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演劇と謎解きが融合した舞台「アウフヘーベンの牢獄」。主演の北川尚弥さんと原作のイシイジロウ氏に開演に向けての意気込みを聞いた
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印刷2021/12/02 12:00

インタビュー

演劇と謎解きが融合した舞台「アウフヘーベンの牢獄」。主演の北川尚弥さんと原作のイシイジロウ氏に開演に向けての意気込みを聞いた

画像集#005のサムネイル/演劇と謎解きが融合した舞台「アウフヘーベンの牢獄」。主演の北川尚弥さんと原作のイシイジロウ氏に開演に向けての意気込みを聞いた
 “演劇×ゲーム×謎解き”をテーマに,観客と演者がコミュニケーションを取りつつ展開する舞台「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」の公演が2021年12月4日と12月11日に行われる。

 本作の主人公は,記憶を失い,暗い一室に囚われた“彼”。観客はZoomとLINEを使って“彼”とリアルタイムでコミュニケーションを取り,謎を解いていく。演劇と謎解きゲームが一体となったユニークな演劇形式である,このイマーシブシアター(体験型演劇)で主演するのは,「テニスの王子様」「スタミュ」「刀剣乱舞」といった2.5次元ミュージカルなどで知られる俳優の北川尚弥さんだ。
 そして,原作・総合監修として「428 〜封鎖された渋谷で〜」「極限脱出 9時間9人9の扉」といったアドベンチャーゲームや「龍よ、狼と踊れ Dragon,Dance with Wolves」「SCRAP インサイドシアター第1弾 SECRET CASINO」などの舞台や謎解きを手がける,イシイジロウ氏が参加している。今回,この両氏に舞台への意気込みを聞いてみた。


観客と演者が織りなす舞台は「蓋を開けてみないと分からない」


4Gamer:
 本日は,よろしくお願いします。まずは北川さんとイシイさんが初めて顔合わせしたときの印象を教えてください。

北川尚弥さん(以下,北川さん):
 イシイさんとは今日,この瞬間が初対面です! イシイさんのことは写真でしか拝見したことがなく,「威厳がある,怖いかたなのかな……」と勝手に思っていたんです。でも,実際に会ってみるとフランクで話しやすくて,初対面から5分くらいしか経ってないんですけど,優しいかたという印象です。

北川尚弥さん(左)とイシイジロウ氏
画像集#001のサムネイル/演劇と謎解きが融合した舞台「アウフヘーベンの牢獄」。主演の北川尚弥さんと原作のイシイジロウ氏に開演に向けての意気込みを聞いた

イシイジロウ氏(以下,イシイ氏):
 ご縁をいただいて本当に嬉しいです。2.5次元の舞台で人気のかたですから,並んで写真を撮るのが恥ずかしいですね。北川さんが美少年過ぎて。

北川さん:
 なんでですか,いいじゃないですか!(笑)

イシイ氏:
 美しいという点では,美少女と美少年って同じところにいると思ってますから(笑)。今回の「アウフヘーベンの牢獄」は,インタラクティブ性もあって一筋縄ではいかない作品なので,出演していただけることが一番の感謝ですよ。

北川さん:
 僕からすると,声を掛けていただいたことが嬉しいですね。

4Gamer:
 北川さんが「アウフヘーベンの牢獄」の企画について聞いたとき,どのような感想だったのでしょうか。

北川さん:
 ゲームとかはあまりやらないので,プロットを読ませていただいたときには理解できなかったんです。そしたらマネージャーがLINEで丁寧に説明してくれて。おかげで「なんとなく分かりました! 出たいです!」って言えるところまでは理解できました(笑)。(舞台が)どうなるか,完成像がまだ見えていないのですが,そこはこれから作っていければいいかなと思っています。

画像集#003のサムネイル/演劇と謎解きが融合した舞台「アウフヘーベンの牢獄」。主演の北川尚弥さんと原作のイシイジロウ氏に開演に向けての意気込みを聞いた

4Gamer:
 観客とコミュニケーションを取りつつ進めるという特殊な演劇だけに,さすがに戸惑いもあったのではないでしょうか。

北川さん:
 お客さんとコミュニケーションを取るわけですから,こちらがうまくお客さんを導くことができれば楽になるんじゃないかなって(笑)。

4Gamer:
 なるほど。観客を演技でどのように誘導していくのかも面白そうです。

イシイ氏:
 そうですね。お客さんと作り上げていく舞台なので,そこは面白いところですが,難しいところでもありますね。

4Gamer:
 では,北川さんの起用を決めたのは,どのような経緯があったのでしょう?

