[E3 2004#134]「Unreal III」ゲームエンジンの最新画像が公開! - 2004/05/18 15:44


 「Unreal III」ゲームエンジンはDirectX 9.0cをベースにしており,それに対応したPC用ハードウェア,及び次世代Xbox用の開発ツールとなっている。その描画能力の高さから,「Deus Ex」や「Splinter Cell」を始め,「LineageII」や「Ultima X Odyssey」「Star Wars:Republic Commando」などにも利用されているゲームエンジンだ。
 4月にNVIDIA社が行ったGeForce 6800の発表会で初公開されたのを皮切りに,次世代の幕開けを告げる最新ゲームエンジンとして期待されている

 Unrealゲームエンジンの制作元Epic Games社は,今回のE3でも小ぶりながらブースを出しており,このエンジンの性能をひと目見ようと,多くの開発者達で賑わっていた。なお,公開されたのはNVIDIAのイベントやGDCで紹介されたものと同じデモである。ライセンス獲得を目的としての出展だったために,メディアや一般ゲーマーには小難しすぎる技術デモではあったが,今回のE3会場で見せられていたものでは最高品質のグラフィックステクノロジといっても間違いない。
 なお今回のものもあくまで技術デモに過ぎず,「Unreal III」自体の発売には早くても2年はかかると見込まれており,まだ情報は何もない状態だ。ただ,入手した以下の画像からも,そのクオリティの高さを理解してもらえると思う。(奥谷海人)

1:Unreal 3のキャラクターは,遠くに落ちる影ほど軟らかくなるソフトシャドウを落とす。右半身には自分の影も投影されているのに注目
2:ランタンが揺れ動くごとに,天井や壁,床に当たる光の強度が微妙に減衰する
3:玉虫色に光るテクスチャ効果は,アーティストが自分で即席作成したもので,ピクセル単位での光や影が見られるシェーダ技術
4:右の半透明のキューブはレイトレーシングのような効果をシミュレートしており,ノーマルマッピングで描かれたレンガの背景を歪ませたり減衰させている
5:注目すべきは立体的な雲ではなく,その雲がソフトな影を落としている地表部分。画像では分かりにくいが,風車の羽根の影も高さによってソフトさが変化する
6:立体的なボリューメトリック・フォッグの中に立つキャラクター

7:64ビットのHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)パイプラインの特性がよく分かるシーン。露光をわざと強くしすぎたような独特の作風も可能となる
8:光源の場所によって壁に映し出されるスペキュラーライティングも,外殻になるに従って落ち着いた感じになっていく。その上に,さらに影が投影されているのだ
9:Unreal IIIエンジンには独自の物理エンジンが搭載されており,これはスケレタル・アニメーションで骨格から作り出されたモデルの,ラグドール効果を見せている場面
10:エンジンツールのUnrealEdでは,リアルタイム・キネマティックにより瞬時にモデファイ可能だ
11:Unreal IIIの物理エンジンを,そのままUnreal Tournament 2004に当てはめ,画像の写真のようなリアリティを生むことも可能だ
12:UnrealEdの,Mitineeベースのビジュアル・シークエンサー。インゲームのシネマティックスも簡単に制作できる

13:UnrealEdのテクスチャ制作ツールの画面。コンテンツが迅速に閲覧できるよう改良されている
14:UnrealEdのビジュアルテライン・エディタ。リアルタイムで地形を変形させたり,植物を植え込んだりすることが可能である
15:UnrealEdのマテリアルエディタ。このように,好みのテクスチャのサンプルをつなぎ合わせていくだけで,何層にも渡る複雑なテクスチャを貼りつけることができるのだ

16:3D Studio Maxで制作したものを,8000ポリゴンに減少させたキャラクターモデル
17:同じキャラクターモデルは,3D Studio Maxでは3万ポリゴンで制作されていた
18:ノーマルマップのメッシュを適応するだけで,8000ポリゴンのキャラクターでも複雑な外層を得られる

19:この屋外シーンを通常のまま表示するとなると,合計で1億ポリゴン以上になる
20:Unreal IIIエンジンでは,同じ風景が50万ポリゴンに自動削減されて,元と遜色なく表示されている

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