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中国で「著作権法」及び「未成年者保護法」の改正法案が発効。同時に実名認証システムを義務化
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印刷2021/06/14 12:00

業界動向

中国で「著作権法」及び「未成年者保護法」の改正法案が発効。同時に実名認証システムを義務化

オンラインゲームへの導入が義務化された「オンラインゲーム依存防止実名認証システム」。企業ライセンス,ゲーム版号などを登録し,インタフェースを用意したうえ,システムに接続する。
画像集#001のサムネイル/中国で「著作権法」及び「未成年者保護法」の改正法案が発効。同時に実名認証システムを義務化
 2021年6月1日,中国の「著作権法」及び「未成年者保護法」の改正法案が発効された。
 この改正法案の内容ももちろん重要だが,法律発効とともに,中共中央宣伝部※1による実名認証システム「オンラインゲーム依存防止実名認証システム(网络游戏防沉迷实名认证系统)」が正式に投入されたことも,ゲーム業界にとっては大きなトピックだ。
 今まで強制ではなかった認証システムが今回から義務化され,今後このシステムを導入していないゲームは無条件でストアから降ろされるという罰則が生じる。中国ゲーム業界はついに,実行強制力のある統制管理のステージに移行したのだ。

「オンラインゲーム依存防止実名認証システム」接続ユーザーガイド(Wechat)※2


※1
中共中央宣伝部:中国共産党のイデオロギー・宣伝部門を統括する党中央直属機関。新聞,出版,教育,テレビ,ラジオなど広範な部門を指導,監督。ゲームの管轄部門「文化部」にも指導監督職権を持つ。


※2
当局のサイトは中国向けの閲覧制限がかけられているため,Wechatプラットフォーム上の「デベロッパーへの案内」で確認できる。



著作権法


 今までの著作権法下では,ゲームというコンテンツが明確に所属するジャンルがなく,(旧著作権法下での)権利者は,ゲームの持つそれぞれの要素(テキストやグラフィックス,音楽など)を独立した“作品”と主張し,それぞれが関わるコンテンツの範囲で相応な権利保護を求めていた。また,ゲームにおけるアニメーションが「映画作品である」と主張して著作権侵害を訴える,などもその一例だ。

 今回の改正で,元々の著作権法にあった「映画作品及び映画撮影と近似している手法で創作した作品」という文言は「視聴覚的著作物」に書き換えられ,「作品特徴を満たす他の知的成果物」の説明が追加された。

 これまで中国では,ゲーム配信における“権利”についての訴訟が繰り返されてきた。プレイヤー個人によるゲームプレイを,創作行為として認めるべきか否かが社会的に議論されていたのだ。
 改正著作権法の発効直前に,中国人民大学未来法治研究院が行った「オンラインゲームの財産権保護」セミナー※3でも,ゲームプレイそのものはスポーツ選手の競技に近いと述べられた。過去の近しい事例に照らし合わせれば,各スポーツ競技の試合といったライブ動画には法律上の権利保護がかけられているが,保護対象は収録した動画そのものと収録チームの創作成果であり,競技をしたアスリートに対する著作権は認められていないのだ。

※3
法律界の専門家,学者,裁判官などが参加した法律解釈セミナー。中国ゲームメディアGameLookにより報じられた


 今回の新しい著作権法により,ストリーミング(配信物)の権利が各ゲームの著作権所有者に帰属することが明確になった。許諾なしでのオンライン配信は権利の侵害に当たり,これまで訴訟となってきていた事例には明確な法の判断が下せることになる。
 これはたしかにゲーム創作の奨励にもつながるはずだが,半面,独自の法律を作る形ではなくゲームを視聴覚的著作物という枠組みにはめる対策を取ったことで,長期的に見るとコンテンツの実態と法律が合致しなくなる可能性を内包した対策となった。

中華人民共和国著作権法(中国語)



画像集#002のサムネイル/中国で「著作権法」及び「未成年者保護法」の改正法案が発効。同時に実名認証システムを義務化

未成年者保護法


 一方,改正された最新の「未成年者保護法」では,「インターネット保護」(网络保护)の章が新設された。未成年(中国では18歳未満)がインターネットを使うにあたっての責任と義務を,国や社会,学校,家庭のそれぞれに対して明確にしたものだ。

未成年者保護法 第七十一条
未成年者の両親及びその他の保護者はインターネットに関する知識を上げるべく,自分自身もインターネット使用マナーに従い,未成年者のインターネット使用に対して教育および監督を強化しなくてはならない

未成年者の両親及びその他の保護者は,未成年者がインターネットに依存することを効果的に防止するために,インテリジェント端末に未成年者用のオンライン保護ソフトウェアをインストールし,未成年者に適したサービスモードおよび管理機能を選択する。未成年者がインターネットを使用する時間を合理的に設定することによって,未成年者が有害な,または身体的および精神的な健康に影響を与える可能性のあるオンライン情報にさらされることを回避するよう努める。

