Kim Hakkyu氏インタビュー

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     〜「たかがゲーム」ではなく,我々には重大な責任があると思います

4G:

 ところでちょっと話が戻っちゃうんですけど,韓国でのオンラインゲームの年齢層って,どのあたりが中心なんですか? 先日の4Gamerでのアンケートでは,数としては16〜18歳くらいが一番多かったんですけど,先ほど20歳代がメインターゲットだと言っていたので。

Hakkyu:
 あまり変わらないと思います。でもね,10歳代の学生層にはあんまり推奨したくないんですよね,実は。

4G:
 というと?

Hakkyu:
 たぶん知ってると思うんですけど,韓国はオンラインゲーム中毒患者がいっぱいいますし,実際私の周囲にもいます。そしてそれが,社会的現象にまでなっちゃってるわけです。我々ゲーム開発者は,そういう部分にも責任を持ってると思うんですよね。

4G:
 なるほど。社会的現象に対する責任,という部分からきたセリフなんですね。

Hakkyu:
 ええ。もはやゲームは韓国が誇る一大産業ですし,「たかがゲーム」ではなく,我々には重大な責任があると思います。なので10代の学生が根詰めて遊ぶような感じでターゲットするべきではないかな,というのが本音です。
 ティーンエイジャーには可愛らしいもの,20歳代にはリアルなもの,というのが比較的馴染みやすいというのはほぼ間違えていないと思うので,可愛らしく仕上げたROとは違って,次は20代をターゲットにしたマジメなものを作りたいですね。

4G:

 世界観なんかも結構リアル志向ですよね。ファンタジーなんだけど。

Hakkyu:
 私ね,ヨーロッパの建築物とか雰囲気とか大好きなんですよ。見てすぐ分かるように,Granadoのグラフィックスはそこを目指して作られてます。

4G:
 よく行くんですか? ヨーロッパ。

Hakkyu:
 時間がなくて全然ゆっくり回れないんですけどね。行って帰っての繰り返し(笑)。でも写真集とか画集とか見るたびに,何か特別なものを感じます。
 昔ロンドンに行ったときに飛行機の窓からロンドンの街を見下ろして,「あぁ,こういうものを作品の中に再現したいなぁ」と思って。それがGranadoに十分に反映されていると思いますよ。

4G:
 あの設定からすると,登場する地域はヨーロッパだけってわけでもないんですよね?

Hakkyu:
 ええ,これもまだどこにも言ったことないような気がするんですけど,地中海とか北アフリカとか,あのへんも含んで考えてます。

4G:
 確かにGranadoの設定を考えても,存在して然るべき場所ではありますね。

Hakkyu:
 でしょう? 新大陸発見のあの時代を中心に展開する作品ですしね。でも,歴史的に存在した新大陸というものにゲーム世界を再現するのにはちょっと無理があるので,「架空の新大陸」への「移民」という設定を使いました。これで無理なく世界観の中に納まってるかと(笑)。


4G:
 前回おっしゃってた「ファンタジー」ですね。

Hakkyu:
 ええ。新大陸,という言葉自体がミステリアスでファンタジーなものなので,矛盾なく成立できるんじゃないかと思ってます。

4G:
 前回のインタビューでは,一般化しているファンタジーというもののイメージに異論を唱えてましたし(笑)。

Hakkyu:
 そうです。剣だの魔法だの,っていうものだけがファンタジーじゃないでしょ,と。

4G:
 ある意味歴史ファンタジーの要素も強いですよね。日本でいうなら,大航海時代みたいな。

Hakkyu:
 あぁ,そうですね。そういうものかもしれません。歴史的裏づけのあるゲームではないんですけど,一種のファンタジーとしてとらえてもらえるといいなぁ,と。


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