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「LJL 2019 Spring Split」Week5レポート。常勝無敗のDFMとUSGが大激戦,Yutapon選手のスーパープレイが光る
Week4終了時の順位表は,前期王者のDetonatioN FocusMe(DFM)が開幕以来無敗の7連勝。Bo1(1勝先取)という試合形式において,この戦績は圧巻だ。Week4終了時点で,2位についているのはUnsold Stuff Gaming(USG)だが,Crest Gaming Act(CGA),Rascal Jester(RJ)もUSGに迫りつつあり,2位,3位の座を巡る戦いはだんだんと激しさを増してきている。
それでは,Week5の試合の結果を振り返っていく。
「LJL 2019 Spring Split」Week4レポート。新チャンピオン,サイラス旋風がLJLに巻き起こる
2019年2月9日, 「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL 2019 Spring Split」Week4の試合が東京・渋谷のヨシモト∞ホールで行われた。DetonatioN FocusMeが全勝で突き進む中,2位,3位争いが接戦となりつつある第4節のレポートをお届けする。
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Week5 Day1
- | 勝利チーム | - |
---|---|---|
第1試合 | V3 Esports | Sengoku Gaming |
第2試合 | Crest Gaming Act | Sengoku Gaming |
第3試合 | Unsold Stuff Gaming | Burning Core |
Week5 Day2
- | 勝利チーム | - |
---|---|---|
第1試合 | DetonatioN FocusMe | Rascal Jester |
第2試合 | DetonatioN FocusMe | Unsold Stuff Gaming |
第3試合 | Crest Gaming Act | Burning Core |
第4試合 | Burning Core | AXIZ |
第5試合 | AXIZ | V3 Esports |
DFMが無敗のまま突き進んでいるのは驚愕の一言。またCGAが2つの勝ち星を得て2位に浮上したが,そのゲーム差は0.5でいつ逆転されてもおかしくない。
Week5では面白い展開の試合がいくつかあったが,その中でも特に面白い試合展開となったのが,Week4終了時点で1位のDFMと,2位のUSGによる直接対決だろう。以下ではその試合の模様をお届けする。
注目試合 DetonatioN FocusMe vs. Unsold Stuff Gaming
バン・ピック
ここ数戦,1stピックでサイラスを選んでいたDFMだが,今回はヨリックをピックするといういつもとは違う行動に出た。ヨリック自体は世界的なプロシーンでも昨今注目を集めてはいるが,LJLで選択されるのは今季初だ。予想のつかないピックを2位との直接対決という重要な試合にぶつけてくるところが,DFMの強さともいえるのだろうか。
対するUSGはサイラスとルシアンをピック。数あるADCの中でも高い評価を受けているルシアンは,序盤の強さが際立つチャンピオンだ。それにDFMはエズリアルとタム・ケンチを選択するが,USGがタム・ケンチのカウンターチャンピオンであるソラカをピックし,序盤からBotレーンで有利を取って行こうという思惑が見える。
Detonation FocusMe | Unsold Staff Gaming | |
---|---|---|
BAN1 | ライズ | ノクターン |
BAN2 | ジェイス | アリスター |
BAN3 | カシオペア | ブラウム |
PICK1 | ヨリック | サイラス |
PICK2 | エズリアル | ルシアン |
PICK3 | タム・ケンチ | ソラカ |
BAN4 | ヤスオ | ハイマーディンガー |
BAN5 | ジャーヴァンIV | ザック |
PICK4 | カルマ | ゾーイ |
PICK5 | シン・ジャオ | リー・シン |
試合内容
