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「GeForce 460.89 Driver」がリリース。Vulkan Ray Tracing版「Quake II RTX」に最適化
Release 460世代のWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となるGeForce 460.89 Driverは,同日にリリースされたレイトレーシング版Quake IIこと「Quake II RTX」のVersion 1.4.0に向けて最適化したドライバだ。
Quake II RTXはid Softwareが1997年に発売した名作FPS「Quake II」にリアルタイムレイトレーシング対応の拡張を加えたタイトルである。2019年6月にNVIDIAが同社のGeForce RTXシリーズ向けのデモンストレーションのひとつとしてリリースした。
もともとQuake IIは,3DグラフィックスAPIとしてOpenGLを用いていたゲームだ。Quake II RTXは,これをVulkan APIで作成し直すと同時に,NVIDIAがVulkan APIに独自のレイトレーシング拡張を加えた「NVIDIA VKRay」(以下,VKRay)を使ってグラフィックスのエフェクト描画にレイトレーシングを追加したものである。
当時のVulkan APIには,リアルタイムレイトレーシング機能がなかったので,NVIDIAが独自にVKRayを作る必要があった。しかし,2020年4月にVulkan APIを策定している業界団体Khronos Groupが,Vulkan用のレイトレーシング拡張となる「Vulkan Ray Tracing」を策定し,2020年11月に正式版としてリリースした。つまり,Quake II RTXのVersion 1.4.0は,VKRayからVulkan Ray Tracingにリアルタイムレイトレーシング機能を切り替えたバージョンというわけだ。
NVIDIAも述べているが,Vulkan Ray Tracingへの切り替えによって,Quake II RTXはプラットフォーム依存がなくなった。原理的には,Vulkan Ray TracingをサポートするAMDのRadeon RX 6000シリーズでも動作する可能性があるわけだ。
もっとも,なかなか理屈どおりには行かないのがこの世界なので,支障なくプレイできるかは微妙と思うが試してみるの面白いだろう。Quake II RTXは,ファーストステージだけは誰でもプレイ可能で,「Quake II」を所有していれば,本編もプレイできる仕様だ。
GeForce 460.89 Driverはそのほかに,「CUDA 11.2」への対応が入ったのがトピックだが,一方で不具合の修正はとくになかった。
なお,これまでのバージョンと同様に,GeForce 460.89 DriverのStandard版は,NVIDIA公式ダウンロードページの「ベータドライバ&過去のドライバ」から検索する必要がある。ドライバのアップデートが自己責任となる点は理解してもらったうえで,すぐにでも入手したい人は,以下に示したリンクかGeForce Experienceを利用してみよう。
→64bit版Windows 10用GeForce 460.89 Driver(628.11MB,DCH)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/167945/jp
→64bit版Windows 10用GeForce 460.89 Driver(601.53MB,Standard)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/167909/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 460.89 Driver(628.11MB,DCH)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/167963/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 460.89 Driver(601.53MB,Standard)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/167927/jp
→GeForce RTX 30/20シリーズ,およびGTX 16シリーズ向け64bit版Windows 7用GeForce 460.89 Driver(525.26MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/167855/jp
→GeForce GTXシリーズ向け64bit版Windows 8.x・7用GeForce 460.89 Driver(523.17MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/167837/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 8.x・7用GeForce 460.89 Driver(525.26MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/167873/jp
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
●GeForce 460.89 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN X,Zシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITANシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜600シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GT 600シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ(※Windows 10のみ)
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ
●GeForce 460.89 Driverが統合するソフトウェアモジュール(比較対象はGeForce 460.79 Driver)
- GeForce Experience:3.20.5.70
- HD Audio Driver: 1.3.38.40
- PhysX System Software:9.19.0218
- Vulkan RT:記載なし
- nView:201.18
- CUDA:11.2(←11.1)
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.959.0
- NVIDIA Control Panel(Standard):記載なし
●GeForce 460.89 Driverにおけるゲームへの最適化
- Quake II RTXへの最適化
●GeForce 460.89 Driverの新要素
- CUDA 11.2に対応
●GeForce 460.89 Driverで解決した問題
- 記載なし
●GeForce 460.89 Driverにおける既知の不具合
- 「Nicehash」など一部のマイニングソフトウェアで,NVIDIA製GPUが認識されないことがある
- 「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載するPCでWindowsデスクトップが点滅することがある
- Steam VRタイトルで画面表示のカクつきや遅延が発生することがある
- HDRを有効化すると黒レベルが不正確になることがある
- Ampere世代のGPUを搭載するシステムで,高リフレッシュレートのG-SYNC対応ディスプレイを使用すると,アイドル時にGPUの消費電力が増加することがある
- YouTubeで動画再生中にスクロールダウンすると再生がカクつくことがある
- Pascal世代のGPUを搭載したノートPCに高リフレッシュレートのディスプレイを接続すると,ゲームのリフレッシュレートがランダムに60Hzまで低下することがある
- Vulkan API対応タイトルでG-SYNCを有効化しているとき,ゲーム中の設定でフルスクリーンモードからウインドウモードに切り替えると性能が低下することがある。G-SYNCを無効にすればこの問題は回避できる
- 「GeForce RTX 3070」でディスプレイをクローンモードで使用しているとき,ディスプレイの設定を2560×1440ドット,リフレッシュレート144Hzに設定すると,パフォーマンス状態が最大で固定されてしまうことがある(※GPUクロックが最大のままになるということと思われる)
- Turingアーキテクチャ以降のGPUに2560×144ドットのHDR対応ディスプレイを接続してWindows 10の「映画&テレビ」アプリで4K解像度の動画を再生すると,画像の両端が画面の外にはみ出してしまうことがある
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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