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PS Vitaにソーシャルパワーを呼びこむ「みんなといっしょ」。フレンドを増やすという目的から次のステップへ
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印刷2012/04/03 16:35

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PS Vitaにソーシャルパワーを呼びこむ「みんなといっしょ」。フレンドを増やすという目的から次のステップへ

 2012年3月28日,開発者向けに開催された「PlayStation Vita Game Conference 2012」では,PlayStation Vitaのローンチタイトルの一つ「みんなといっしょ」に関するセッションが行われた。本作は,どのような意図で制作されたのか,リリース以降のフレンド数の推移など興味深いデータも公開されたので,その内容をレポートしよう。

画像集#004のサムネイル/PS Vitaにソーシャルパワーを呼びこむ「みんなといっしょ」。フレンドを増やすという目的から次のステップへ

 4Gamer読者の多くは,PlayStation 3やPSP,PlayStation Vita(以下,PS Vita)で利用されている“PlayStation Network”(以下,PSN)はご存じだと思う。だが,ゲームやコンテンツのダウンロード以外で積極的に利用しているという人は,意外に少ないのではないだろうか。PS Vitaの無料ゲームコンテンツ「みんなといっしょ」は,そんなPSNの現状にテコを入れるために作られたのだという。

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フレンド作りをゲームにした「みんなといっしょ」


伴 哲氏
画像集#002のサムネイル/PS Vitaにソーシャルパワーを呼びこむ「みんなといっしょ」。フレンドを増やすという目的から次のステップへ
 「みんなといっしょ フレンド100万人達成への道のり」と題するセッションを担当したのは,ソニー・コンピュータエンタテインメント Worldwide Studios JAPANスタジオで同タイトルのプロデューサーを務める伴 哲氏だ。

 「みんなといっしょ」は,PS Vitaユーザーなら誰でも無料でプレイできるタイトルだ。ローンチタイトルとして配信するにあたり,「PS Vitaの日本市場を活性化させるようなタイトルを作る」というミッションが課せられたと伴氏は語る。

 市場を活性化させる方法はいろいろあると思われるが,伴氏が目を付けたのがPSNの“Networkフレンド”という機能だ。PlayStationシリーズのユーザーならご存じだろうが,PSNではほかのプレイヤーをフレンドとして登録でき,登録しておくとフレンドとのコミュニケーションや一緒にゲームをプレイするときの招待が容易になる。

 だが,このNetworkフレンドの機能があまり活用されていない状況だったという。伴氏自身「改めて調べてみると(フレンドが)2人しかいなかった」そうだ。

 PS Vitaの大きな売りの一つにコミュニケーション機能が挙げられるが,それは「フレンドの機能が利用されないことにはお話にならない」(伴氏)。そこでそのテコ入れとして,この「みんなといっしょ」が企画されたわけだ。

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 Networkフレンドがなぜ活用されないのか? 伴氏は,登録方法が分かりにくい,そもそも登録しなくても困らない知らない人とフレンドを結ぶのはハードルが高いという3つの問題点を挙げ,これらを解決する機能を「みんなといっしょ」に盛り込んだと説明する。

 例えばPlayStation 3では,プレイヤー情報はクロスバーメニューに一覧で表示されるだけだったが,「みんなといっしょ」では情報がキャラクター化されている。
 「キャラ化することによって,これからフレンド申請する人は人間だよというイメージを持たせるようにした」(伴氏)そうで,さらフレンド申請を,名刺を渡すという行動に変えることで具体的なイメージを持たせる工夫も。これにより,登録方法が分かりにくいという問題の解消が図られたわけだ。

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 キャラ化にあたっては,Twitterとの連携が図られており,Twitterのアイコンをキャラの顔にできるのも特徴の一つ。「ふだんから見慣れた顔がキャラクタになる」(伴氏)ことで,より身近な感じが出せるよう工夫したと伴氏は語っていた。

 そして最大の問題,そもそも登録しなくても不都合がないという点に関してだ。多くのオンライン対応タイトルは,フレンド以外ともマッチングできるため,フレンドを増やさなくても十分に遊ぶことができる。そこで,フレンドの登録をゲームの目的にしたわけだ。

 このように,さまざまな工夫を盛り込んだ結果,2012年1月にはフレンド数100人を達成したプレイヤーが登場。さらに平均的なフレンドの数も順調に伸びているという。Networkフレンドを活用してもらおうという「みんなといっしょ」の目的は,かなりの成功を収めているようだ。

みんなといっしょは,フレンドを登録しないとゲームにならない。否が応でもフレンドを探さないとならない仕組みである
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みんなといっしょver2.0ではフレンドの質も重要に


 伴氏は「みんなといっしょ」のアクセス状況を示す面白いデータを提示してくれた。ほかのタイプのゲームにも応用できそうなデータなので順に紹介してみたい。

 まずは,男女比に関してだ。これはなんとなく想像できると思うが,現状では男性が8割を占めているという。会場で示されたグラフにはスタートから比率もほとんど変わっていないことが読み取れた。もっと女性に遊んでほしいと伴氏は語っていたが,女性の比率を上げるにはPS Vitaのさらなる普及が必要となりそうだ。

 次に滞在時間の推移が紹介された。グラフを見るとスタート以降,プレイ時間は徐々に減っている。しかし,これは「みんなといっしょ」はそもそもプレイ時間が10分以内で済むゲームデザインになっているためで,プレイしている人数そのものは,あまり増減していないそうだ。

 そして肝心のフレンド数は,先に述べたように開始1か月で100人を達成するプレイヤーが現れ,また50%のプレイヤーは20人以上のフレンドを獲得するという伸びを見せたという。

フレンド数の推移
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ローンチの2011年12月17日から2012年1月16日までのフレンド成立数。わずか1か月で100万組ものフレンドが誕生している
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 伴氏は最後に3月29日からスタートする「みんなといっしょver2.0」の概要を紹介した。その内容は,新たにフレンド2人と共に遊べる「ダンジョン」が新設され,Twitterに加えFacebookとの連携機能が新たに追加されるというものだ。

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 この「みんなといっしょver2.0」ついて伴氏は,「フレンドの量と共に質も重要になる要素を入れた」と語る。フレンドの「質」と言われると,プレイヤー個人の良し悪しをイメージしてしまうが,ここで言う「質」は,フレンドとどう遊ぶのか,どんなフレンドがいま必要なのかといった,フレンドとの遊び方(の質)を指しているものだろう。

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 ちなみに,筆者はGDC 2012でもPS Vita系の開発セッションに参加しているが,そこでもPS Vitaのネットワークコミュニケーション機能やソーシャル機能が強調されていた。しかし,ソーシャルゲームに関してはPCやスマートフォンが先行している現状がある。
 既存ソーシャルと対抗するために,まずNetworkフレンドを充実させる必要があり,それがこの「みんなといっしょ」の企画へとつながったのだろう。「みんなといっしょ」シリーズだけでなく,Networkフレンドを上手く使ったゲームタイトルの充実にも期待したい。

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