全米並にすぐ震撼するGueedが本日挑むのは,第2回で取り扱った「レインボー・シックス3」の続編にあたる「Tom
Clancy's Rainbow Six 3:Black Arrow」だ。前者は国内でも発売している日本語版で,後者は今のところ海外でのみ発売されている英語版という差はあれど,ゲームシステム自体はほぼ同じである。違いの分かる男でなければウッカリ見逃しているであろう数々の変更点も,Gueedならネスカフェゴールドブレンド片手に次々と指摘してくれることだろう。
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気が付けば今回で第10回を迎えている本連載。ただでさえPC&オンラインゲームを専門に扱う当サイトに,唯一存在するコンシューマタイトルコラムであり,内容も手前味噌というかいっちゃ悪いけど微妙ではあるが,それなりの人に読んでもらえているようでちょっぴり安心。いまだに編集長からお叱りもお褒めも(チッ)受けてないし,当サイトに訪れるXboxのファン,また物好きやとてつもなくヒマな人向けに,まだしばらく続く予定(のハズ)だ。
とはいえ,本連載の目的はあくまでもXboxプレイヤーの増加である。今回連載第10回という節目を迎えたことだし,効果のほどを確認すべく編集部の悪質な非Xboxプレイヤーに"記事を見てXboxが欲しくなったか?"と聞いて回ったところ,「あんな記事は読んでいない」「そんなコラムは知らないし,知りたくもない」という力強い回答が得られた。連載開始当初は無視されていたことを考えると,大きな前進だ。ただ,まだ筆者は一人ぼっちのようである。
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チームレインボーには,やはりブルーのユニフォームが似合う。今作ではグラフィックスにもメスが入っているというけど,「プライスのヒゲが濃くなってる!」と分かるほどでもない。そもそも濃くなってないけど |
そんなこんなで,東京ゲームショウを前におおわらわな編集部でコソコソとプレイしつつ,記念すべき第10回に紹介するのは,10回めというキリのいい数字にちなんでいそうでカスリもしていないタクティカルFPS,「Tom
Clancy's Rainbow Six 3:Black Arrow」(以下,Black Arrow)だ。
Rainbow Sixといえば,アメリカの軍事スリラー作家トム・クランシーの原作小説を基にしたタクティカルアクションシリーズだと書きつつ,このおじさんに関するウンチクへと流れていくのがこのシリーズを紹介する場合のコツだが,そのあたりは本連載の第2回「レインボーシックス3」を参照していただこう。つまりBlack
Arrowは,以前発売された「レインボーシックス3」のゲームエンジンに新たなシングルプレイキャンペーンとマルチプレイマップを収録した,拡張版なのだ。
ちなみにこのBlack Arrowは,東京ゲームショウにおいてユービーアイソフトがマイクロソフトブースに参考出品するとのこと。残念ながら日本国内での発売は未定だが,日本語版「レインボーシックス3」などはマルチプレイで盛り上がっていることだし,少しは期待していいのかも。そして「ぜひ日本語版を!」という人は,徒党を組んでゲームショウの会場へ殺到してみるのもいいかもしれない。そこで期待度をアピールしておけば,それを見たユービーアイソフトの人が……なんてこたぁないか。
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今作も完全にチームベースで行動する。メンバーは,プライス/ロワゼル/ウェーバーの三人と主人公のシャベス。プレイヤー扮するシャベスのみが装備品を変更できる |
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「レインボーシックス3」とは異なり,ブリフィーング前のムービーが省略されている。まぁこの手のゲームを遊ぶ人なら,ムービーを作る労力を,ゲーム内容に注いでほしいと願っているはずだ |
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死体は一定時間で消失するが,戦闘時のゴア表現はある |
