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これまでの「LET IT DIE」は,ただのチュートリアル!? 初夏のアップデートで追加される新階層など,今後のロードマップをあの人に聞いてみた
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印刷2017/04/13 00:00

インタビュー

これまでの「LET IT DIE」は,ただのチュートリアル!? 初夏のアップデートで追加される新階層など,今後のロードマップをあの人に聞いてみた

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントがサービス中のPlayStation 4用サバイバルアクション「LET IT DIE」。Free to Playでありながら,ボリュームはパッケージ作品に劣らず,その中身も高難度のゲーム性,ファイターを奪い合う「襲撃」,そして感情のぶつかり合う「抗争」など,尖りまくった数々の仕掛けで話題を呼んでいる。

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 2016年12月3日に北米でサービスが始まり,翌2017年2月2日には日本を始め,アジア地域でのサービスも開始された本作。あれから約2か月が経ち,日本のプレイヤーも,ぼちぼちとバルブの塔の頂上(テッペン)にたどり着き始めたのではないだろうか。そこで気になるのが,次の展開だ。

 これからのロードマップについて,本作のエキセントリックプロデューサーであるアンクル・デス氏と,ガンホー・オンライン・エンターテイメントのCEOであり,本作のエグゼクティブプロデューサーの森下一喜氏に話を聞くことができた。どうやら,LET IT DIEは「まだ本番ではなかった」らしい。

(2017年3月29日収録。インタビュアー:Nobu,執筆:箭本)


ここまではチュートリアル!? 42階から真の「LET IT DIE」が始まる


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回は,LET IT DIEの今後について教えていただけるとのこと。アジア地域でのサービスが始まってもうすぐ2か月になりますし,私自身も頂上階にたどり着いて次の展開が気になっていました。

エキセントリックプロデューサーのアンクル・デス氏。今回は真面目に……真面目?
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アンクル・デス氏:
 なに言ってんスか。41階までは映画で言えば「寅さんシリーズ」の冒頭の寅さんの夢みたいなもんで,本当の「LET IT DIE」は,まだ始まってもいないッスよ? おっと,今日は真面目に受け答えしろと言われてたんスよね。よろしくお願いします! あー,あー。

4Gamer:
 あ,はい。というか「夢」ですか。実は夢オチだったとかじゃないですよね。

アンクル・デス氏:
 要はチュートリアルだったということです。操作を覚えるためのチュートリアルだから,クリアできて当然!くらいの感じですね。

4Gamer:
 いやいやいや。なかなか大変だと思いますよ(笑)。ていうか,「攻略記事」で“10階まではチュートリアル”と書いたばかりなんですが……。ちなみに,プレイヤーの何パーセントが,その「チュートリアル」をクリアしているんですか?

森下一喜氏(以下,森下氏):
 いまのところ(3月29日時点)は全世界で5000人ほどです。総ダウンロード数(200万DL以上。関連記事)との割合で考えるとまだまだ少ないですね。今回は,アンクル・デスが話しますので,私は補足を入れていきます。

4Gamer:
 分かりました。

アンクル・デス氏:
 まあ,一気に駆け抜けるセンパイもいれば,素材マラソンをして着実に進めるセンパイもいるということですよ。

4Gamer:
 そこは“プレイヤー”じゃなくて,“センパイ”なんですね(笑)。

アンクル・デス氏:
 センパイはセンパイッス! そこの森下なんかは,じっくり素材マラソンをしてるみたいですけど,それくらいのスピード感なんです。

エグゼクティブプロデューサーの森下喜一氏
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森下氏:
 我々としては1プレイ1〜2時間くらいで,じっくり遊んでいただくくらいの速度を考えていましたが,Twitchなどでは18時間ぶっ続けで配信する方がいたりして,皆さんハイペースですよね(笑)。

4Gamer:
 次のエレベーターを見つけるまで探索していると,だいたい1〜2時間くらい経ってますね。

アンクル・デス氏:
 とはいえ,41階に到達しているセンパイが増えてきたので,2017年の初夏に「バルブの塔」の新エリアをオープンすることにしました!

森下氏:
 お待たせしてしまいましたが,これから順次,新エリアが解放される形になります。

アンクル・デス氏:
 42階からが本当のゲーム開始です。エレベーターがかなり制限されるらしいッスよ。超難しくなるうえ,エレベーターがなかなか見つからないかもしれないので,進むか退くか,寝ないでマジに悩んじゃってください。

4Gamer:
 これまでは2〜3階ごとにエレベーターが用意されていましたが,どれくらい登ることになるんでしょう……?

