「eBASEBALLプロスピAリーグ」開幕直前。スピリーグ監督たちによる座談会をレポート

プロ野球スピリッツA

　KONAMIと一般社団法人日本野球機構が共催する「eBASEBASLLプロスピAリーグ」（通称：スピリーグ）が，2021年12月4日に開幕を迎える。

　その開幕に合わせ，スピリーグの監督たちが一堂に会した「スピリーグ監督座談会」の映像収録が行われた。座談会の映像はスピリーグの開幕に合わせて12月上旬より各球団の公式YouTubeチャンネルで公開されるが，本稿ではその公開に先駆けて，少しだけ座談会の模様をお届けしよう。

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「eBASEBASLLプロスピAリーグ」（スピリーグ）とは

　「eBASEBASLLプロスピAリーグ」は，スマホ向けゲーム「プロ野球スピリッツA」（iOS / Android）を競技タイトルとして使用するeスポーツリーグ。12球団の代表選手（各3名）が実際の日本プロ野球リーグと同様に，セ・リーグとパ・リーグに分かれて「eペナントレース」（全5カード，15試合）を戦うことになる。

　そして各リーグ上位3チームが「eクライマックスシリーズ」を戦い，「e日本シリーズ」で日本一を決定するというもの。なお，2021年10月に行われた「球団代表決定戦（本戦）」により，すでに代表選手全36名は決定済みだ。

　スピリーグでは各球団が選定したOBや球団関係者が“スピリーグ監督”として就任し，選ばれた代表選手を率いて日本一を目指す。そのスピリーグ監督たちは以下の面々だ。

セ・リーグ
読売ジャイアンツ／岡島秀樹 監督
阪神タイガース／桧山進次郎 監督
中日ドラゴンズ／吉見一起 監督
横浜DeNAベイスターズ／多村仁志 監督
広島東洋カープ／石原慶幸 監督
東京ヤクルトスワローズ／真中 満 監督


パ・リーグ
福岡ソフトバンクホークス／新垣 渚 監督
千葉ロッテマリーンズ／里崎智也 監督
埼玉西武ライオンズ／髙橋朋己 監督
東北楽天ゴールデンイーグルス／聖澤 諒 監督
北海道日本ハムファイターズ／岩本 勉 監督
オリックス・バファローズ／乾 絵美 監督

開幕に先駆けて舌戦も？

監督座談会ダイジェスト

　座談会では，フリースポーツアナウンサーの清水久嗣さんが進行役を担当し，モデルやMCで活躍するほかカープ女子でも知られる古田ちさこさんがアシスタントを務めた。

　各監督はお題に対して「○」か「×」のいずれかの札を出したあと，その答えについて話していくという流れで進み，セ・リーグとパ・リーグ別々で行われた。

　まずはセ・リーグのほうからお届けするが，東京ヤクルトスワローズの真中 満監督のみ，当日都合がつかず残念ながらビデオメッセージでの参加となった。

　最初のお題は，当日スピリーグのユニフォームを着用している監督たちに対し「正直，自分のユニフォーム姿はこの中で一番にあっていると思う」というもの。これに対する各監督の回答は以下のとおり。

読売ジャイアンツ／岡島秀樹 監督（○）
阪神タイガース／桧山進次郎 監督（○）
中日ドラゴンズ／吉見一起 監督（×）
横浜DeNAベイスターズ／多村仁志 監督（○）
広島東洋カープ／石原慶幸 監督（×）
東京ヤクルトスワローズ／真中 満 監督（○）

　真っ先に「○」を挙げた阪神桧山監督は，最初自分が監督と呼ばれていることに違和感を覚えていたという。「もう，今ちょっとその気になってますよね」と監督気分を味わうと同時に，監督であることに緊張もしていると話していた。

　同じく「○」を出した巨人岡島監督は，「日本の球団の中ではジャイアンツのユニフォームが一番似合うのかなと思っていましたし，ジャイアンツを代表しているので，（ゲームで試合を）やるのは選手なんですけど，そこをしっかりサポートしたいです」と意気込みも交えていた。

　3人目の「○」は横浜の多村監督。清水アナに髪の毛の色についても触れられていたが，「（髪の毛の色を）抜きすぎましたけど，（ユニフォームの）デザインがかっこいいですし，久しぶりにこういうユニフォーム着るっていうのはなんかいいですね」と話していた。

　一方「×」を挙げたのは，広島石原監督と中日吉見監督。どちらも他の監督たちと比べると，まだ現役を退いてからそこまで時間が経っていないが，石原監督は「先輩方の似合っている姿を見たら，敵わないですね」と謙虚なコメント。
　カープ女子でもある古田さんも「石原さんは本当に謙虚でいらっしゃるので」と援護すると，石原監督は「ですよね」と自分で言い，他の監督からは笑いが起こっていた。

