と視認性の問題だといえる。高低差の概念やダイナミックなカメラワークが本作のウリではあるのだが,独特の操作システム(RTSというよりも,FPSのような操作形態なのだ)と相まって,決して遊びやすい作品とはいえない印象を受けてしまったのだ。Martin Walfisz氏曰く「10分もあれば慣れる」との話ではあったが,残念ながら筆者は10分で慣れることはできなかった。とはいっても,操作方法に関しては本作独自のモード以外に,俯瞰視点で固定の旧RTSスタイルも用意されているので,慣れないプレイヤーはそちらのモードで遊べばよいだけの話であるが(ウリのグラフィックスの魅力は半減だが)。 さて,随所でクオリティの高さを感じさせてくれる本作だが,英語版の発売は2003年11月を予定。ただ日本での展開は,現在ではまったくの未定だという話だった。Vivendi Japanとしても,この作品を販売してくれるパートナー会社を今後探していくことになるとの話。ちょっと題材がメジャー感に欠けるが,Ground Control 2は非常に質が高そうなタイトルだけに,ぜひ完全日本語版なども視野に入れた展開を期待したいところだ。(TAITAI) |