アンクル・デス氏:
 少なくとも,みんな塔の中で寝ることになるんじゃないッスかね?

4Gamer:
 えぇ……それは厳しいですね。

アンクル・デス氏:
 ドン引きッスね?

森下氏:
 そりゃ,このゲームをまじめにやっている人ほどドン引きしますよね(笑)。

4Gamer:
 そうなると待合室に帰るタイミングも迷いますし……ということは,待合室に戻るための「トリプタミンD」や,塔内でゲームを中断できる「ソロシェルター」といったアイテムが重要になるわけですか。

森下氏:
 トリプタミンDは重要になりますね。ただ,42階以降には中断できる仕様を盛り込む予定ですから,「待合室」に戻らなくても安全にログアウトはできます(※通常は塔内でログアウトすると死亡扱いになる)。難度が高くなって,チャレンジングになると同時に,遊びやすさも上げていきます。

4Gamer:
 中断できるのは42階以降だけなんですか?

森下氏:
 その予定です。

42階以降はどうなっているのだろうか?
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4Gamer:
 いずれにしても,装備の補充もそうですし,遠征や襲撃を考えると,いつまでも塔の中に居られないので悩みどころですね。ところで,40階までの攻略が緩和されたりといったことはありますか?

森下氏:
 バランスの調整はともかく,緩和はありません。きちんと“チュートリアル”を終えてください。42階からが本当のLET IT DIEになりますので。

アンクル・デス氏:
 60階の塔をぶっ続けで登るようなレトロゲームもありますし,超ゲーマーなセンパイ方なら余裕ッスよ!

4Gamer:
 そんなゲームも確かにありますけど(笑)。でも,41階までをちゃんと乗り越えてこそというのは重要でしょうね。緩和された塔を登っても,今度は42階以降で苦労しそうですし。

アンクル・デス氏:
 そういうことです。それに☆6のファイターも作れるようになりますから,バンバン進めてください。☆6は単に強いだけじゃなくて,一筋縄ではいかない連中なので面白いですよ。

4Gamer:
 単に強いだけじゃないというのは?

森下氏:
 基礎的なパラメータは☆5よりも高いですが,いろいろと制限があるんですよ。

4Gamer:
 ☆6ファイターが,単に☆5の上位互換になるわけではない……ということでしょうか。

アンクル・デス氏:
 そのあたりはこれからのお楽しみで。もちろん,☆5ファイターを使い続けるのもありだと思います。

一見おかしなところは……50万キルコイン!? デスバッグが5枠!? 画像は開発中のもの……ですよね?
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森下氏:
 これまでのLET IT DIEは,1体のファイターをずっと使い続けるのではなく,状況に合わせて乗り換えたり,ほかのプレイヤーにファイターを奪われたりするゲームでした。
 しかし,☆6ファイター以降は,もう少し思い入れができるような遊び方になってもいいんじゃないかと思っているんです。「ローグライクでサバイバル」というLET IT DIEの魅力を,より引き出すような遊びを提供していきますよ。

4Gamer:
 どんな内容になるのか続報を楽しみにしています。ところで,☆6ファイター実装に伴って,所有できるファイターの数は増えるんでしょうか。すでに「ファイター冷蔵庫」がいっぱいなんですが……。

森下氏:
 そのあたりは現在検討中です。

アンクル・デス氏:
 実は,開発中には使ってるファイターも拉致られる時代があったんで,いまの環境って相当ぬるいッス。

4Gamer:
 うわぁ。ログインしたらメインファイターがいなくなってるとか,それ,エグいですね……。

森下氏:
 実際のテストプレイ中に心がボキボキに折れてしまったんで……それは止めておこうということになりました。

4Gamer:
 そうならなくて良かった(笑)。話をロードマップに戻しますが,これまでほぼ1か月ごとに新武器が実装されています。これは今後も続くのでしょうか?