　吉見監督は，清水アナにドラゴンズのユニフォームが似合っていると言われ，肯定はするものの，「赤が入っているのがちょっとあれかな。なんか青ってイメージがありますから」と赤が入っていることを気にしていた様子で，「ユニフォームに袖を通すとやっぱり緊張感が出ますので，選手たちにもしっかり頑張ってほしい」とコメントしていた。

　最後は，ビデオメッセージでの参加となっているヤクルトの真中監督。真中監督は「基本なんでも似合っていると思ってやっていますので」と，自身が出した「○」の理由について話していたが，それに対して清水アナから話を振られた桧山監督は，「一番まるまるとしてますよね」と軽いジョークも交えていた。「実際，現役監督もしましたから」とユニフォームが似合ってる理由として，その実績にも触れていた。

　続いては「スピリーグ監督の話を受けてから，プロスピAを結構プレイした？」というプレイ経験について問われる内容だった。その結果は以下のとおり。

読売ジャイアンツ／岡島秀樹 監督（×）
阪神タイガース／桧山進次郎 監督（×）
中日ドラゴンズ／吉見一起 監督（○）
横浜DeNAベイスターズ／多村仁志 監督（○）
広島東洋カープ／石原慶幸 監督（×）
東京ヤクルトスワローズ／真中満 監督（○）

　「○」を出した吉見監督と多村監督は比較的すんなりと札を出していた。吉見監督はスピリーグ監督のオファーを受けてから，知識が必要であることを理由に，かなり時間を使っていることもアピールしていた。

　多村監督は本作の解説をしていた経験もあることから本作に関する知識も豊富だが，そのうえで積極的にプレイしていると話していた。

　一方「×」を挙げた岡島監督は，スピリーグの監督を受ける前からプレイしていたということで「×」を出していた。岡島監督はお子さんがプレイしていたことで，一緒にプレイするようになったという。

　桧山監督はゆっくりと「×」を挙げていたが，その理由として「僕はちっちゃいときから勉強でも短期集中型で一気にやるタイプだったので，まだやってないですね」と話し，「これからですよ。僕はのめり込むとヤバいタイプなので，今からですね」と開幕までにしっかり準備しそうな勢いが感じられた。

　同じく「×」の石原監督は，現役時代ゲームをあまりやらないほうだったとのことで，スピリーグの監督の話を受けてから一度はプレイしてみたそうだが，難しくて心が折れたと答えていた。
　広島の連覇を支えた名キャッチャーでもあることで，配球面での知識や経験などは本作に生きるのでは？　といった清水アナの意見に，「配球を考えたとしても，そこで押せなかったり離せなかったりするので」と，ゲームの難しさを挙げていた。

　最後は「○」を出した真中監督。真中監督も岡島監督と同様，監督の話をもらう前，昨年頃から本作に関わる仕事もしているため，かれこれ1年ほどやり込んでいるとのことで，プレイヤーレベル118ほどであることも明かしていた。

　さて，セ・リーグのダイジェストはここまでとし，続いてパ・リーグのダイジェストをお届けしよう。こちらもセ・リーグと同様に「正直，自分のユニフォーム姿はこの中で一番にあっていると思う」という設問からなのだが，スタートからとにかく岩本監督と里崎監督が喋りまくり，かなり賑やかになっていたのが印象的だった。回答は以下のとおり。

福岡ソフトバンクホークス／新垣 渚 監督（○）
千葉ロッテマリーンズ／里崎智也 監督（×）
埼玉西武ライオンズ／髙橋朋己 監督（×）
東北楽天ゴールデンイーグルス／聖澤 諒 監督（×）
北海道日本ハムファイターズ／岩本 勉 監督（×）
オリックス・バファローズ／乾 絵美 監督（×）

　福岡の新垣監督は「○」を出したあと，他の監督が全員「×」を出した様子を見てそっと「×」に変更しようとしたが，それを見逃さなかった岩本監督にツッコミを入れられ「○」に戻していた。
　また，順番的に最初に聞かれたことで「黄色が映える」とコメントしたが，里崎監督に「（コメントの順番が）1番で，似合ってると思ってるのにコメントが薄いですよね」とイジられていた。

　それをフォローするように清水アナが「これからそれを広げていくんですから」と新垣監督に話を振るものの，結果的に清水アナが多く話しており，里崎監督からは「9:1くらいで（清水アナ）が喋ってる」と指摘されただけでなく，新垣監督が岩本監督から「存在感を出せ」とダメ出しをされる流れに。すべて冗談交じりで笑いは絶えなかったが，最初のお題から岩本監督と里崎監督のエンジンはフル回転していた。

