Encourage Innovation in Game Development 日本でもほとんど情報が公開されていないソニーの次世代携帯ゲーム機「PSP」について,Sony Computer Entertainment America社のエクゼクティブ副社長アンディ・ハウス(Andy House)氏から発表があった。
ソニーではPSPを21世紀型のポータブルシステムと位置付けており,CD-ROMの約3倍の容量を持つUMD(ユニバーサル・メディア・ディスク)システムを採用し,ゲームだけでなく映画や音楽,写真のアルバムなどにも利用可能とのこと。またHDTVに合わせた16:9の横長のスクリーンを始め,規格は不明だがワイヤレス通信機能も搭載との予定らしい。
"ワイヤレスで通信"と聞くとPCとの連動が気になるが,
PSPはPS2とはもちろん,PCともなんらかの連携が可能なようだ。ポリゴン処理能力はPS2以上といわれるPSPを持ち寄って友達同士で通信機能を行い,さらにその場にPCが絡んでくるとなれば,期待せずにはいられないだろう。それならば,この発表でハウス氏が口にした「ゲームの新革命」が起こり得るというものだ。
会場では開発中のBackbone Entertainment社の「Death Jr.」というアクションアドベンチャー風のゲームのデモが行われ,
エミュレータ上での動作だったが,モーフィング,スキニング,ダイナミック・ライティングなどの効果を存分に利用しており,ハードウェアのアーキテクチャが本格的に作られていることが実感できた。
このほかにも,ハウス氏はPS2のマーケット寿命を伸ばす作戦として,「Eye-Toy」のために開発したカメラと認識プログラムを活用した新しい作風のゲームの開発や,オンラインコミュニティを育成してコアファンの需要を求めていくと語っていた。ちなみにEye-Toyは(ご存じの人もいるかと思うが),カメラを通して自分がゲームに参加できるタイトルで,ボクシングや窓ふきなど,体を使った12種類のゲームを楽しめる。日本では14万本ほどのセールスだが,ヨーロッパ全域では280万本,アメリカでも70万本近くが出荷されている大ヒット作。ライセンス販売も行われており,大リーグゲームの「MLB 2005」では選手の顔のテクスチャを自分の顔と差し替えられる。また近々「Eye-Toy Gloove」というダンスゲームも発売予定のほか,5本ほどのプロジェクトも進行中らしい。(奥谷海人)