「Granado Espada」

"ラグナロクオンラインの父"が作る,
ありそうでなかった究極のMMORPG

【特徴編】

 

政治を取り込んだRPG:権力と選挙について
〜政治がヘタな人が領主になれば,当然その国家は弱くなってしまうでしょうね〜

4G:
 政治という要素について,具体的に教えてください。

Kim:
 ゲーム内世界の政治を分かりやすく表現し,かつ活性化するには,権力が必要になります。この権力をどうするかですが,僕はGM(ゲームマスター)の権限をGMだけにもたせるのではなく,資格を持っているプレイヤー,または選挙で選ばれたプレイヤーに持たせることで,もっと面白い展開が生まれるのではないかと思ったんです。

4G:
 え,一般のプレイヤーがGM権限を持っちゃうんですか?

Kim:
 あまり大きな声ではいえないのですが……実は私がこれまでにやった"お遊び"の中で最も面白かったのは,Gravity社で「ラグナロクオンライン」に関わっていたときに,GM権限を使って街の中にモンスターを大量に呼び出して,プレイヤーキャラクター達を襲わせたことです(笑)。
 昔,ネロ皇帝がローマの街に火をつけて,その炎上する模様を眺めて楽しんだといいますが,GMにはそれに似たことが可能なんですよ。もちろん,悪いことだけでなく良いこともできます。これを,私や運営スタッフだけの遊びにするのは,もったいない。こういう面白さを,プレイヤー達にも感じてほしいと思っています。

4G:
 なるほど,確かにそれは"権力"といえますね。

Kim:
 そうです。誰もがこういうことができては問題なので,まずある程度の実力を付けて(対人戦でのランクなど),人々の信任を得られれば(選挙で当選など),"お偉いさん"となってGM権限を得られるわけです。
 ただ偉くなると,ほかのプレイヤーからの"妬み"など,権力者ゆえの悩みも生じてくるかもしれません。本作を遊んでいれば,政治への理解が深まるかもしれませんね(笑)。

4G:
 偉い立場というのは,具体的にはどういうものでしょう?

Kim:
 例えば領主ですね。領主は,都市や国家ごとにいます。それぞれが戦争したり,連合してほかの国と争ったり,貿易したりしているんですよ。政治がヘタな人が領主になれば,当然その国家は弱くなってしまうでしょうね。だから選挙のときには,ちゃんと考えて人を選ぶべきです。
 このように,"プレイヤーの政治能力"や"プレイヤーの評判"といった,ゲーム内で数値で表されていない要素が,ほかのゲームに比べて重要になるんです。

4G:
 権力者には段階があるんですか?

Kim:
 ええ,まだ具体的にはいえませんが,領主以外にもいろいろな段階があります。もちろんそれぞれ少しずつ権力が違いますよ。

4G:
 選挙権は,プレイヤー単位と考えていいんですか? それともキャラクター単位?

Kim:
 選挙権は,条件を満たしているプレイヤーにのみ,1アカウントにつき1票与えられます。キャラクター達は,すべてプレイヤーの雇っている兵士に過ぎないんですよ。そう考えれば,1アカウント1票というのが理解してもらえるでしょう。

4G:
 兵士に過ぎない? ということは,本当の意味でのプレイヤーキャラクターは別に存在しているということですか?

Kim:
 ゲーム中にグラフィックスを伴って出てくるわけではありませんが,そう考えてもらって結構です。兵士であるキャラクター達は,トレーディングやオークションに出すことさえ可能ですからね。アイテムトレーディング以上の面白さが出てくると思いますよ。

4G:
 それは驚きです。韓国や中国ではキャラクター(アカウント)の現金による売買も問題になっていますが,それまでゲーム内に取り込むんですね。
 さて,また選挙についての話に戻りますが,これって定期的に行われるものなんでしょうか?

