「第1回 ぷよぷよレディースカップ」決勝トーナメント開催。一般女性プレイヤーによるプロにも負けない熾烈な戦いをレポート

　セガは2022年1月22日，「ぷよぷよ」シリーズの一般女性プレイヤーによる公式大会「第1回 ぷよぷよレディースカップ」の決勝トーナメントをオンラインにて開催した。
　「ぷよぷよ」における女性のeスポーツ競技人口の拡大を目的として開催された本大会。昨年3月には「ぷよぷよレディースカップ -プレオープンマッチ-」が開催され，今回は公式のレギュラー大会の第1回として全国から出場選手を募り，予選を通過した一般選手16名が決勝トーナメントへと挑んだ。本稿ではその模様をレポートする。

左から実況MCの椿 彩奈さん，解説のTema選手とめいせつ選手。レディースカップということで，進行も女性陣がつとめた

　決勝トーナメントに出場した15名（1名欠場）は，ぷよ歴27年というベテランや現役小学生プレイヤー，プロの漫画家など，多様な顔ぶれが揃った。プレイヤーとして互いに対戦経験があったり，配信を見ていたりする選手も多かったようだ。
　試合はシングルイリミネーション形式のトーナメントで，5ポイント先取で勝利，準決勝以降は10ポイント先取で勝利するルールにて行われた。

当日のトーナメント表はこちら。1回戦第1試合の由紀選手が欠場のため，こま選手は不戦勝となる

　トーナメントは1回戦から大きな盛り上がりを見せ，各選手が事前のコメントで注目選手として挙げたまりこ選手，のたこ選手，あかじこう選手などは順当に勝ち進んでいく。若手選手として活躍が期待された小学生のサヤナ選手と中学生のHALHAL選手は残念ながら1回戦で敗退してしまったものの，両者ともに強豪相手にポイントを重ね，視聴者からの喝采が送られていた。

将来有望な若手，HALHAL選手とサヤナ選手は，1回戦でそれぞれ強豪のあかじこう選手，どらあ！選手と対戦。ともに健闘するも敗れてしまった

　2回戦は，無駄なぷよを残さない美しいカギ積みで魅せたこま選手，まりこ選手との強豪同士の対戦で注目を集めたのたこ選手，貫禄の勝利で準決勝に進出したあかじこう選手，安定した強さをみせたどらあ！選手が勝ち上がった。

　準決勝第1戦は，こま選手とのたこ選手の対戦に。連鎖効率の高いこま選手のカギ積みに対して，自身が尊敬するというfron選手の得意手，fron積みで大連鎖を狙うのたこ選手。ともに本線の大連鎖を組み立てつつも，相手の盤面を凝視しての臨機応変な攻めが上手く，視聴者をうならせていたが，ポイント6−7の接戦からこま選手の連鎖を見切って調子を上げたのたこ選手が3連勝し，決勝に進出した。

こま選手の8連鎖に対し9連鎖で返し，対抗できるセカンドを組めなかったこま選手は敗北

「龍が如く」の東城会代紋の壁紙を背負って勝利のポーズを取ったのたこ選手

　準決勝第2戦は，ともに実力者のあかじこう選手とどらあ！選手の対戦。実力は拮抗しているように見えたが，ポイント2−2のタイスコア以降，あかじこう選手がどらあ！選手の攻めのほとんどを見切り，10−2の大差で勝ち上がった。

あかじこう選手は安定した中盤と大連鎖で，どらあ！選手を圧倒

笑顔でガッツポーズをするあかじこう選手

　ともに強さと調子の良さを見せていたのたこ選手とあかじこう選手の決勝戦。昨年のプレオープンマッチでも当たった2人で，そのときはあかじこう選手が僅差で勝利した。のたこ選手にとってはリベンジマッチでもある戦いだ。

決勝戦までのトーナメント表

　これまでの試合と同じく，両者しっかりと相手の盤面を凝視しつつの攻防を展開し，のたこ選手が立て続けに2ポイントを先取する。勢いづいて攻めるのたこ選手だが，あかじこう選手も崩れず冷静な対応で，3−3のタイに。

これまで好調に勝ち進んできたのたこ選手とあかじこう選手。序盤はほぼ互角の戦いを繰り広げる

　両者大連鎖も絡め視聴者を沸かせつつの互角の勝負と思われたが，ポイント5−4からのたこ選手はあかじこう選手の攻めを上手く切り返し3連勝。8−4と大きく差を付けていく。

あかじこう選手の2連鎖ダブルを素早く見切って本線発火に切り替えたのたこ選手。ここの勝利が後の快進撃に繋がる

　しかしあかじこう選手もあきらめず，大連鎖を組みつつ中盤の大きめの攻撃を上手く刺し，のたこ選手の対応を許さない。追い込まれてからの4連勝で，8−8のタイに持ち込んだ。続く17本目は互いに全消しから始まり，おじゃまぷよでやや乱れた盤面のまま，あかじこう選手がのたこ選手の2連鎖を受けつつ，12連鎖で返していく。のたこ選手の大連鎖が繋がらないことを見切っての本線発火という凝視力も発揮され，ついに8−9で逆転。マッチポイントまで迫った。

おじゃまぷよがある中，12連鎖まで繋げたあかじこう選手。のたこ選手は4連鎖止まりでついに逆転される

　負けられないのたこ選手は中盤の3連鎖で果敢に攻め，おじゃまぷよを3段降らせることに成功したが，あかじこう選手はそれを見越した本線をすかさず発火し8連鎖ダブルを決めた。対抗できる本線を積み切れていなかったのたこ選手は4連鎖ダブル止まりで，ついにゲームセット。あかじこう選手が記念すべき第1回レディースカップの優勝に輝いた。

おじゃまぷよが3段降る中，本線を発火に繋げたあかじこう選手。のたこ選手は大きめの先手を打ったうえ，同時消しで多くのぷよが消えてしまい万事休す

優勝を手にし，最高の喜びを見せたあかじこう選手

　試合を終えたあかじこう選手は，8−4と差を付けられたときは「終わったな」と思ったが，その後のたこ選手が崩れたところに安定して連鎖を組むことができたと述べる。レベルの高い女性選手が多かった中，あまり自信はなかったが「優勝できて本当に嬉しい」と笑顔を見せていた。また，これまで何度か挑戦しているプロライセンス獲得にも前向きで，自身の持ち味である「本線の安定感」を強みに，今後も挑んでいきたいと語った。
　優勝のあかじこう選手と準優勝ののたこ選手には，特製のクリスタルトロフィーと，2022年2月26日に開催予定の「ぷよぷよチャンピオンシップSEASON4 STAGE4」にて，Tema選手，めいせつ選手とのエキシビショントーナメントマッチの参加権が贈られた。

「ぷよぷよeスポーツ」公式サイト