森下氏:
 ええ。武器・防具は毎月新しいものを実装していきます。

アンクル・デス氏:
 さらに,2017年4月のアップデートで,すべての武器に第4段階を追加する予定です。

4Gamer:
 ついに来ますか。素材集めがとても心配なんですけど。

アンクル・デス氏:
 42階以降で手に入る新しい素材が必要なのもあるんで,頑張って集めてくださいね。

4Gamer:
 な,なるほど。

アンクル・デス氏:
 あれ,なんか目が死んでないッスか? 新しいものが増えるんだから,いいじゃないスか。ね,センパイ方?

4Gamer:
 読者へのメタな問いかけは止めてください(笑)。ちょっと黒と赤のレアメタル周回を思い出したというか,いまも絶賛周回中なので。

森下氏:
 大変ですからね(笑)。でも,3段階めの開発で素材マラソンをされていた方も,その努力は無駄にはなりません。その点はご安心ください。


「キノコ一強」の現状にメス。より戦略性の高いバトルを楽しめる非同期PvP


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アンクル・デス氏:
 2017年の夏には「東京デスメトロ」の仕様も進化するッス。

4Gamer:
 それは襲撃関連のアップデートということですよね?

アンクル・デス氏:
 詳しくはまだ話せませんが,襲撃と,これを迎え撃つ防衛の戦略性をアップさせます。現状だと一部のキノコが強すぎて「キノコゲー」なんて言われていますけど,そこを脱して,プレイヤーさんがいろいろ工夫できるようになります。

4Gamer:
 ノウミソダケだったり,ヨロイダケだったり,せっかく強化した防衛ファイターを置いても,案外あっさりと突破されるんですよね……。

アンクル・デス氏:
 だから,これまでになかった防衛用とか,拠点専用のデカールを追加しようと考えています。特定の武器対策ができたり,ジャストガードや特定のキノコを無効化できたりとか。

4Gamer:
 特定キノコが無効ですか……それは,ヨロイダケの無敵を貫通したり,スケルダケの透明化も見破ったり?

アンクル・デス氏:
 どんな効果があるかは今後のお楽しみッス。ただ,1枚のデカールで何でも無効化できるということじゃないですよ。敵がどんなキノコを持ってくるのか,どんな装備をしてくるのかを予想して,それに対処できるデカールを貼る。ゲーマーならたまらない,読み合いってやつですね。

森下氏:
 要は,装備とキノコ,そしてデカールでジャンケンのようなことをしてほしいと言うことなんです。

4Gamer:
 なるほど……これは防衛に使うファイターも気を遣いそうですね。ディフェンダーにするのか,スキルマスターにするのか。そもそもキノコに関しては,今後も何かしらの調整はされていくんだろうとは思っていましたけど,相性を作り出すことで対応していくんですね。

森下氏:
 もちろん,キノコの出現数などの微調整も続けていきます。

4Gamer:
 ノウミソダケやミキリダケを見る機会が少なくなったのも,やっぱり調整によるものなんですか?

森下氏:
 はい。ともかく襲撃では,もはやキノコが最強ではないということです。

アンクル・デス氏:
 まあ,41階まではチュートリアルですから,キノコゲーでもいいんスけどね(笑)。

4Gamer:
 攻略でキノコが封じられると,それはちょっと困りますよ(笑)。それで気になるのが,キノコ無効のデカールを貼ったヘイターやハンターが出てきて,大変な目に遭わされる可能性は……?

森下氏:
 繰り返しになりますが,1枚のデカールで,あらゆるキノコを無効化してしまう……ということにはなりません。また,こうしたデカールが拠点防衛専用になる可能性もあります。このあたりはまだ調整中なので。

4Gamer:
 分かりました。

アンクル・デス氏:
 あと,木野子會舘に「プレミアムでしか手に入らないデカール」だとか,いろいろ新しいのが入荷しますよ。

4Gamer:
 どんなデカールが登場するのか楽しみです。

森下氏:
 キノコやデカールのほかに,防衛拠点そのものにも仕掛けを考えていますので,続報にご期待ください。


プレイヤーの声を取り入れ,進化していく「LET IT DIE」


4Gamer:
 ところで,北米でのサービス開始から3か月で,ゲーム内容についてプレイヤーからいろいろな指摘があったと思います。とくにUIの不便さが,ところどころで目に付いたのですが。

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森下氏:
 UI部分は本当に面倒をおかけしています。とくにソートについては,日本でのサービス前に,改善してほしい点を生配信で聞いたら,みんな口を揃えて「ソート」とコメントするくらいでしたから。

