連載
結のほえほえゲーム演説:第92回「『なく頃に』シリーズで鍛えられた考察好きが『あなたの番です』にハマった話」
とうとう私も,手を出してしまいました。
「あなたの番です」
日本テレビ系で4月から放送中のTVドラマです。
マンションに引っ越してきた新婚夫婦が,マンション住人達の「交換殺人ゲーム」に巻きこまれる姿を描いたミステリー。「毎週,死にます」というキャッチコピー通り,登場人物の誰かが毎回死にます。企画・原案は秋元 康さんです。
人狼ゲームや謎解きゲームが好きなので,共通の趣味の友人知人が多いのですが,皆さんがそろいもそろってハマっている様子。みんながそこまで言うなら……と「Hulu」で視聴し始めたところ……。
13話(当時アップされていた最新話)までを,ノンストップで一気見しちゃいました。だって! だって! 一刻も早く,真犯人を推理したいじゃないですか! ぶわーっと本編を視聴したあと,ネットにあふれかえる真犯人考察を隅から隅まで読みふけり……。そして自分なりの推理をして「あいつか? いやあいつじゃね?」と予想合戦。これが楽しいんですよ。
本作の特徴は,とにかく登場人物が多いこと。メインキャストだけでも30人を超えています。この登場人物達の中で誰が犯人なのか? いろんな可能性を考えながら推理していくわけです。他人の考察を読んで「それは深読みだな〜」「ミスリードだな〜」と思ったりしつつ,より細かい部分に注目するようになったり。
ふと気が付いたのですが,こういった楽しみ方,私は本来ゲームでやっていたんですよ。
すぐに正解が出ないもどかしさを楽しむ……という意味で,このドラマに最も近い体験だったのは「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」です。続編がコミケで頒布されていたので半年ごとに情報が増え,リアルタイムで真相を追っていく楽しさがありました。
当時,ファンが集まるチャットで推理合戦に明け暮れたものです。竜騎士07さんの作品は,どこまでミステリーとして捉えるべきか……から悩みどころなので,それはもう多種多様な考察が散らばっていました。
ほかのジャンルに比べると,ミステリーにおける考察は独自性が強いことが多く,そこに引かれているのかもしれません。その推理が正解だったか,不正解だったかは関係ないことのように思います。“想像の余白”が広ければ広いほど,作品の良さが浮き彫りになるのかもしれません。
最近はプレイ動画ですら,正解不正解を気にしている方が多いですが,己の感じた推理をバシバシ垂れ流していただきたい。考察は,プレイヤーの一人一人が作品に向き合った証なのですから。
ちなみに私が最初にハマったミステリーゲームは「かまいたちの夜」でした。主人公が殺人事件の犯人をつきとめることができなかった場合,猛吹雪のペンションの中,登場人物達が次々と殺されていきます。生存人数が減り,犯人の選択肢が狭まっていくにも関わらず,疑心暗鬼が加速して,余計に犯人が分からなくなってくる感じ。たまらないですね。
ミステリーといえば,忘れちゃいけないのが「ダブルキャスト」でしょう。記憶喪失の女の子と出会った主人公が,彼女と共同生活することになり,事件に巻き込まれていく……というお話でした。こちらも,次々と登場人物が殺されていく「ジェノサイド編」が物語の真骨頂。大学のサークル内での疑心暗鬼が楽しめます。
犯人こそ予想しやすいものの,複雑な事件を紐解く快感が味わえる「逆転裁判」や,才能を持った学生たちが集った学園デスゲーム「ダンガンロンパ」も楽しいですよね。
先程,考察に正解不正解は関係ない! と言ったばかりですが,やはりつい目指してしまうのは……主人公が真相にたどり着くよりも早く,自分の推理で真相にたどり着くこと! ですよね?
最近プレイしているゲーム(2019/8/3)
Nintendo Switch:「スプラトゥーン2」
PlayStation 4:「JUDGE EYES:死神の遺言」
iOS:「ロマンシング サガ リ・ユニバース」
iOS:「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」
アーケード:「クイズマジックアカデミー 軌跡の交叉 -Xross Voyage-」
■■結(女優・タレント)■■
女優・タレントとして活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ,数多くのゲーム番組でMCを務め,イトキチ(糸吉)の愛称で親しまれている。
公式サイト:http://yui-monogatari.com/
公式Twitter:https://twitter.com/xxxjyururixxx
ニコニコチャンネル「結チャンネル」:http://ch.nicovideo.jp/yuichannel
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