「ウォークラフト III 拡張版:フローズン・スローン 日本語版」の発売日が決定 - 2004/01/20 19:58


 本日(2004年1月20日)カプコンは,「ウォークラフト III 拡張版:フローズン・スローン 日本語版」(以下,フローズン・スローン)の発売日を2004年2月27日と発表した。価格は5800円

 本作を知らない人のために軽くゲームの紹介をしておくと,フローズン・スローンとは,Blizzard社の人気タイトルである「ウォークラフト III」の拡張版のこと。新たなユニットやヒーローが追加されるほか,そして戦術的に大きな影響をもたらすアイテムの追加/修正など,よりゲームの深みを増す多くの要素が盛り込まれているのが大きな特徴だ。
 もっとも目立つ変更点としては,自分で建設が可能な"自前ショップ"と中立ヒーローの存在が挙げられる。そもそもウォークラフト IIIは,競技性の高いRTSでありながらも,経験値や概念といったRPGな要素を非常にうまく盛り込んでいる作品。ヒーローの使い方(成長のさせ方),あるいはヒーローが装備しているアイテムの使い方一つが,大きく戦況に影響してくる点が,ウォークラフト IIIの最も面白いところである。
 つまり,どの陣営にも属さない中立のヒーローが追加されることや,手軽にアイテムを購入できる"自前ショップ"の存在(前作でのアイテムショップは,マップ固定で設置されているだけだった)は,ゲームの展開や戦術に絶大な幅を持たせることに繋がるのだ。
 ちなみに筆者はすでに英語版で何回かプレイした経験があるのだが,傑作だと感じたウォークラフト IIIが"さらに進化している"と実感している次第。本作は,自分の友達に遊ばせたくなる(要するに,一緒に遊んでほしくなる)数少ない作品の一つだといえる。
 100万本売れないタイトルは出さない,絶対に外れなし,とユーザーから絶大な支持を受けるBlizzard Entertainmentのタイトルだけあって,追加された要素のさじ加減(バランス)も絶妙のフローズン・スローン。前作のファンだけではなく,PCゲームを楽しむ人全員にお勧めしたい作品だろう。

 とはいえ,日本語版を待ち望んでいたファンにとって,この時期の発売日発表は,嬉しさ半分「やっと出るのかよ」という思いも強いだろう。これは,ウォークラフト IIIの一ユーザーとして,筆者もまた同じ気持ちである。ローカライズ版が半年以上の遅れで販売されるというのは,言ってしまえば"普通のこと"だといえる。マイクロソフトやエレクトロニック・アーツといった大手メーカーのタイトルは,全世界向けのローカライズ作業を自社の枠の中で行えるからよいが,ほかの多くのタイトルは,契約上(契約時期)の問題からローカライズ作業が"後手に回り",結果的に発売時期が遅れてしまう。これは,今の状況では仕方がないことだといえるかもしれない。
 それにBlizzard作品のタイトルに関しては,Blizzardの親会社であるビベンディのローカライズチームが担当しているなど,"日本語化の作業"に関しては,日本の販売元であるカプコンにはどうしようもないところも多かったことだろう。
 しかしながら,フローズン・スローンの日本語版についての(ユーザーの)不満というのは,単純に発売時期が遅いというだけに根ざすものではないのではないか? と筆者には思える。7月に発売された"日本語マニュアル付き英語版"がウォークラフト III 日本語版にインストール出来ない,といった致命的な問題の存在(これ自体は,カプコン側の問題というわけではなく,ゲームの仕様に根ざすもののようだが)や,それについての正式な発表をしないカプコンの姿勢など,ユーザーは,カプコンのメーカーとしてのあり方に疑問を感じているのではないか? と考えずにはいられないのだ。
 カプコンは,紛れもなく日本のゲームメーカーのトップブランドである。それだけにユーザーの期待が大きいことを忘れないでほしいと感じる。マニアックなゲームシステムを始め,動作環境など,なかなか遊びにくいPCゲーム。そんなPCゲームだからこそ,できるだけユーザーが安心してゲームを購入できるよう,サポートを怠らないでほしいと思うのだ。
 とはいえカプコンは,国内ファンサイトへの支援など,ウォークラフト IIIに関しての細かいユーザーサポートを行っており,筆者としても,このような頑張りは非常に素晴らしいと感じる。ファンサイトの支援などは小さなことかもしれない。しかし,そういった活動を積み重ねることが,ユーザーの信頼獲得に繋がることだろう。PCゲーム業界を引っ張るメーカーの一つとして,今後の活動と展開に期待したいところだ。

 ともあれ,ウォークラフト IIIおよびフローズン・スローンは,紛れもない名作であり,いわゆる"キラーソフト"にすらなり得るポテンシャルを秘めたタイトルだ。発売日である2004年2月27日を心待ちにしたい。なお最後となるが,日本語マニュアル付き英語版"のユーザーへの有償アップグレードは行なわれない模様だ。(TAITAI)

→レビューや特集記事など「ウォークラフト III」の記事一覧ページは,「こちら」
→Screenshot集など「フローズン・スローン」の記事一覧ページは,「こちら」

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