4Gamer:
 ソートがないときは大変でしたね……。どの素材を何個持っているのか把握できなくて。ソートが実装されたときに,一気に貯蔵庫の掃除ができました(笑)。
 ほかにも,襲撃相手,とくに救出を選んだときに,「ほかのプレイヤーに襲撃されている」と出て,選択できない人ばかりがリストに並ぶことが多かったりといった現象もありますよね。

森下氏:
 襲撃相手のリストについては,データをサーバーから取得するタイミングを変えていきます。また,TDMランクについても調整を検討していて,さらに高ランクの人がゲーム内でもっと目立ち,やりがいを得られるような仕組みも追加していきます。

4Gamer:
 クエスト関連も分かりづらいですよね。複数のフロアにまたがるようなものの場合,どこが始点になるのか,そもそもクエストがちゃんと進行しているのか,失敗しているのか,どこからも明確に読み取れなくて。

森下氏:
 それは認識しています。オンラインゲームは,新機能の実装と既存要素を改修するバランスを取るのが難しいのですが,順次,追加と修正を進めています。

4Gamer:
 ロード時間に関してはどうでしょう? 素材集めを考えると,移動時のロードはかなり気になるんですが。

森下氏:
 ロード時間が長いのは,Unreal Engine 3を使っていることに起因する問題なんです。ここを一気にいじってしまうのは危険が伴うので,少しずつ改善を進めています。ブラックボックス的な部分をどこまで触れるかという勝負で,これまでに作ったゲームの中でも一番ディープにカスタマイズしていますね()。

※2017年3月30日のアップデートでロード時間がかなり改善され,(ノーマルのPS4で)以前のロード時間と比べて半分近くになったと思われる。小さなエリアの場合はロードが数秒で終わることも。

4Gamer:
 待合室におけるデータ同期も,何かするたびに行われますが。

森下氏:
 持ち物に関わるところなので,どうしてもデータ同期の頻度が高くなるんです。これはチートを防止するのに加え,テザリングなどで回線が不安定な場合でもデータに不整合が起こらないよう,待ち時間を長く取らなければならないという側面があるんです。

4Gamer:
 え,スマートフォンなどのテザリングですか?

森下氏:
 ええ。現在は,テザリングだけでなく,ネット環境は人それぞれです。スマートフォンがあるから,ネット回線を引いていないという人が多いらしいので。

4Gamer:
 それは,ちょっとしたカルチャーショックですね。オンラインゲームは,速度以上に回線の安定性が重要ですから,Wi-Fi経由でも不安なのに。パッチのダウンロードとかどうしているんでしょう……。
 そういえば,エレベーターなどでデータ通信時にエラーが起こるという話をときおり目にします。タイミングを考えると,どうもネットワークアクセス時に発生している気がするのですが。

森下氏:
 そちらも認識はしています。もちろん仕様上の不具合だとか,同期の問題だとか,原因はいろいろあるのですが……。とくに回線の環境まで含めると,要因はさまざまですからね。

4Gamer:
 私自身は(インタビュー時点で)350時間ほど遊んでいて,1度だけ待合室に戻るエレベーターでエラーが起きたことがありました。ただ,いわゆるエラー落ちなどは,その1回だけだったので,条件を考えると有線か無線(Wi-Fi)かで変わるのだろうくらいに思っていました。

森下氏:
 それも要因のひとつかもしれません。いずれにせよ,さまざまなネットワーク環境を考慮し,安心して遊んでいただけるように改善を図っていきます。

4Gamer:
 オンライン処理の問題は,原因が複雑そうですね……。高階層でのエラー落ちは厳しい(※主に回収費が)ですし,改善を期待したいです。
 ところで,抗争のバランスについてはどうでしょうか。現在は東京やカリフォルニアなど,いわゆる「勝ち馬乗り」もあってか,人の多い地域に一極集中のような形で集まっていますよね。負けると報酬が激減するので,気持ちはよく分かるんですけど。

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森下氏:
 一極集中については難しいところですが,理想として考えているのが「さまざまな規模のチームがありつつ,小が大を倒すジャイアントキリングが起こる」というバランスです。これを実現するため,開発チームで今もいろいろ話し合っているところです。

4Gamer:
 その意味だと,実際に東京が負けたりしていますよね。これは“少数精鋭チーム応援イベント”の影響もあると思いますが,人口差が大きくなると,少ないほうが勝てる可能性がある……というのは,ちょっと面白いなと思いました()。もちろん,人口の少ない地域は抗争が起こる頻度も低くなりますから,そちらに移籍するほどお得か,と言われると微妙ではありますけれど。

