[GenCon SoCal 2004#05]FarCry | - 2003/12/17 14:56 |
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来年早々に発売されるFPS「FarCry」は,グラフィックスだけがウリではない! GenConにはあまり関係なさそうなNVIDIA社のブースの一角で展示されていたのが,ヨーロッパ産の本格派FPSとして呼び声の高い,UBI Software社の「FarCry」だ。常駐の係員もおらず,周囲の「World of WarCraft」や「Star Wars Galaxies」の陰に隠れるような展示ではあったが,その分だけじっくりとプレイすることができた。 FarCryの開発を手がけているドイツのCryTek社によるCryエンジンは,Normal Mappingなど最新の技術を駆使した,ポリゴン数の低いキャラクターやオブジェクトでも複雑なモデリングに見せてしまうPolyBumpというコア技術が定評だ。椰子の木やシダに覆われたジャングルの様子も見事に再現されており,10人以上の敵が押し寄せてくるような場面も表現できる。 しかしFarCryの真髄は,その巨大なマップにある。1km四方が完全に見渡せ,クッキリはっきりとした密度のある森林が見事に表現されている。この描画距離の長さが魅力的であるのは,とくにテレスコープが18倍にまで拡大して使用できるからだが,そのときでも周囲の風景や対象のキャラクターが劣化しないのが素晴らしい。 坂道を転がり落ちるドラム缶や死体など,フィジックス面でも優れた本作だが,敵AIの秀逸さも,かなりのものだ。 画面の左下にはプレイヤーキャラクターを中心にしたレーダーがあり,歩いたり銃を撃ったりすると周囲に波紋が広がっていく。これは,プレイヤーが立てた音に対する敵の反応を示している。敵は三角形の矢印で表示され,緑が平常時,黄色が不審に思っていることを,そして赤はプレイヤーの存在に気づいていることを表す。 敵はいったんプレイヤーの存在を知ると左右に分散して攻めてくるなど,かなり"イヤラシイ"動きをする思考ルーチンのようだ。また,ジャングルの樹木が邪魔になって,プレイヤーから敵の居場所が分からなくても,敵はわずかな隙間からプレイヤーの姿を見つけ出す。木の裏に隠れていても,とりあえずは音の出た場所や,最後にプレイヤーを確認した地点まで探索しに来るので,いったん戦闘状態に入れば飛び出して銃撃するのは無謀で,一人一人をうまくさばいていくようなゲリラ戦法を多用するしかない。多くの局面では,突進するよりも,遠方からの狙撃のほうがいいだろう。 スナイピングでも,敵が1発めの音に反応することがあり,どんなに遠くであっても警戒心を持つようなので,レーダーは常に確認しておく必要がある。プレイするたびに敵の行動パターンが異なるように感じられたのは,彼らが状況を判断している証拠だろう。 マシンガンやショットガンでも,右クリックすれば周囲の視界が2倍に拡大するようになっている。ただし,ゆっくりとしか進めなくなるので,レーダーで敵の進行を確認しながら待ち伏せるといった戦い方がいいだろう。 複数人に囲まれている場合,最後の敵を仕留めるまでにほかの死体が消えてしまっているので,雑草の多い場所ではAMMOの回収が難しい。じっとしていると,敵もプレイヤーキャラクターの頭部や胸部を狙ってくるので,即死にしないように心がける必要もあるのだ。 FarCryは,2004年2月にはリリースされる予定で,2003年中にはβテストも開始される。「Half-Life 2」や「DOOM 3」ほどは話題になっていないが,それらのソフトの開発が遅れている分だけ,スマッシュヒットになる可能性も十分あるだろう。(奥谷海人) →「FarCry」の当サイト内の記事一覧は,「こちら」 (C)2003 Crytek Studios. All Rights Reserved. Published by Ubi Soft Entertainment. Far Cry, Ubi Soft, and the Ubi Soft logo are trademarks of Ubi Soft Entertainment in the U.S. and/or other countries. |