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PlayStation 5がついに可変リフレッシュレート「VRR」に対応。対応ゲームの映像が滑らかに
VRR対応により,とくにフレームレートの低いゲームにおいて,映像表示が見やすくなるだろう。
PS5が対応するVRRとは,ゲーム機やデジタル家電,PCで使われるインタフェース規格「HDMI」の最新版である「HDMI 2.1」で導入されたもので,「Game Mode VRR」とも呼ばれている。
VRRは,ディスプレイの表示タイミングを,PCやゲーム機におけるGPUのレンダリング(生成)タイミングに同期させる技術だ。通常のテレビやディスプレイは,映像の表示タイミングを60Hz(=60fps)で固定しているが,PCやゲーム機のGPUがゲーム映像を生成するタイミングは,必ずしも60Hz(や半分の30Hz)とは限らない。GPUの表示タイミングとディスプレイ側の表示タイミングがずれると,映像がカクついて見える「スタッター」(Stutter)や,映像が上下でずれて見える「テアリング」(Tearing)を生じることがあり,非常に見栄えの悪い映像となってしまう。
このタイミングずれに対する対策が,PCゲーム分野でよく知られるNVIDIA独自の「G-SYNC」や,AMD独自の「FreeSync」といったディスプレイ同期技術だ。GPU側がディスプレイ側の表示タイミングを主導することで,タイミングずれに起因する映像の乱れを防ぐわけである。
AMDのFreeSyncを元に,ディスプレイ規格の標準化団体であるVESAが策定した規格が「Adaptive-Sync」というもので,VRRは,これらを土台としてHDMIの標準仕様に取り込んだ規格だ。
ただ,ディスプレイ同期技術を使うには,PCやゲーム機,テレビやディスプレイが,この技術に対応しなくてはならないというハードルがある。据え置き型ゲーム機では,Xbox Series X/Sがいち早くVRRに対応していたが,今回のシステムソフトウェアアップデートで,ついにPS5も対応するというわけだ。
SIEでは,ゲーム側のVRR対応予定も明らかにしていて,本稿執筆時点で以下の15タイトルがVRR対応のアップデートを提供する予定であるという。
- ASTRO’s PLAYROOM
- コール オブ デューティ ヴァンガード
- コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー
- DEATHLOOP
- Destiny 2
- デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション
- DIRT 5
- Godfall
- Marvel’s Spider-Man Remastered
- Marvel’s Spider-Man: Miles Morales
- ラチェット&クランク パラレル・トラブル
- バイオハザード ヴィレッジ
- ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界
- レインボーシックス シージ
- Tribes of Midgard
それに加えて,VRR対応を謳っていないゲームでも,システムソフトウェア側でVRRを有効にすることも可能だ(※正常に表示できない場合は,VRRをオフにできる)。
VRR対応のテレビやディスプレイが必要になるとはいえ,とくにフレームレートが低めのゲームで滑らかな映像を実現するのに役立つ機能なので,今後テレビの購入を検討している人は,VRR対応の有無を確認して製品を選ぶのがいいだろう。
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