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PCゲーマー向けに開発されたセキュリティソフト「Webroot Secure Anywhere アンチウイルス for ゲーマー」が登場
価格は,1台/1年の最短利用期間で1980円(税込)と,低価格である点が大きな魅力だ。またCPU使用率は低めで,ゲームパフォーマンスへの影響が極力抑えられていることにも注目だ。
発表会でWebroot代表取締役の伊藤誉三氏は「安心してゲームをプレイしてもらいたい」と強く語っていた。
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ウェブルートという名前は,日本国内ではそれほどメジャーではないが,コンシューマ向けとしてこれまでに「Webroot SecureAnywhere アンチウイルス」「Webroot SecureAnywhere インターネット セキュリティ プラス」「Webroot SecureAnywhere インターネット セキュリティ コンプリート」の3製品をリリースしている。特長としては動作が軽いことで,発表されたWebroot Secure Anywhere アンチウイルス for ゲーマーの場合,必要動作環境は,
■オペレーティング システム
Microsoft Windows XP,32bitおよび 64bit SP2,SP3(2019年4月までサポート予定)
Windows Vista,32bit(すべてのエディション),Windows Vista SP1,SP2,32bit,64bit(すべてのエディション)
Windows 7,32bitおよび64bit(すべてのエディション),Windows 7 SP1,32bitおよび64bit(すべてのエディション)
Windows 8 32bitおよび64bit
Windows 8.1,32bitおよび64bit
■最小システム要件
Intel Pentium/CeleronファミリーまたはAMD K6/Athlon/Duronファミリーまたはその他の互換プロセッサ
128MB以上のRAM
10MBのハード ディスク領域
Microsoft Internet Explorer 7.0以降,Mozilla Firefox 3.6以降(32bitのみ),Google Chrome 10.0以降
インターネット アクセス
というように,ロースペックのPCで十分に動作する仕様になっている。また,Webroot Secure Anywhereシリーズはすべて,クラウドベースで動作するセキュリティソフトになっており,クライアントのファイルサイズもごく僅かだ。もちろん,エンカウント率が高いと判断されたウイルスなどはキャッシュに定義ファイルを持つことになるが,何か怪しい挙動をするファイルや,未知のウイルスを検出した場合はネットワーク経由で確認をして……といった処理を行う。
Webroot Secure Anywhere アンチウイルス for ゲーマーの位置づけとしては,Webroot SecureAnywhere アンチウイルスに相当する機能を持ち,レジストリ整理や不要なキャッシュの削除などを行う最適化ツールが付属したものになる。
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さて,発表会会場がe-sports SQUAREであることを不思議に思う人もいるだろうが,それには理由がある。同発表会に登壇したe-sports SQUAREを運営するSANKO代表取締役の鈴木文雄氏によると,ゲーマー向けセキュリティソフトを作りたいと持ちかけたのはe-sports SQUARE側なのだという。
国内で展開するセキュリティソフトメーカーをほとんど回ったものの,現在のゲームシーンをセキュリティソフトの市場として見るメーカーはなかったそうだ。ただ1社だけ,ウェブルートがゲーム市場,とくにe-sportsを意識した製品を考えていたそうで,その結果としてタッグを組むことになったのだという。実はウェブルートの米国本社では,社内のゲーマーが集められており,完全にゲーマー視点によるゲーマーのためのセキュリティソフトとして開発が進められたとのことだ。
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発表会では,ウェブルートが行ったゲーマーへのセキュリティ調査という興味深いデータも公開された。
まず,セキュリティトラブルに遭遇したことのあるゲーマーは,3人に1人の割合で,そのうちアカウントハックの被害を受けたのは10%になるという。ウェブルートによると今回のデータの母数は約530人と,やや少なく感じるが,オンラインゲームをプレイしてことがある人であれば,周囲の話や自身の体験から納得できる数字ではないだろうか。
アカウントハックの手法としては,リスト型アカウントハッキング,キーロガーなどによる盗み見,ゲーム内での接触による情報漏れと主に3つが挙げられる。
ちなみに「ゲーム内での接触による情報漏れ」とは,対企業でも用いられる手法で「標的型」と称されることが多い。普通のプレイヤーとして接触し,ターゲットと仲良くなり,身辺情報などを自然に聞き出して,パスワードのヒントを得るというものだ。とくにパスワードリマインダーは,身近にあるワードを入力することも多く,推測されやすい。
ただ現在では,2段階認証やサブメールアドレスの登録などで,この手法によるハッキングの被害は少なくなっているようだ。しかし,個人につながる情報の取り扱いは,もちろん気にしておいたほうが良いだろう。
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そのほか,セキュリティトラブルとして,システムの不安定化,個人情報漏洩,ブラウザの動作異常,データやファイルの消失などが挙げられている。システムの不安定化は,ゲームタイトル自体にインストールされているチート防止機能との干渉であることが多く,これも経験のある人は多いのではないだろうか。
