[E3 2004#100]3年めの「DOOM 3」 | - 2004/05/16 12:37 |
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実際,3年めとなった今でも「DOOM 3」のグラフィックスは過去のものとなってはおらず,数年前から"数年先を行っていた"当時の驚異的な技術力には,頭が下がるばかりである。 だが結局,またも発売する気配すらほとんど感じられないままE3 2004を迎えてしまったDOOM 3に対して,会場を訪れた人々はもはや「興奮を維持し続けるのが難しい」という状態に陥っているのではなかろうか。 PCゲームを愛するものとして悲しいのは,今年のE3ではDOOM 3が完全にXbox優先で展示されていた点だ。MicrosoftのXboxブースに展示されていたDOOM 3の盛況ぶりと比べると,Activisionブースに設置されたDOOM 3ルームの静けさといったらない。もちろん,そのルームから延びる行列はなかなかのものであったが。 不思議なのは,なぜ今年もヒッソリと出展を行うのかである。せっかく今回は,Xbox版とはいえプレイ可能なバージョンが初めて公開されたのだ。だが,このバージョンは真っ暗な小部屋の中で10分間だけ遊ばせるというもの。 「2004年夏にはPC版を発売する」というプロデューサー(ただしid SoftwareではなくActivision社の)の言葉が今度こそ本当なら,今年こそはドドーンとオープンにプロモートして,「ついにDOOM 3の年が来た!」と世界中にアピールしてほしかったのだが。 これでは,中に入れない多くの人々にとって「今年もDOOM 3は大して見せるものがないのかな」という誤解を与えかねない。なんというか,実にもったいない話だ。 さて,それではプレイしてみた感想を軽く。なんせ10分間という短い制限時間と,慣れないXboxパッド操作のため(何度も死んでしまった),とても最後まで見ることはできなかったが,DOOM 3が提供するプレイ感覚を実感する良い機会となった。 以前から分かっていたことではあるのだが,「音と光」が生み出す恐怖こそ,DOOM 3というゲームの本質だろう。プレイできたのは「αラップス」というステージ。いかにもSF系FPSらしい,金属製の壁や床に包まれたコントロールルームや通路からなる,施設の探索ステージといったところだろうか。とにかく全体的に闇に支配されており,ライトなどの光源に照らされた一部分以外は,薄暗いのではなく真っ暗なのである。 そんな闇の中,明らかに凶暴極まりない声が,どこかかなり近い位置から聞こえてくる。慌てて部屋を見回すものの,敵らしき姿は見えない。ただし光が届いていない暗闇は部屋のあちこちにあるので,そのどこかから接近しているのは間違いないのだ。敵の叫び声はさらに近づき,影の中から過去のDOOM 3画像などで見たことのあるブヨブヨした人が,蛍光灯の下に突然ヌッと登場する。 ゲームの進行自体は,ビックリするほど昔のDOOMを思わせる懐かしいもの。部屋の中のスイッチを探してロックされた扉を開け,敵を倒しながら奥へ奥へと進んでいくという,まさに昔ながらのFPSだ。というより,グラフィックスを強烈なクオリティに高めつつも,あくまでDOOMのゲーム性をかたくなに継承することを目的としてきたのだろう。このあたり,テクノロジの進化と合わせてゲーム性そのものも変化させようとしている「Half-Life 2」とは,根本的に発想が異なっている。 「これなら2004年夏発売というのは間違いないだろう」とは,正直まだまだ思えないような展示内容であったが,来年こそはDOOM 3クローズドルームの行列に並ぶ必要がないことを心から祈りたい。(Kawamura) →「DOOM 3」の記事一覧は,「こちら」 ※画面写真はXbox版のものです (C) 2003 id Software, Inc. All rights reserved. Distributed by Activision Publishing, Inc. under license. DOOM and id are registered trademarks of id Software, Inc. in the U.S. Patent and Trademark Office and/or some other countries. Activision is a registered trademark of Activision, Inc. and its afhliates. The ratings icon is a registered trademark of the interactive Digital Software Association, All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners. |