「コルムオンラインレポートin韓国」#7:eSOFNET開発チームインタビュー - 2004/01/30 17:21


開発チームのリードデザイナーのソン氏,プロジェクトマネージャーのボン氏,プログラマーのイン氏の3人がインタビューに答えてくれた
 怒涛のインタビュー3連発(編注:社長突撃インタビューは,後ほど掲載します)を無事に終え,韓国滞在2日めには,コルムオンラインの開発を行うeSOFNET社があるビル(Netclue本社ビルから車で10分ほどのところにある)へと移動してインタビューを行った。eSOFNETは,コルムオンライン以外にもいくつかのタイトルの開発をしているが,本社ビルは,タイトルごとに1フロアが割り当てられているという分かりやすい部署の割り当てがなされていたのが印象的だった。例えば,コルムオンラインは4階,Dragon Rajaは5階,N-Ageは6階という感じ。
 インタビュー前には,コルムオンラインの開発ルームを見学させてもらったが,いきなり目に飛び込んできたのは,なんと空手界の重鎮"大山倍達"氏のポスターだった。開発スタッフの一人に聞いてみたところ,プログラマーの一人が大山氏のファンだからということだった。韓国でも大山氏の人気は高いらしい。
 開発ルームは,意外にも整然と整理されていて,プログラマーチーム,テストプレイチーム,デザインチームなどチーム別でエリアが分かれていた。デザインチームのデスクには,日本のデザイン本があったり,ガンダムのプラモデル(RX-78GP01"ゼフィランサス"?)が置いてあったりと,日本に関係するものが多いのが印象深い。ちなみに,テストプレイチームが使っているPCのスペックを聞いてみたところ,Pentium4/2.4GHz,メモリ256MB,Radeon9700というもので,高スペックマシンでテストをしているというわけではないとのこと。

 見学後に7階へと移動し,会議室でインタビューを行った。インタビューでは,開発チームのリードデザイナーのソン・テク・リ氏,プロジェクトマネージャーのボン・ウォン・チェ氏,プログラマーのイン・ホ・チェ氏が我々の質問に答えてくれた。通訳は前日にもお世話になった,キム氏とジ氏の2人に担当してもらい,質問は基本的にソン氏が答え,ボン氏とイン氏がサポートという構図で行われた。(Seal)



forGamer編集部(以下,4G):
 まず,eSOFNETは,コルムシリーズ(1〜3の3作品:残念ながら日本ではローカライズされていない)を開発されていますが,新作の開発にあたりシリーズを受け継ぐ4ではなく,オンライン化した理由を聞かせてください。

ソン氏:
 コルムオンラインは,いままでのコルムの世界観を継承しています。コルムをもっと面白くさせるために,かつコルムのファンの方々により"コルムの世界"を楽しんでほしいのでオンライン化したというのが最もぴったりくると思います。

4G:
 コルムオンラインをプレイしてみると,シリーズ全てを遊びたくなりますね。コルムオンラインの最大の"ウリ"というのはどのあたりですか?

ソン氏:
 日本は,パッケージでリリースされるシングルRPGの人気が高いですよね。コルムオンラインでは,いままでのシリーズを継承するようにシングルRPGの感じがでるようなデザインにしているのでそのあたりがウリになると思います。とくに装備品や武器などのアイテムの種類やそのグラフィックスには,力を入れています。

リードデザイナーのソン氏は,にこやかに我々の質問に答えてくれた。4階にある開発ルームでは,個人ブースが広く取られていて環境のよさが印象的だった


4G:
 確かにアイテム数が多かったり,外観が変わったりするとプレイヤーも楽しくなります。韓国でもたくさんのMMORPGがリリースされていますが,Diabloなど近づけたい/参考にしたというタイトルはありますか?

ソン氏:
 Diabloは韓国でも人気があるので,参考にしています。ほかにも韓国で人気が高いタイトルを参考にした部分もあります。

4G:
 それでは,韓国で人気がでるような作品にしていきたいと?

ソン氏:
 そうです。まずは韓国で成功させるという目標があります。

4G:
 現在のコルムオンラインにはまだ未完成の部分があると思いますが,クラス間のバランスは,開発チームから考えてどの程度の完成度ですか?

