「黒い砂漠」のアップデート「神樹に護られし都市−グラナ−」プレイレポート。美しくも険しい大自然に囲まれたカーマスリビアの地を紹介

　ゲームオンは，サービス中のオンラインMMORPG「黒い砂漠」のアップデート「神樹に護られし都市−グラナ−」を，2017年11月1日に実装する。これは，5月17日に実装された「神樹の宿りし聖域」（関連記事）の続編ともいうべきアップデートで，カーマスリビア地域の首都「グラナ」を含む新たなエリアと，2種めの9世代馬（幻想馬）ディネが実装される。

「神樹に護られし首都グラナ」特設サイト

「黒い砂漠」公式サイト

　このたび，実装に先立ってプレイする機会が得られたので，拡張されるエリアについてのレポートをお届けしたい。

自然との調和が美しいカーマスリビア南西部

　拡張されるエリアをワールドマップで見ると，全体の西部分にあたることが分かる。「神樹の宿りし聖域」は発表当初，「カーマスリビア Part1」と呼ばれており，カーマスリビアの玄関口ともいえる領域が実装されている。今回の「神樹に護られし都市−グラナ−」は，それに続く「カーマスリビア Part2」に相当するもので，カーマスリビアの中心地ともいえる地域が拡張されるわけだ。

今回実装されるカーマスリビア南西部一帯。東側の開けた場所が「神樹の宿りし聖域」で実装されたナバン草原で，さらにその東には小さな拠点「知恵の古木」がある。知恵の古木から道なりに西に進めば，グラナに至る

　今回実装されるエリアは，冒頭にも書いたカーマスリビア地域の首都「グラナ」のほか，新たな狩り場がいくつか追加される。ここから，それらの新エリアについて紹介していきたい。

■カーマスリビア地域の首都「グラナ」
　グラナは巨大な神樹によって護られているという設定で，女王ブロリナ・オネトが治めている。特徴は，やはり自然の景観がうまく取り入れられているところで，不思議な魅力を持った街になっている。とはいえ，取引所やショップが少なめで，ゲームにおける利便性はあまり高くなさそうな雰囲気もあった。

街の入り口からすぐの場所に，大きな神樹が生えている。神樹の根元には，花見ができそうな小さな広場があり，付近には，女王ブロリナ・オネトに謁見できる場所がある

グラナは切り立った渓谷の上にあるため，手すりを超えると落下するので注意。都市自体にはそれほど高い建物はなく，登山部的なプレイヤーには少し物足りないかもしれない

大きな岩や滝が，街の景観として取り入れられている。自然との調和するエルフ※らしい街といえそうだ
※ガネル（レンジャーが属している1つの種族），ベディル（ダークナイトが属している1つの種族）を総称して，ここでは分かりやすく「エルフ」としている

石畳は美しく敷き詰められており，高い文明，文化を感じさせる。また，街のところどころに建ち並ぶ女神像は，カーマスリビアの人々が信仰する女神なのだろうか？

■白枝の木の森
　白枝の木の森は，開発元であるPearl Abyssがイチオシするエリアだ。ラッコ族が中心の，自然に満ちた小拠点で，白枝の木を奉る祭壇のようなものもある。

白枝の木の森に，フローリン村の村長が訪れていた。フローリン村の薬草の起源は，もしかしたらここにあるのかもしれない

森の一角で，船のような形の馬車を発見。屋根は葉っぱを模しており，馬車アバターとしてちょっと欲しくなる

■ポリの森
　さまざまな種類のキノコが生えたポリの森は，適正攻撃力90〜100の狩り場だ。だが，適正攻撃力だけ見て狩りに来ると，ちょっと痛い目をみるかもしれない。というのも，ここのキノコは持続ダメージを与えるデバフ「毒」を持っているのだ。
　毒を治癒するアイテムなどはないので，ある程度のHPを持ったレベルが前提で，かつHP回復ポーションを忘れずに持参する必要がある。

毒は3秒ごとに10というドットダメージで，12秒ほど継続する。攻撃を受けると比較的高い確率で毒状態になってしまうので，キノコの攻撃を避けつつ戦おう

毒々しくポップでカラフルなキノコが，森のそこかしこに生えている。等身大のキノコは，ほぼすべてが敵モンスターだ。中には浮遊するキノコや，馬のように脚が4本ある変わったキノコなども出現する

■トゥースフェアリーの森
　その名のとおり，トゥースフェアリーが住む森だ。族長のレピタロングソムを中心に，自然と共に暮らしている。トゥースフェアリーの森の周辺には，彼女らを守るかのように，フォレストロナレスというモンスターが徘徊しているが，これは多くのプレイヤーを苦しめたケンタウロスタイプのモンスターで，非常に手強い。推奨レベル59〜60の狩り場だが，敵に囲まれると非常に危険だ。

