[E3 2004#142]BioWareブースで見た新作「Dragon Age」 - 2004/05/18 23:04

 BioWare社が公開した最新アクションRPG「Dragon Age」は,Xbox専用ゲームとして話題になっている「Jade Empire」とは異なり,どこか「Baldur's Gate」「NeverWinter Nights」「StarWars:Knights of the Old Republic」など一連の作品群と似たニオイを持つソフトだ。ハイファンタジーな架空世界を舞台にし,D&Dの公式ルールを使わない独自のゲームシステムを採用。ゲームエンジンも,ほかの作品と似ている部分もありながら,まったく新しく作られたオリジナルである。

 今回のE3で紹介されたのは,ほとんどがコンセプトアートなどであり,実際のテクノロジデモは一部分だったが,それでもDragon Ageがどのようなゲームになるのかは想像できた。
 ゲームの起動画面は,SaveやLoadなどのオプションがある普通のもので,カーソルはNeverWinter Nightsと極似。しかし,これはE3に合わせてデモを作るために多くのアートをNeverWinter Nightsから拝借したのが理由だそうで,実際にはかなり変更される予定だ。

 まずDragon Ageのゲームデモとして公開されたのが,まるで映画「Lord of the Rings」の最後の戦闘シーンを連想させるような,赤茶けた岩山で行われている壮大なバトル。カメラが乾燥地帯を飛ぶように滑っていくと,そこではオーガやトロール,スケルトンなどが戦っている。そこに映されたキャラクターの数は不明だが,数百,いや数千はいるだろう。遠方は霧でかすんでいてよく見えないものの,とにかく凄まじい迫力だ。
 この岩山には,公開された画面写真でも分かるように木造の橋が架かっており,ここで主人公と思われるデュアル・ウェポンを装備したバーバリアン風の男性キャラクターと,巨大な杖を持ったスペルキャスター風の女性キャラクターが駆けていった。
 二つめのシーンは,おそらく別の場所と思われる聖堂のような巨大な塔。ここも岩山だが,全体的に灰色で天候が悪い。内部は,同社開発の前世代ゲームエンジンAuroraの一見単純なテクスチャとは異なり,壁画やタイルの模様が細かく描かれているし,複雑な石像などのオブジェクトで周囲一帯が満ち溢れている。天井の高い巨大建築物が見事に表現されており,中層のステンドグラスを通して光が漏れてきている。
 ここではカメラがキャラクターに向けてズームインされたが,口や目尻の表情が非常にリアルに動いていた。会話システムは,望みのNPCをクリックすると別アングルにカメラが切り替わり,いくつかのパターンから選択するというものだ。カメラが固定するのは会話のときぐらいのもので,あとは非常にスムースに移動や回転できるようになっていた。

 実際に紹介されたゲームシーンはここまで。残りは,Dragon Ageで描かれている世界のことなどに終始した。それによると,Dragon Ageでは文明が始まってから現在までの5000年に及ぶ時代が事細かに創作され,数十センチほどの分厚い資料ができあがっているという。
 Dragon Ageというのは,その長い歴史の中のほんの一部分で,地球のヨーロッパでいえば,暗黒時代から中世までの時代のことを指しているのは想像できるだろう。



 Dragon Ageの発売日や販売元,そしてマルチプレイヤーモードの有無については言及されなかったが,開発終了まであと2〜3年はかかる見込み。2005年早々にJade Empireが完成すれば,そのチームの大部分が合流することになっているという。また本作も会話が多くてローカライズが難しいゲームになりそうだが,手堅いゲーム作りは折り紙つきの同社の作品だし,ぜひ日本語化も期待したいところ。新しい情報が出れば,本サイトでも逐一報告していこう。(奥谷海人)

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