ソン氏:
 うーん。数字でいくつというのは難しいですね。確かにクラス間のバランス調整は,まだ完成しているとはいえません。逆に,100%完成,または平等という状態もないと思います。例えば,以前はファイターよりもレンジャーが強かったので,この前韓国サーバーにはファイターを強く,レンジャーを弱くするパッチを導入しました。しばらくはファイターがまだ弱いのでもっと強くしてほしいという要望が多く寄せられたのですが,時間が経つにつれて我々が描くファイターの戦い方をマスターした人が多くなり,現在のプレイヤーでの評価は「ファイターは強い」というようになっています。あまりいい例ではなかったですが,プレイヤーがどんどんとゲームを変えていくことは可能です。

4G:
 私はレンジャーでプレイしているのですが,序盤はファイターよりもレンジャーのが強く感じました。これからファイターに巻き返されてしまうと思うとちょっと残念に思います。ちなみに皆さんはどのクラスでプレイされてますか?

ソン氏:
 私はソーサレス,ボンはレンジャー,インはプリーストでプレイしています。レベル帯でのクラス間バランスは装備しているアイテムでも変わってくるので,よほどのことがない限りバランス修正は行いませんが,なにかあったらメールで要望を送ってください。

開発ルームで一番驚いたのが,大山氏のポスター。韓国でも氏の人気は高いらしい。武器や建物のデザイン本がずらりと並んでいるのも印象深かった


4G:
 ありがとうございます。そういえば,パーティでハンティングした場合に経験値ボーナスおよびアイテムドロップ率がアップするというのが日本の公式マニュアルに掲載されているのですが,正直体感できるほどではありません。これって本当にボーナスはあるんですか?

ソン氏:
 (ニヤリと笑って)うーん,いきなり答えづらい質問ですねぇ(笑)。韓国サーバーでは実装済みですが,日本サーバーはまだ実装されてませんよ。

キム氏:
 えっ!

4G:
 先ほどキム氏にお聞きしたところ,8人パーティの場合だけボーナスがあるとか聞きましたけど……。

ソン氏:
 韓国ではパーティの人数に応じてボーナスが付くようにしていますので,韓国サーバーでは,まず最大の8人パーティを組んでからハンティングを行うというスタイルが一般的です。パーティに入ったのにすぐに抜けちゃうような人は,嫌われやすいですね(笑 追って日本にも導入されるので待っててください。

キム氏:
 すみません,僕メチャクチャ嘘つきでした!

4G:
 いえいえ(笑)。日本サーバーにも早く実装されて,常に8人パーティで遊んでみたいですね。あと,コルムオンラインでは武器を2種類装備でき,瞬時に切り替えられますが,2番目のスロットに置いた武器が正常に動作していないように思えるのですが……

ソン氏:
 あぁ,それは韓国サーバーでは修正済みです。すぐに日本サーバーにも修正パッチが導入されると思いますよ。

4G:
 それを聞いて安心しました。話は変わってしまいますが,コルムオンラインには"ナトー","クォディッチ","レディズ"などの名前が付けられたアイテムが登場しますが,前作のコルムシリーズに登場した人物なのでしょうか?

ソン氏:
 細かいところ気になるんですね(笑)。それはとても簡単ですよ。新しく考えた名前もありますが,いくつかは開発者がeSOFNETで使っているメールのアドレスをそのまま流用しているだけです。例えば,レディズは企画者のメールアドレスですし,ナトーは日本のアニメ"ナルト"が好きなプログラマーが使っているメールアドレスです。しかし,ナルトという名前をそのまま使うわけにはいきませんので,ちょっと変えた,と。

4G:
 そうだったのですか……なんか裏話的で非常に面白いです(笑)。パーティを組んでいるときの個々のプレイヤーへの経験値の入り方にはなにか法則があるのでしょうか。コルムオンラインはダメージのタイミングで経験値が入るみたいで,モンスターそれ自体は経験値を持っていないという感じを受けました。

ソン氏:
 高レベルのプレイヤーが,低いレベルのモンスターを大量にハンティングして荒らさないようにしています。具体的には,自分のレベルとモンスターのレベルの差に応じて経験値が入るようになっています。

4G:
 つまり,PL(パワーレベリング)が出来ないようなシステムということですか?

ソン氏:
 そうです。PLは出来ないようにして,その代わりといってはなんですが,序盤は簡単にレベルが上がるようにしています。

4G:
 そういう仕組みだったのですね。最後に日本サーバーには2月4日にアメリタットパッチが導入されますが,そのときに追加される300種のアイテムオプションは,モンスターがドロップするマジックアイテム(青い色)にも付与されるのですか?

ソン氏:
 いいえ,現在の仕様ではアイテムのアップグレードでのみ付与できる特別な効果ということになっています。これはあまり人気がなかった武器/防具のアップグレードの活性化を促すという理由からです。

4G:
 非常に強い効果があるオプションもあるので,実装されたらアップグレードをしてみようと思います。本日はありがとうございました。


細かい部分での質問には,イン氏とボン氏が助太刀をしていた。デザインチームのスタッフの机には,完成した武器や防具のイラストがずらり

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