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ハロー!Steam広場 第286回:ヒーラーにスポットを当てたレイドボス攻略ストラテジー「Mini Healer」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,死んでいるプレイヤーの近くにメッセージ付きのスイートロールを置きまくる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第286回は,Sad Dogeが手掛ける「Mini Healer」を紹介しよう。本作は,4人パーティでレイドに挑むストラテジーゲームだ。プレイヤー以外のパーティメンバーは全員NPCであり,プレイヤーは彼らの生命線とも言えるヒーラーを担当する。
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レイド戦のヒーラーにスポットを当てたストラテジーゲーム「Mini Healer」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は海外のインディーズ系デベロッパ,Sad Dogeが手掛ける「Mini Healer」を紹介しよう。
本作は,4人パーティでボス討伐に挑むストラテジーゲームだ。プレイヤー以外のパーティメンバーは全員NPCであり,プレイヤーは彼らの生命線とも言えるヒーラーを担当する。ヒーラーにスポットを当てた作品といえば,第267回の「Looking for Heals」を思い出す人もいるかと思うが,ダンジョンアタックが主軸だったあちらに対して,このゲームはボス討伐をメインとする「レイド」に軸足が置かれている。
本作は基本的に,拠点とボス部屋を行ったり来たりするだけで,マップを探索するような要素は存在しない。ひとたびレイドが始まれば,画面左上に表示される各パーティメンバーのステータスとにらめっこするだけだ。
ヒーラーであるプレイヤーの仕事は,パーティが壊滅しないように回復魔法で戦線を支えること。パーティメンバーのHPが減れば回復魔法を,状態異常にかかったら治癒魔法を素早く投げていく。回復魔法は,パーティ全体を回復するものや,徐々にHPを回復していくものなどがあり,プレイヤーは状況に対する幅広い選択肢を持つことになる。
このゲームの面白いところは,実際のMMORPGにおけるレイドバトルの醍醐味がしっかり再現されている部分だろう。戦闘が始まると優秀なタンクが常にヘイトを取り続けてくれるので,通常はタンクのHPを回復していればいいのだが,ときおり全体攻撃や,ヘイトを無視したランダムターゲット攻撃がパーティに襲いかかる。
慌ててほかのメンバーを回復していると,その間も殴り続けられていたタンクが瀕死になっており,急いでタンクのヒールを始めるも,次の全体攻撃が来て,回復途中だったメンバーが落ちる――といった具合に,なんだかどこかで見たことのあるような光景が繰り広げられるのだ。
常に攻撃を受け続けているタンクには継続回復魔法を,HPが大きく減ったメンバーには単体回復魔法を,HPの減りが少ないなら一旦様子見し,相手の詠唱が始まったら回復を差し込む準備をする。画面の動きこそ少ないが,プレイ中の思考はMMORPGのレイドとほとんど同じだ。
少しゲームが進むと,相手のバフを消したり,雑魚が出てきたときに攻撃の指示を飛ばしたりと,やることも増えていくので単調さも感じない。もちろん,ボスによってヒールワークも変わってくるので,そのたびに攻略方法を模索していく面白さもある。
レイドをクリアすると経験値がもらえ,スキルツリーを開放して新しい魔法を覚えられる。また装備を入手することもあり,これを自キャラクターに装備すると,特定の味方がパワーアップするなど,パーティ全体の強化が可能だ。すでに攻略済みのボスには再挑戦もできるので,力不足で行き詰まってしまったら,攻略済みのボスを周回してレベルを上げることもできる。
本作のアーリーアクセスは,早くて2020年10月中,遅くとも2021年4月までには終わる予定で,正式版ではより多くのボスや魔法,スキルツリーが実装されるとのこと。「Looking for Heals」と同じく,現職ヒーラーの人に刺さるゲーム性になっているので,腕に自信のある人はもちろん,ヒーラーの練習中だという人もぜひ挑戦してみてほしい。
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