一応ゲームの話もしておくと,前述のとおり本作はレインボーシックス3をベースとした作品となっており,リアル志向のゲーム性や,パッドのボタンをフルに使うもののなぜか難しくないという絶妙な操作性は,前作と同じだ。プレイヤーは,イタリア/フランス/イギリスなど,主にヨーロッパ地方をを転戦し,大量破壊兵器を開発して戦争勃発を企てるテロリストの排除や人質の救出,爆弾の撤去などを行っていく。シングルプレイヤーミッションは全部で10で,シングルプレイ用に「Lone
Rush」,マルチプレイ用に「Total Conquest」「Retrieval」という二つのモードを追加,さらにXbox Liveの最新バージョン3.0に付随するフレンド/クランの支援機能をフルサポートしているのが特徴だ。
Black Arrowは,筆者のように前作を遊んだことのある人なら,チュートリアルをすっ飛ばしていきなり遊び始められる。
良くも悪くも前作を踏襲,ということで正直あまり期待せずにプレイしたのだが,しばらくすると,実は非常に細かい部分に手が入っているのに気づく。
一番大きいのは,敵AIの行動パターンが増えた点だ。こちらが見えているだろうにポケッとしていたり,壁の向こうでピョコピョコ顔を出したりとたまに茶目っ気を見せてくれるのは相変わらずだが,銃撃戦になると手榴弾や火炎瓶の投擲,またRPG発射といった,敵としてはイヤ〜な攻撃を多用してくるようになったのだ。
とくに手榴弾とフラッシュバンが厄介で,「いつこっちに気付いたの!?」というタイミングで投げ込んでくるやつもいれば,背後から「うおおおおぉ!」(とは言ってないけど)と,シリアスサムの爆弾男よろしく,突撃しつつ手前に手榴弾を転がしてくるやつまでいる。基本的に敵の行動はスクリプト制御されているため読みやすいのは確かなのだが,投擲系のアイテムをやたらフレキシブルに使ってくるのが結構やっかいだ。
また,敵が人質を盾にしつつコメカミにピストルをあてるという行動を覚えたせいで,これまでOpen,Flash&Clearなんかで,たいがいは乗り切れていた(気がする)人質救出の局面も変化あり。ぐずぐずしてると,人質がパスッと撃たれてミッション失敗というパターンが多々発生する。セーブ回数は前作に引き続き1ミッションにつき3回なので,必然的に緊張感だけがグッと高まる作りになっているわけだ。やっぱりうまいなぁこのあたりは,と感心することしきりだ。
そんなこんなでシングルプレイのことばかり書いているが,やはり本作はぜひぜひマルチプレイで遊んでほしいタイトルである。Xbox
Liveでもほぼ常時セッションが立っている状態だし,今作からはオフラインでも画面分割によるマルチプレイのCoopを遊べる。
筆者はLiveデビューの苦い経験から立ち直れないため接続は遠慮するが(第5回参照),Xbox Liveのサインインを済ましている人ならぜひ試してみてほしい。ただ本シリーズが始めてでズブのFPS初心者という人は,操作系のまったく同じ日本語版「レインボーシックス3」で先に練習しておくのがオススメだ。
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本シリーズの操作体系はまさに絶妙としかいいようがない。ボタンをフルに使うという初心者泣かせの複雑さなのに,急角度の成長曲線を描いて操作に慣れていける(人が多いはず) |
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自信を持って投擲物を振りかぶる敵AIたち。こちらの移動線上にキレイに落としてきやがる |
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このような敵キャラクターのアクションの豊富さも本作の魅力の一つ。フラッシュバンを投げた後などは,敵だけでなく味方の兵士も目を覆っていたりする。でもホントは,アタマを壁に押し付けて耳を塞ぐんですよね(詳しくは,小説版「レインボーシックス」を参照) |
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恐怖症をものともせずにXbox Liveに参戦してみた。マルチプレイは,感覚的にUbi SoftのPCタイトル「Tom Clancy's Rainbow Six 3:Raven Shield」とほとんど同じと考えていいだろう |
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