「DCS World」の2021年ロードマップが公開。新たな機体やマップ，クラウドシステムなどの新情報が明らかに

　コンバットフライトシミュレータ「DCS World」の開発・販売を行うロシアのEagle Dynamicsは，現地時間の2021年1月8日，2021年以降の「DCS World」の展開を紹介するロードマップを公開した。

DCS World：2021 Roadmap

　ご存じのように，「DCS World」は，最低限のプレイが可能な機体やマップをセットしたパッケージを無料公開し，プレイしてみて気に入った人が，Eagle Dynamicsやサードパーティの制作したさまざまなモジュールを購入して楽しむというビジネスモデルが採用されている。現在のステータスはオープンβだが，定期的なアップデートが繰り返されており，フライトモデルやグラフィックスのレベルはコンバットフライトシミュレータとしてトップクラスだ。

　世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により，計画どおりではなかった部分もあるようだが，発表では，2021年の第1四半期に「バージョン2.7」に移行することが予告されている。現在は「バージョン2.5」なので，1つ飛ばす形になるが，これは，今年の初めにリリースする予定だった「バージョン2.6」の追加要素が増えたことが理由だという。


　公開されたロードマップをかいつまんで紹介すると，2021年には取り急ぎ，既存モジュールの「DCS: F/A-18C Hornet」「DCS: F-16C Viper」「DCS: A-10C II Tank Killer」，そして「DCS: Supercarrier」の遅れていたアップデートを終わらせるとのこと。各機体にさまざまな最新システムやアビオニクスが追加されるほか，空母のディテールアップが施される予定だ。


　新機体としては，「DCS: Mosquito FB MK.VI」が予定されている。デ・ハビランド モスキートは第二次世界大戦中に登場したイギリスの爆撃機で，複数のエンジンを搭載し，複数のクルーが乗り込むタイプの機体は「DCS World」では初になるとのこと。2021年の第1四半期にアーリーアクセス版をリリースする予定だ。このほか，「DCS: Mi-24P」「DCS: AH-64D」という冷戦時代を象徴するようなソ連とアメリカのヘリコプターも登場を控えている。ハインドは2021年第2四半期に，またアパッチは第3四半期にリリースされる予定で，アパッチについては2月から30％オフでの予約受付が始まるという。


　マップでは，今後もバグフィックスを継続し，ペルシャ湾，コーカサス，そしてネバダマップの改善を行うとのこと。また，イギリス南部のBiggin Hill空軍基地とEastchurch空港をモチーフにした「The Channel」と，無料公開が計画されている「Mariana Islands」が公開されている。


　さらに，期待されていた雲のアップデートも2021年の第1四半期に予定されており，このアップデートによって雲のリアリティが向上するだけでなく，マルチプレイでは雲の状況が各プレイヤーにシェアされる。今後，より高度なウェザーエンジンに基づいた新たなクラウドシステムをリリースし，気象をより細かく制御できるようにするとのこと。


　このほか，新たなビジュアルエフェクト，ダイナミックキャンペーン，ダメージモデリング，トラフィックコントロール，そしてAIなど，多岐にわたる項目でロードマップが発表されているので，詳しくはEagle Dynamicsの公式ニュースレターをチェックしてほしい。まだ明かせない，さまざまな予定も進行しているそうだ。

DCS World：2021 Roadmap