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Blizzard EntertainmentのCEO,J・アレン・ブラック氏が退社。今後はジェン・オニール氏とマイク・イバラ氏の共同体制に
New Leadership at Blizzard
ブラック氏は,Electronic ArtsやSony Online EntertainmentなどでMMORPG担当プロデューサーとして活躍した経歴を持つ人物。3月1日に掲載した連載記事で紹介したように,2005年10月にBlizzard Entertainmentに移籍し,拡張パック第1弾「The Burning Crusade」以降の「World of Warcraft」の仕事で頭角を現し,2018年10月にBlizzard Entertainmentの第2代CEOに就任している。
しかし,独自イベント「BlizzCon 2019」では香港の民主化運動をめぐる措置で謝罪を行うなど(関連記事),就任当初から順風満帆とはいかず,新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって,ブラック氏はファンの前に姿をほとんど見せないという状況が続いていた。
さらに,8月2日に掲載した連載記事で詳しくお伝えしたように,北米時間の7月22日,カリフォルニア州政府がセクシャルハラスメント疑惑や労働環境の改善についてActivision Blizzardを告訴するという出来事が起き,ブラック氏が在籍していた「World of Warcraft」 開発チームの「大学サークル(フラタニティ)的」な実態が告訴状で明らかになった。
女性従業員に対するハラスメントの常態化は,これまで同社を支持してきたファンやメディアからもバッシングを受ける事態に発展しており,Activision Blizzardの株主が集団訴訟を起こす準備を進めていることなども報道されている。
今回のブラック氏の退社は,そうした問題の責任をとったものと見られているが,北米メディアのBloombergが人事部門トップのジェシー・メスチャック(Jesse Meschuk)氏の辞職を伝えるなど(リンク),Blizzard Entertainmentの混乱は続いているようだ。
ブラック氏の退社後は,2021年1月に開発部門副社長に就任したジェン・オニール(Jen O’Neal)氏と,2019年にXbox Game Studiosから移籍したプラットフォーム&テクノロジー部門のエグゼクティブ副社長マイク・イバラ(Mike Ybarra)氏が共同で運営を担当するという。今年でちょうど30周年を迎えた歴史の長いゲームメーカーであり,多くのファンに愛されてきたBlizzard Entertainmentだけに,2人の舵取りが注目されている。
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