※抗争のルールに,敵チームの拠点が誰かに倒されると,そのプレイヤーの拠点は抗争のリストに出てこなくなるというものがある。そのため,人口差が大きいと,攻める相手がすぐにいなくなってしまう。少ない側はよりどりみどりという状況に。ただ,襲撃に失敗すると,それ以上は抗争に参加できなくなるので,当然だが勝ち抜く腕は必要だ。

森下氏:
 そうですね。

4Gamer:
 一方で,人口の多いチームからすると,「攻める相手がいないんだし,どうしようもない!」という感じで,人口が“多いけど”じゃなくて,“多いから”負けるというのは,腑に落ちないと思うんですよね。

森下氏:
 そうしたところのバランス調整も含めて,もっと抗争を楽しめるようなシステムも考えています。詳細はまだお伝えできませんが,できれば夏あたりに実装したいですね。

4Gamer:
 どんな内容になるのか気になります。ちなみに,抗争システムのバランス調整のポリシーについて教えてください。

森下氏:
 単純なパラメータなどの調整ではなく,先ほど話したようなデカールをうまく使った面白ビルドや,アイテムを駆使するような創意工夫のあるプレイは残しつつ,変化を加えていきたいですね。

4Gamer:
 期待しています。ところで襲撃では,高グレードのファイターを消して故意にランクを下げ,襲撃や防衛で荒稼ぎするというプレイヤーもいるみたいですね。

森下氏:
 ランクを下げられるというのは意図した仕様ですが,ここまで抜け道的に使われるとは思っていませんでした。創意工夫はできたほうが面白いので,現状は残しています()。とはいえ,初心者が襲撃されてやる気をなすようなことがないようにしたいと考えています。

※4月10日の公式発表で,4月13日のメンテナンスにて,一度上がったプレイヤーランクが下がらないように調整されることが明らかになった

4Gamer:
 プレイヤーの中には,「そもそも襲撃や抗争に関わりたくない」という人もいますよね。個人的には,襲撃されて失うものより,塔の探索で得られるもののほうが多いので気にならないのですが。

画像集 No.008のサムネイル画像 / これまでの「LET IT DIE」は,ただのチュートリアル!? 初夏のアップデートで追加される新階層など,今後のロードマップをあの人に聞いてみた
森下氏:
 ええ。4Gamerさんがおっしゃるように,そこまで極端に恐れる必要はないと考えていたんです。ただ,感情的なところから,“ほかのプレイヤーに何かを奪われるのが嫌だ”という人がいるのも事実です。
 とはいえ,LET IT DIEは感情を揺さぶるゲームであり,バルブの塔での戦いや襲撃,抗争から喜怒哀楽を感じてほしいというところはブレていません。ゲーム好きのためのゲームですからね。

4Gamer:
 確かにそこがブレると,“らしさ”がなくなりますよね。
 細かなところですが,ヘイターのAIがどうなるのかも気になります。動きが分かりやすいこともあれば,サーブルのように,ほとんどのプレイヤーが「再現できないんじゃ?」と思う連続攻撃を,AIは平気で繰り出してきますよね。対処法がないわけじゃありませんが。

森下氏:
 あの連続攻撃も嫌ですけど,実はサーブルって,開発中はもっと強かったんですよ(笑)。

4Gamer:
 そ,そうなんですか。L/R1からの追い込みが便利すぎて,今でも十分に使い勝手の良い武器ですけど……。

森下氏:
 AIについてはサービス開始後も微調整を続けていて,昔よりも今のほうが状況判断に優れたAIになっているんですよ。これも42階公開のタイミングで,大きく変化していく予定です。

4Gamer:
 どう変化するのか興味深いですね。ヘイターがより怖くならないかちょっと心配です。いまでも危ない色の刀だったり,やばそうなアイロンを持ったヘイターやハンターを見ると怖いですし。

森下氏:
 そのドキドキを感じつつ探索してほしかったんですよね。当初は2階から高レベルのヘイターが出る仕様でしたが,さすがに心が折れてしまうので,それはやめました。慣れないうちはすべての敵を倒そうとしがちですが,「強そうなヤツが出てきたら素直に逃げる」ことも重要です。

4Gamer:
 無理に戦う必要がないことが分かると,遊び方に幅が出ますね。敵の動きを止める「ケロタケ」を使うとか,いろいろな戦い方が分かってきますから。
 少し話は戻りますが,武器の使い勝手で言うとLET IT DIEの遠距離武器は弾数制限があるし,かなり隙も大きいですよね。このあたりは意図的なものですか?