試合序盤,あまり激しい動きは起きなかったが,全体的にはUSGがやや有利に見える展開だ。ファーストブラッドはUSGが獲得し,MidでDasher選手がCeros選手をソロキルするなど,キル数で優位を築いていた。しかし,チーム全体のゴールドはイーブンという状況でなかなか差がつかず,お互い決定打を打てない状況だ。
試合が大きく動いたのは試合開始から30分が経過したころ。DFMに対してレーンを押し上げて徐々に有利な状況を作り出していたUSGだが,Dasher選手がDFMのSteal選手をジャングルで捉え,そのまま討ち取る。その勢いに乗ってバロンも獲得し,ゴールド差を4000ほど広げることに成功した。絶好調なDasher選手の活躍で,DFMを追い詰めたかに見えた。
しかし,黙ってやられるDFMではない。USGがMidレーンを押し上げ,タワーを破壊していく状況のなか,ADCのYutapon選手が“普通であれば考えられない場所”で待ち伏せする。そして好調ぶりを発揮していたDasher選手を一瞬にして討ち取ることに成功したのだ。
Yutapon選手の1プレイで状況は一変,それまで押していたUSGは逆に包囲され,4キルを奪われてしまい,ゴールド差は消え失せた。
Yutapon選手の待ち伏せは「成す術なく倒される可能性」を秘めた非常にリスクの高い行動だった。もしYutapon選手がやられていたら,そのまま負けていた可能性すらあった危険な賭けだが,それを成功させ,そのプレイを持ってキャスター陣に「天才」と言わしめた。
DFMは引き寄せた流れを決して逃すことはなかった。Evi選手がBotレーンを猛プッシュし,それを阻止しに来たapaMen選手をソロキルする。USG側はバロンを取ろうとするが,DFMはそれを許さず,さらにEvi選手がオブジェクトを破壊する時間を稼いだ。Evi選手はその間に,セカンドタワー,インヒビタータワー,インヒビター,ネクサスタワーの破壊に成功する。
戦いの主導権は完全にDFMが握り,バロンとエルダードラゴンも獲得。またしてもYutapon選手がDasher選手を討ち取り,DFMがそのまま押し切ってネクサスタワーを破壊して勝利した。
今週の注目ピック:ヨリック(トップレーン)
これまで影の薄かったチャンピオンだったが,ついに日の目を見はじめた。他の地域で開催されているプロリーグでもピックされており,ほとんどの場合においてスプリットプッシャー(TopやBotのレーンを一人で押し上げる役割)としての性能を買われている。
Ultで召喚できる「霧の乙女」を出した状態でのダメージは高く,スキルさえ当たればほぼすべてのファイターやタンク相手に1対1で勝てる性能を持つ。ただし,逃走能力がないために,ヨリックが行うスプリットプッシュは「敵をできるだけ引き寄せて逃げる」というよりは,「敵をできるだけ引き寄せて死ぬ」というものになってくる。
その点は弱みになるのだが,ヨリックは他のスプリットプッシャーと違って,タンクビルドにしてもタワーを破壊するスピードが非常に早い,という利点がある。DFM対USG戦では,そのタワー破壊性能が試合の勝敗に大きく影響した。
ヨリックの強み
- 霧の乙女を召喚したときの高い1対1性能
- タワーを破壊する性能が高いので,敵が対処を誤ると一気にタワーを破壊できる
- 他のスプリットプッシャーと違いタンクビルドが可能なので,敵がスプリットプッシュを止めに来たとき,長い時間を稼げる
ヨリックの弱み
- 集団戦で目立った活躍をするのは難しい
- 逃走能力がない
- 霧の乙女がいないとダメージが低く,できることが少なくなる
Week5 終了時点 順位表
Week5が終わり,「LJL 2019 Spring Split」は折り返しに差し掛かろうとしている。DFMはいまだ全勝無敗で開幕からの連勝を9に伸ばした。このまま走り抜けるのか,それとも勝利をもぎ取るチームが現れるのか,見逃せない試合となりそうだ。
また,CGAとUSGは互いに譲らない激しい2位争いを展開しているが,Week6ではその2チームの直接対決が行われる。大注目の1戦となるだろう。
4位にはRascal Jesterが付き,虎視眈々とプレイオフに進出できる3位の座を狙っている。最近調子をあげつつあるようなので,CGA,USGともに油断できない後半戦となりそうだ。
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