Kim:
 選挙のタイミングは,おそらくサーバーごとに異なってくるはずです。1か月に1回になるかもしれないし……まぁこれは,今後テストなどを通じて調整していきます。

 

MCC&Stance:
プレイヤースキルや戦術によって
結果に差が生じる
〜つまり,本当の意味で"ゲーム的な"対戦ができるんです〜

4G:
 本作ではキャラクターを3人操作するということですが,プレイヤーは,あらかじめ3人分のキャラクターメイキングを行うという感じになるでしょうか?

Kim:
 いや,3人というのは,同時に操作できる数字です。具体的には,ウィザードリィのようにあらかじめ複数のキャラクターを作成しておいて,そのときの戦術に合わせて,「今日はお前とお前,それとお前を連れていこう」なんて風に構成を考えるんですよ。

4G:
 なるほど。例えば戦術によっては,一人のキャラクターのみ操作することもできるんですか?

Kim:
 ええ,もちろんです。その場合,当然敵の強さも3倍に感じるでしょうが,取得できる経験値なども3倍になります。

4G:
 ウィザードリィでわざと少人数のパーティでプレイしたのを思い出しますね。では,3人で行動する利点を教えてください。

Kim:
 逆に,一人しか操作できないことによるデメリットがいろいろあったと思うんですよ。例えば対人戦にしたって,お互い死ぬまで叩き合うだけだったら,事実上,戦闘を開始したときから勝敗が決まっているわけじゃないですか。これじゃ,面白くないですよね。
 ところがお互い3人のキャラクターを操作しているとしたら,そこに操作能力(プレイヤースキル)や戦術による違いが出てくるんですよ。つまり,本当の意味で"ゲーム的な"対戦ができるんです。

4G:
 なるほど,確かにキャラクターを複数操作するだけで対人戦の面白さがグッと増しそうですね。

Kim:
 これは,対モンスター戦でも同じです。ちょっと考えてみてください,何かしらMMORPGのプレイし始めの頃を。モンスターに10や20のダメージを与えるだけでも,嬉しかったですよね。それがいつの間にか,どんな敵にも99999...なんて数字のダメージを与えるようになっちゃう。
 このように,一般的なMMORPGでは無限にインフレーションが発生する。キャラクターが強くなれば,その分装備も敵も強くなる。その繰り返しです。これは面白くないし,素材も枯渇しちゃいます。

4G:
 ええ,よく分かります。

Kim:
 ただ本作のMCCシステムがあったとしても,何か月も戦闘ばかりを行っていれば,やはりいずれ面白くなくなってしまうと私は考えます。そしてこういった対人戦/対決の頂点にあるのが,先述した政治なんです。
 先ほど話したことと重なりますが,何か月かこの対人戦でランキングを競ったあと,次には政治的な勢力に参加して,その中で世界の体勢を論じるということに面白さを感じてもらえると思っています。

4G:
 戦闘といえば,Stance(スタンス)と呼ばれるシステムも結構話題になっていますよね。

Kim:
 あぁ,実はそれ,そんなに大したものじゃないんですよ(笑)。まだ本作を発表したばかりのころに,Webサイトに特徴として書いたら,なんだか大きく取り上げられてしまって……。まぁ,システム的にはシンプルなものです。
 ゲーム内には,いろいろな武器が登場しますよね。例えば武器が100種類あるとして,その武器それぞれに合わせたアクションを作るのは大変です。そこで武器をいくつかの系列に分けて,それぞれをStanceと呼んだのがそもそもですね。
 現実の世界でも,同じ武器を使っていても,その武器をどういう風に使うかによって戦闘スタイルが変わってきますよね。例えば攻撃的な構えだったり,防御的な構えだったり。本作の場合は,相手がどういうタイプ/種族の敵なのか,どういう鎧を着けているのかなどによって,Stanceを替えて戦うことになります。
 つまりこれも,「戦闘はクリックするだけ」というのを避けるために考えたアイデアです。ただ本作は3人のキャラクターを同時に操作するので,戦闘中に細かくスタンスを変更しなければいけないというのでも困る。なので,なるべく簡単に使えるようにするつもりです。

4G:
 なるほど,面白いですね。3人のキャラクターを操作しつつ,スタンスを選びつつ……どういう戦闘になるのか楽しみです。

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