[GenCon SoCal 2004#06]World of Warcraft - 2003/12/17 18:26


アンデッドに占領された街を奪回するクエストをテストプレイ!

 NVIDIAブースにあった,会場でも常に観客に取り巻かれていた展示物が,Blizzard Entertainment社の贈るMMORPG「World of Warcraft」である。同社はすでに韓国で本作を直接運営できる体制を整えており,そこを拠点にしてアジアでのサービスを行う予定になっている。

 World of Warcraftでは,プレイヤーはThe AllianceThe Hordeという二つの勢力のどちらかに所属してプレイする。The Allianceでは,ヒューマンナイトエルフドワーフ,そしてノームの4種族が選択できる。The Hordeも同じく4種族選択でき,オークタウランアンデッドトロールが用意されている。
 キャラクタークラスは種族によって選べるものが決まるようで,パラディンシャーマンドルイドローグなど現在のところ9種類が発表されている。

 面白いのは,パーティやギルドなどは,The AllianceやThe Hordeの枠組み内でのみ組めるようになっていること。つまりヒューマンとオークとでは,組織だった行動ができないのだ。このあたりは"Warcraftシリーズ"の世界観を踏襲していて,あくまでも2勢力間の戦いを描いている。
 そのため,敵対するギルドとの戦争にも名目が付けられているし,発生するクエストも,The Allianceならオークの砦に囚われているキャラクターを救い出すとか,The Hordeならドワーフの村を急襲するというようなものになる。つまりMMORPGで一般的な"全プレイヤー vs. 環境"ではなく,ヒューマンとオークの果てしない戦いの延長線上の世界が描かれているわけだ。

 ブースにあった二つのモニターの前では,イベント参加者達が10分ごとの制限付きでプレイできるようになっていた。筆者がプレイしたのは,ドワーフキャラクターによる,アンデッドに占拠された街の奪回というクエスト。
 まず,デモの担当者のいうがままにグリフォンの停留所に向かう。グリフォンは,World of Warcraftでプレイヤーが移動に使える乗り物の一つだが,プレイヤーがペットとして所有するのではなく,グリフォンを移動手段に使う公共サービスのようなものがあるのだ。自分の好きな地点へ連れていってくれるわけではなく,特定の停留所を往来する直行便といった感じ。ちょうど,「Dark Age of Camelot」の馬のようなものだ。
 グリフォンには一人しか乗れないようになっているものの,パーティメンバーが同時期に出発すれば,編隊を組んでの空の旅を楽しめる。グリフォンが翼を動かすたびにふんわりと上下するようなアニメーションには浮遊感もあり,周囲の森や渓谷の景観には息をのむ。ゾーン間をシームレスに移動できるのがWorld of Warcraftの魅力の一つであるが,もちろんグリフィンに乗っていても,地名が次から次へと表示される間も画面が止まることはなく,気象もスムースに変化していくのが素晴らしかった。

 アンデッドに占拠された街は,World of Warcraftでは"インスタンシング"と呼ばれるプライベートエリアになっていた。そのため,ほかのプレイヤーやパーティに邪魔されることなく,自分達のペースでプレイできるのだ。
 担当者は,この街のクエストを"ダンジョン"と呼んでいたが,どう見てもダンジョン(地下牢)のイメージからはほど遠く,広大な街の様子が描かれている。噴水のある広場や,ひづめの攻撃が強力なアンデッド系の馬がいる馬小屋があり,また建物の中も天井が高くて広々とした雰囲気だ。これだけのスペースを,個人やグループで使っているのが不思議に思えるほど。
 クエストは,Arugalという名のアークメイジを仕留めることで終わった。

 プレイヤーキャラクターが死んでしまった場合は,5分ほど待つか,すぐさま蘇生するかを選択できるが,すぐに蘇った場合には,なんらかのペナルティが課せられることになるという。
 インタフェースは使いやすく,走っていたり戦っていたりする間も,簡単に装備を変更できた。
 11月末に,生産系スキルも用意されることが具体的に発表されており,Warcraftの世界でも冒険や戦闘以外でも十分生活できることが分かった。デモでは,アイテムや余剰資金を保管できる銀行も見せてもらったが,金額次第で複数の銀行スロットも保有できるのはありがたい。

 World of Warcraftは,Pixer風の柔らかいアニメ調のグラフィックスで,アジア人にも馴染みやすいタイトルだろう。βテストを2004年の第3四半期に予定しており,早ければ2004年の冬頃には遊べるようになるはずだ。(奥谷海人)

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