また,調査結果によると回答者の90%がセキュリティソフトをインストールしているが,その3分の1はそのセキュリティソフトに満足していないという。理由は,動作が重くなる,アプリケーションの起動が遅い,メッセージがわずらわしい,誤動作が起こる,タイムラグが発生するなどだ。
実際に筆者を含めて多くのプレイヤーが,プレイ中にウイルススキャンが実行されてゲームの動作が重くなった,急にメッセージがポップアップしてフルスクリーンモードが解除され,戻ったらキャラクターが死んでいた,もしくはゲームオーバーになっていた……といった経験をして,イライラしたことがあるだろう。
そんな場合でも,ほとんどのプレイヤーは妥協して,そのセキュリティソフトをそのまま使用しているという。対策を行うというプレイヤーも,ゲーム中はセキュリティソフトをシャットダウンするというのが13%,セキュリティソフトに用意されたゲームモードを使用するというのが12%とわずかだ。そしてなかには,セキュリティソフトそのものを変更するというプレイヤーも9%いる。ウェブルートは,この9%のプレイヤーからまずは狙っていくのだという。
![]() 調査対象のうち90%がセキュリティソフトを使用しているが,その3分の1が満足していないとの結果。ちなみに「起動が遅い」については,セキュリティソフトそのものではなく,影響を受けたゲームクラアイントに対してとのこと |
![]() 多くのゲーマーは妥協して,面倒を感じながらもそのセキュリティソフトを使用し続けている |
調査結果からウェブルートは,セキュリティ性能が高く,システムの影響が少なく,設定は簡単で,価格が手ごろ,さらにプレイヤーの邪魔をしないセキュリティソフトを考えたという。
なんというか,文字にしてみると「ぼくの考えた最強のセキュリティソフト」と言われそうだが,クラウドを利用することで実際に低負荷は実現されている。それを示すように,インストールサイズとメモリ使用量の小ささ,スケジュールスキャンの短かさをPassMarkの結果でアピールしていた。
![]() 調査結果から導き出された要素。ゲームが目的ではなくても,この5項目は大切ではないだろうか |
![]() PassMarkの結果 |
以上のように,「Webroot Secure Anywhere アンチウイルス for ゲーマー」は,ゲームプレイを意識した,e-sports SQUAREが望んだ仕上がりになっていると言えるだろう。
さて会場には,実際にWebroot Secure Anywhere アンチウイルス for ゲーマーをインストールしたゲーマー向けノートPCが用意されており,「World of Tanks」や「League of Legends」がプレイできた。
筆者としては,nProtect GameGuardなどの不正対策プログラムとの相性が気になったのだが,確認したところ「ラグナロクオンライン」や「リネージュII」などは検証済みとのことで,検証済みゲームタイトルは一覧を準備中だそうだ。なお,Windows Defenderとの共存も確認しているとのことだ。
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ゲームプレイ時は負荷らしい負荷はなく,セキュリティソフトの存在を気にすることなく遊べた。タスクマネージャーを見ていた限りでは,とくに大きな動作も見られず,ときおりCPUを使用していても1%以下といったレベルだ。デモ機のスペックからすると,負荷が大きくなるシーンもありそうだが,それもわずかではないだろうか。直近の構成であれば,まず気になることはないと思われる。
![]() スキャンをかけてみたところ,CPU負荷は16%前後。5分ほどでスキャンは終了した。デモ機でファイル構成が新規に近い状態だとしても速い結果だ |
![]() クライアントサイズは748KBと,逆に不安になるほどのコンパクトさ |
![]() 設定自体はとても簡単。メイン画面でオンオフするだけで良いとのこと |
![]() 詳細な設定画面も用意されているが,ほかの製品と比べるとこれでもシンプルだ |
気になるのはネットワークへの負荷だ。クラウドベースで動作するため通信はどうしても生じてしまうが,上でも書いたように,そのときに流行しているウイルス情報はファイルでキャッシュされている。そのため,触った範囲ではそれほど大きな通信は行われず,スキャン時の通信状況もごくわずかなものだった。もちろんどれだけPCを使い込んでいるかによって,違った結果が生じるかもしれないが,オンラインゲームの生命線とも言えるネットワークへの影響がわずかというのは有りがたい。
またウェブサイトのアクセス時のリアルタイム検索も軽量だった。たとえば,4Gamerを開いた場合,セキュリティソフトによっては,ページが開くまで露骨に時間がかかることもあるのだが,今回はタイムラグらしいタイムラグを感じることはなかった。
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Webroot Secure Anywhere アンチウイルス for ゲーマーの発売は2014年9月26日だが,先行してe-sports SQUARE Online Shopでの販売がスタートしている。また9月18日から開催される東京ゲームショウ2014にも出展(7ホール,DA-1)予定で,イベント当日にはデモ機の設置と体験版の配布も行うとのことだ。いきなり購入するのには腰が引けるというのであれば,会場に立ち寄って体験版を入手し,Webroot Secure Anywhere アンチウイルス for ゲーマーが自分のプレイ環境にマッチしているのか確認してほしい。
「e-sports SQUARE Online Shop」
ウェブルート公式サイト
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