2003年9月30日の発売が今年末頃へと延期され，世界中のFPSファンをがっかりさせた「Half-Life 2」だが，とうとう2004年4月まで発売が延期されることが明らかになった。
　開発元のValve Softwareでは，この発売延期について，先ごろ盗まれてインターネットで公開されてしまったとされる「Half-Life 2」ソースコードのせいであるとしている。
　Valveとしては，盗まれてしまった部分のソースコードの書き直しをするため，約4か月程度の遅れを予定。結果として発売日が今年末から，来年4月への延期となったと発表している。
　しかし，この発売延期の発表にがっかりしたのは，実はゲーマーよりも販売元であるVivendi Universal Gamesかもしれない。というのも，Vivendiは今年前期で5200万ユーロにも及ぶ損失を計上，その補填のためにも世界的な話題作で売り上げも見込めそうな「Half-Life 2」に期待していたに違いないからだ。
　しかしValveの開発した，オンラインによるソフト配信システムSteamをめぐるVivendiとの確執や，当初の計画ではSteam配信によって販売する予定だった「Half-Life 2」が，Vivendiの圧力によって潰されてしまったことなどの腹いせに，Valve側ではソースコードを盗まれたことにして発売を延期する理由を作り上げ，Vivendiに痛烈な一矢を報いた……というのは穿ちすぎだろうか？　理由はどうあれ，ただでさえ"売り"に出されているとされるVUGにとっては，猛烈に痛い一撃となるに違いない。
　結局いまだに"ゲームとしてどうなの？"という部分が見えてこないこの話題作，なんでもいいから，早くプレイしたいものである。（Asakura）