森下氏:
 意図的ですね。LET IT DIEはTPSやFPSではないですし,アクションゲームで遠距離武器が使いやすくても強すぎますので,あくまでサブ武器といった位置づけです。

アンクル・デス氏:
 でも,北米にはアサルトライフルを大量に用意してバリバリ撃ちまくっているセンパイもいますよ。装備スロットが全部アサルトライフルで埋まっていて,「これじゃあ,もうTPSでは?」という(笑)。

4Gamer:
 弾切れを気にせず,スロットを切り替えて撃ちまくるのは楽しそうです。

アンクル・デス氏:
 北米や欧州のセンパイは,本当に銃が好きなんですよね。銃器の使用率が全体的に高いですし,銃オンリーで戦っている人もいます。逆に日本だと近接武器がよく使われているッスよ。

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4Gamer:
 そこは,結構お国柄が出るものなんですね(笑)。


「感情を動かすゲーム」という芯はそのままに,家庭用ゲーム機のためのゲームとして調整していく


4Gamer:
 それにしても,最近のゲームではクリアまでの難度が親切になっていくなか,LET IT DIEは,その逆を行く難しさで,プレイヤーの「感情を動かす」ことがキーワードになっています。今後もこのコンセプトは変わらないのでしょうか。

森下氏:
 先ほども話したように,このコンセプトはブレません。やはり家庭用ゲーム機で遊ぶからには,スマートフォンでは味わえない体験,つまり喜怒哀楽の感情を揺り動かすようなゲームがほしいじゃないですか。まあ,LET IT DIEだとゲームパッドをブン投げたくなるような怒りを感じることが多いですけどね(笑)。

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4Gamer:
 デスメタル(有料アイテム)を使ったうえで,中ボスが硬すぎて倒せなかったときは投げたくなりましたねぇ……。

森下氏:
 今のゲームは,やられても気軽にコンティニューができますよね。だけど,僕らが考えるゲームの面白さは,そうじゃないんです。昔はゲームオーバーが重かったじゃないですか。

4Gamer:
 とにかくペナルティが大きいというか,そこでもう終了というのもありましたし,コンティニューができても突破できることは何も保証されていませんでしたね。

森下氏:
 LET IT DIEでも,瀬戸際子が「コンティニューしますか?」と聞いてきますが,さっき4Gamerさんが言ったように,デスメタルを消費しますから,コンティニューすべきか,諦めるべきか,そこでも心が揺さぶられますよね。

4Gamer:
 高階層まで行くと,死んだあとのリスクも大きいですから,本当に悩みます。それにしても,死んだら保険外交員が営業にやってくるというのはユニークですよね。

森下氏:
 当初はコンティニューではなくて,現実にある保険のように,危険が起こる前に保険をかけておくようなものを考えていたんです。いわば「保険課金」ですね。

4Gamer:
 だから保険外交員なんですね。

森下氏:
 そうです。そこで,現在の瀬戸際子になったんですよ。
 その後,保険課金は分かりづらいということでコンティニュー形式になったのですが,瀬戸際子はそのまま残りました。

アンクル・デス氏:
 僕が出てくるという話もあったんスけどね。それはムカつくからって言われたッス。

4Gamer:
 それは,まさに火に油ですねぇ……。「あれ,死んじゃったんスか? もうちょっと頑張りましょうーよ(コンティニュー? YES/NO)」とか言われそうですし。

アンクル・デス氏:
 あ,言いそうッスね。それ(笑)。

4Gamer:
 瀬戸さんで良かった……。さて,まだまだ聞きたいことは,いろいろありますが,最後に読者へのメッセージをお願いします。

アンクル・デス氏:
 ちゃっちゃと遊んで,チュートリアルをさくっと終わらせて,42階以降の本番を楽しんじゃッてください! 以上ッス!

4Gamer:
 ……つまり「41階は軽くクリアして,それ以降をしっかり遊んでください!」と。

森下氏:
 ええ,そう言っているということでお願いします(笑)。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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