トゥースフェアリーの族長は優雅だが，どこか虫のような印象（左）。普通のトゥースフェアリーは可愛らしく，男女で少し姿が異なる（右）

フォレストロナレスは，弓や槍，さらには拳で攻撃してくるなど，バリエーションが多彩だ。不用意に挑むと即死の可能性があるので，万全の状態で挑もう

トゥースフェアリーの森の木には，住居か見張り台のような施設がある（左）。この付近には，多くのファンが付いてしまいそうなNPCがいる（右）

トゥースフェアリーが住む場所から少し離れたところには，流れ落ちる滝や，見事な鍾乳石が見られる洞窟がある。観光スポットとしてオススメなので，ぜひ探してほしい

■リングウッドの森
　リングウッドの森は適正攻撃力100〜180の狩り場で，ポリの森の次に目指す場所といっていいだろう。カーマスリビアにはエルフと共生する「パデュス族」がいるが，この森は，共生をよしとせずエルフと敵対するパデュス族との戦いの最前線でもある。

かなり大規模な駐屯地で，中では練兵などが行われている。緊張感に満ちた，まさに前線基地だ

木の幹に沿って螺旋階段が設けられており，登ることができる。木と木は橋のようなものでつながれており，自由に行き来することが可能だ

一触即発状態のエルフとパデュス族。狩り場の獲物はこのパデュス族なのだが，かなり手強いので油断せずに戦おう。敵ではあるものの，青く美しい毛皮の獣戦士達がカッコ良すぎてたまらない

■バルタラ山脈西部
　バルタラ山脈の西方エリアには，敵モンスターがほとんど出現しない。登山を楽しむプレイヤーにしか需要がなさそうだが，一見の価値がある美しい景観が楽しめるし，中腹には隠れ家的なスポットもあるので，ぜひ訪れてみよう。

バルタラ西部山脈の全景。テストプレイでは登頂が果たせなかったので，実装された暁にはぜひ山頂を制覇したい

中腹の某所では，しだれ桜のような木が，佇むようにひっそり花を付けている

■灰色の森
　バルタラ山脈西部の，さらに西側に広がるエリアで，ここは生命が存在しない，死の土地になっている。晴れた日中でも常に霧が立ちこめているという暗鬱な雰囲気で，もちろん，モンスターもまったく登場しない。

霧に包まれた森はとても薄暗く，生命の息吹が感じられない。ただ1人，拠点の管理人であるトゥースフェアリーがいた

■ガイピンラーシア寺院
　最後に紹介するのは，グラナの南にあるガイピンラーシア寺院だ。ここはハスラ遺跡とは異なるタイプのダンジョンで，推奨レベルが60以上，さらにパーティで来ることが強く勧められている。
　洞窟のほか，荒廃した寺院や神殿のそびえる屋外も狩り場になっている。

ダンジョンには，西洋風でありながら，どこかオリエンタルな雰囲気を持つ不思議な遺跡がある

寺院設立にどれだけの労力が注がれたのかと思うほど，敷地は広い。カーマスリビア全域にある紋章付きの石碑がここにもあるため，エルフに深く関わる場所なのだろう

　出現するモンスターは，遺跡に数多く立っている石像だ。この石像にキャラクターが近づくと動きだし，青い肌のモンスターとなって襲いかかってくる。

石像は剣や鎚など，主に近接武器を使った攻撃を仕掛けてくる。大きな燭台の上にある壊れた卵を思わせるオブジェクトの中には弓を持った石像がいて，こちらに矢を射てくる

　この寺院は，狩り場としての難度が高いため，簡単に足を運ぶわけにはいかないが，ロケーションとしての見どころはかなり多く，遺跡好きにはたまらないだろう。モンスターを避けながらの観光は大変だが，廃墟に哀愁と美を感じるプレイヤーなら，必ず訪れたい場所だ。

新たなる幻想馬「ディネ」は攻撃も回復もできる万能タイプ

　カーマスリビアの観光……いや紹介を終えたところで，新エリアの移動に協力してくれた新幻想馬「ディネ」を紹介したい。


　新たに実装される幻想馬「ディネ」は，白い体に金色のたてがみ，額から螺旋状の鋭い角が生えるという，ユニコーンのような姿をしており，アドゥアナートと同様，8世代馬からのランクアップで入手可能だ。

　固有スキルは「生命の大地」と「加護の大地」。「生命の大地」を使うと同時に「加護の大地」も発動し，20秒間，HPの持続回復，防御力+10，回避力+10というバフ効果がプレイヤーキャラクターに付与される。ディネから降りてもこの効果が続くというから，ありがたい話だ。回復するHPはかなりの量で，HP回復基地としてディネが欲しくなる。

　さらに，攻撃に特化した「連：突進」，空中でさらにジャンプを重ねる「二段ジャンプ」という幻想馬ならではの便利なスキルも習得できる。

突進中に［Q］キーを押すことで，金色のオーラをまとい攻撃を繰り出す「連：突進」が発動する。攻撃力は非常に高い

ジャンプ中に，見えない足場でジャンプを重ねる「二段ジャンプ」は連続で使用可能だ。そのため，通常では行けない高さまで登れる場所もあるという

　今回のアップデートでは，レベル55から60あたりという幅広い層の狩り場が追加されることになる。これらのレベル帯の狩り場は人が多く，ある意味，激戦区だったので，選択肢が増えたことは非常に嬉しい。

　それ以上にカーマスリビアは，観光スポットとして申し分ないエリアでもあり，既存エリアの追随を許さないほど美しい。どこを撮ってもスクリーンショット映えするカーマスリビアの地を，ぜひ楽しんでもらいたい。