　次は「×」を出した西武髙橋監督。まだ最近ともいえる感動的な引退試合が記憶に新しいが，?橋監督はアカデミーコーチでもユニフォーム自体は着ているとのことで，そういう意味ではあまり特別な印象はなかったようだ。とはいえ，いつもとは違う雰囲気は感じられているという。

　楽天の聖澤監督は，自分よりも自分がテレビで見ていた先輩方がまたユニフォームを着てくれているのが嬉しいという。しかし里崎監督に「テレビで見てたのは岩本さんだけでしょ。だって（僕ら）一緒に戦ってますから」と突っ込まれると，岩本監督も便乗して再びてんやわんやの展開に。

　続く乾監督は，ソフトボール日本代表選手で活躍し，国際大会の経験も多く頂点に立ったこともある。現在はオリックスにて，球界初となる女性スカウトとして活躍している。そんな乾監督がオリックスのユニフォームを着ることはセンセーショナルなことだが，乾監督は「とてもありがたいです」と控えめな回答。ここでは里崎監督が「乾さんリーグ優勝してるんですからもっと張り切っていっていいですよ」と盛り上げる場面も見られた。

　岩本監督はどうもTシャツのように着るタイプのユニフォームは自身では似合わないと思っているようで，シャツのように前でとめる形のほうがいいと話していた。ただ，デザインはとても気に入っているようだった。

　最後の里崎監督は「自分で似合ってるって自負しています」と話すも，「一番かと言われるとそれは僕が決めることではないので」と「×」を出した理由も話していた。だが，自分では100％似合っていると自信を持っていた。

　パ・リーグのほうでは，もう1問，セ・リーグとは違った質問をお届けしよう。それがこちら。「ここだけには絶対負けたくない！　という球団がある」というもので，結果は以下のとおり。

福岡ソフトバンクホークス／新垣 渚 監督（×）
千葉ロッテマリーンズ／里崎智也 監督（○）
埼玉西武ライオンズ／髙橋朋己 監督（×）
東北楽天ゴールデンイーグルス／聖澤 諒 監督（×）
北海道日本ハムファイターズ／岩本 勉 監督（×）
オリックス・バファローズ／乾 絵美 監督（○）

　まずは「○」を出した里崎監督と乾監督だが，乾監督はソフトバンクには負けたくないとのことだった。理由は「ジュニアチームで新垣さんが2017〜18年と監督をされていたときに，私もコーチをさせていただいていたんですけど，大会で対戦させていただいたときにあと1点でコールド負けっていう状況まで持っていかれたことがあったので，負けたくないです」と，ほぼ個人的な理由だったことで笑いが起こっていた。それに対し新垣監督は「ぼくは過去を忘れるタイプなので」と受け流していた。

　同様に里崎監督もソフトバンクホークスを挙げており，その理由は「選手でもエントリーして負けて，監督でも負けるわけにはいかないでしょ。コテンパンにやり返してやりますよ」と，完全に個人的な事情からくる闘志だった。どうも里崎監督はホークス純正で選手として予選にエントリーしていたが，2万位という順位で予選落ちしており，その後監督に就任しているという。

　乾監督，里崎監督の両監督からなんとも個人的な闘志を向けられている一方の新垣監督は落ち着いて「全球団に全勝するつもりで」と意気込みを話すが，そこに割って入るのが岩本監督。「さすが余裕があるわ」と煽ると，里崎監督も「そらもうステータス高い選手集めてるだけに余裕があるわ」とゲーム要素も出して便乗していた。

　あらためて話を振られた岩本監督は，各チームにしっかり勝たないと優勝は難しいと現実的な目線で話していた。聖澤監督も同様に全球団と話し，大事なポイントについて聞かれると，開幕戦だと断言。髙橋監督も前二人と同じく，全球団に一試合一試合勝っていけたらと話していた。

　ということで，本稿でお伝えするのは以上となる。セ・リーグ，パ・リーグ共に，お題は同じものだが，ここでピックアップしたほかにも，「ゲーム内での自分の能力値をすごく気にしている」といったものや，「現役時代すごく苦手にしていた，もしくは逆にカモにしていた相手がいる」「リーグ優勝，そして日本一になるのは当然自分の球団だと思っている」といった話題でセ・パ両リーグともに賑やかな座談会となっていた。

　座談会の全容は，スピリーグ開幕に合わせた12月上旬に公開される予定だ。冒頭でも記載しているが，本座談会の動画は“各球団の公式YouTubeチャンネル”での公開となるので注意してほしい。

　公式サイトや公式Twitterでスピリーグに関するスケジュールや詳細，最新情報などをチェックしながら，白熱した試合が期待できる「eBASEBASLLプロスピAリーグ」を楽しみに待とう。

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