未成年者保護法 第七十二条
情報処理者は,インターネットを通じて未成年者の個人情報を取り扱う場合,適法性,正当性及び必要性の原則に従わなければならない。14歳未満の未成年者の個人情報を取り扱う場合には,法律や行政規則に別段の定めがある場合を除き,未成年者の両親またはその他の保護者の同意を得るものとする。

情報処理者は,未成年者や両親などの保護者から未成年者の個人情報の訂正や削除を求められた場合,法律や行政法規に別段の定めがある場合を除き、適時に訂正や削除の措置をとるものとする。

未成年者保護法 第七十三条
ネットワークサービス提供者は,未成年者がネットワークを通じて個人情報を投稿したことを発見した場合,速やかに必要な保護措置を講じなければならない。

 以上のような家庭による未成年者のインターネット使用に対する保護責任のほか,サービス提供者に関する責任規定も同時に定められた。
 そこには,すべてのオンラインゲームは国が設立した「未成年者オンラインゲームデジタル身分認証システム」(未成年人网络游戏电子身份认证系统)を使う義務があり,オンラインゲームの運営者は未成年に対して,有効な身分情報で登録させる義務があることが明文化されている。

未成年者保護法 第七十四条
インターネット商品及びサービス提供者は、未成年に対して依存状態になりうるソフトウェアやサービスを提供または誘導することを禁じる。

オンラインゲームやストリーミング,音楽動画,SNSなどのオンラインサービス提供者は,未成年に対するサービス提供においては,相応な時間や権限,消費金額についての管理の機能を設置する。未成年者をサービス提供対象にするオンライン教育ソフトウェアやその他のサービスは,オンラインゲームへと誘導する遷移を禁じる。また,広告など教育と関連しない情報を提供することも禁じる。

未成年者保護法 第七十五条
オンラインゲームは審査のうえで運営できる。国が一律な未成年オンラインゲームデジタル身分認証システムを設立する。オンラインゲームサービス提供者へは,未成年に対して有効な身分情報で登録させる義務を課する。

オンラインゲームサービス提供者は,国家の規定及び基準に基づき,ゲームソフトウェアの分類を行い,適齢提示を公表する。同時に技術制限をかけ,未成年者が不適切なゲームまたはゲーム機能に接しないように努める。

オンラインサービス提供者は,毎日22時〜翌日8時までの間,未成年者にオンラインゲームサービスを提供してはならない。
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 秋頃から日本でも話題にのぼり始めた,中国政府による「ゲーム適齢提示」だが,シンプルな年齢制限というわけでもなく,意外に複雑で全体像がつかみづらい。この基準策定の中心となった,人民網から入手した資料を翻訳して掲載しよう。

[2019/12/28 00:15]

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 中国政府は2019年10月25日,「关于防止未成年人沉迷网络游戏的通知」という,未成年者に対するオンラインゲームサービスの提供指針を発表した。これにはログイン時間帯およびプレイ時間の制限,課金サービスの上限規定,アカウントの実名化などが含まれる。

[2019/11/06 21:16]

 そのほか,ライブストリーミングの配信アカウントの年齢制限や,ネット上の誹謗中傷などに対する記述の追加があったので,そちらも示しておこう。

未成年者保護法 第七十六条
ライブ配信事業者は,十六歳未満の未成年者に対し,ライブ配信アカウント登録サービスを提供してはならない。十六歳以上の未成年者に対し、ライブ配信アカウント登録サービスを提供する場合は、本人の身元情報を認証し、両親またはその他の保護者の同意を得なければならない。

未成年者保護法 第七十七条
いかなる組織または個人も、インターネットを通じて、文章、写真、音声、動画の形で、未成年者を侮辱し、名誉を傷つけ、脅迫し、または悪意をもってイメージを損なうようなネット上でのいじめ行為を行ってはならない。

ネット上でのいじめ行為を受けた未成年者,両親及びその他保護者は、ネットワークサービス提供者に対して、削除、ブロック、リンクの切断などの措置を講じるよう通知する権利を有する。 通知を受けたネットワークサービス提供者は、速やかにこれらの行為の中止と情報の拡散防止のために必要な措置を講じるものとする。

 中国においても,未成年者が親の銀行情報や身分情報を使って多額の課金をするニュースはたびたび見られるが,これまで多くの場合,メーカー側が一方的に責任を負わされる形で,返金処理がなされていた。
 今回の改正で,それぞれの家庭による適切な管理が義務化され,国とサービス提供者,そして保護者の三者が協力しながら未成年者を保護するインターネット環境を作りあげるという指針が提示されたことになるが,文頭で述べたようにこういった法改正(たとえば未成年者保護法 第七十五条)に関連する「オンラインゲーム依存防止実名認証システム」の導入義務化は,今後のゲーム業界に大きな影響を及ぼすことになるだろう。

中華人民共和国未成年者保護法(中国語)

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