イシイ氏:
 僕がこれまでに参加してきたデジタルゲームや謎解きというのは,演劇と近いようで遠いところにあります。舞台を作るといっても,役者さんと直接お仕事をする機会も少なくて。そこでキャスティングを松竹さんにお願いし,この企画に合うかたを推薦していただけたのが,北川さんなんです。

北川さん:
 それ,今初めて聞きました。頑張らないといけないですね(笑)。

4Gamer:
 推薦を受けて今回の抜擢となったわけですが,北川さんご自身はどういった部分がそれにつながったと思いますか?

北川さん:
 そこは正直分からないです(笑)。自分でも分からないところに何か光るものがあったんじゃないかと。新たな試みでもあるので,お客様に楽しんでいただけるよう,期待に応えられるものをお届けできればと思います。

イシイ氏:
 北川さんが言うように,完成像は蓋を開けてみないと分からないところもあります。ゲームはちゃんと開発してもバグることがあるし,舞台だとお客さんが理解できないまま先に進んでしまったりすることがある。だから一度走らせて,一緒に作っていかなければいけない。その中で北川さんは一緒に作っていただけるタイプだと,どこかで感じたのかもしれません。


参加者が「発言しないといけないという決まりはありません」


4Gamer:
 企画の成り立ちについて教えてください。

イシイ氏:
 松竹さんはイマーシブシアターを作り始めていて,インタラクティブな仕掛けや演出ができる者を探しているということでお声がけいただいたんです。

4Gamer:
 松竹は,観客の反応で結末が変わる「イマーシブシアター『サクラヒメ』〜『桜姫東文章』より〜」を公演するなど,イマーシブシアターに注力していますよね。

イシイ氏:
 大規模なイマーシブシアターを松竹さんが展開し,インタラクティブ性のある新しいものが演劇サイドから生まれています。また,リアル謎解き側からも,オンライン公演など,新しい挑戦が続けられています。
 とはいえ,演劇と謎解きがうまく組み合わさらないと,演劇の良さが謎解きの中で活きないし,謎解きの良さが演劇の中で活きないんじゃないかと考えていました。
 松竹さんとお話しした際に「演劇の力をもっと借りないと,このジャンルは爆発しないんじゃないか」と僕の意見をぶつけたら共感していただき,今回の企画に至ったわけです。

画像集#004のサムネイル/演劇と謎解きが融合した舞台「アウフヘーベンの牢獄」。主演の北川尚弥さんと原作のイシイジロウ氏に開演に向けての意気込みを聞いた

4Gamer:
 イシイさんが考える,演劇と謎解きの違いはどういうものでしょう?

イシイ氏:
 謎解きの場合はお客さん側が100%主役で,キャラクターなどはフレーバーに留まります。言ってみれば,お客さんを主役にするための仕組みが謎解きなわけです。キャラクターが主体的に動くとお客さんにストレスを与えてしますから,舞台に没入してもらうためにお客さんの意識を引っ張る必要もありません。
 一方,演劇は舞台側が主役であり,主役をお客さんに見せて感情移入してもらう仕組みです。それぞれの性質が正反対なので,理解しないで中途半端に混ぜるとダメになってしまう。謎解きと舞台を行き来するには,どちらもクオリティが高くないといけないんです。

4Gamer:
 では,今回の舞台で,どのように双方のクオリティを高めたのでしょうか。

イシイ氏:
 クオリティを高めるうえでは,私が大好きな「朗読劇 私の頭の中の消しゴム」を手がけている,岡本貴也さんに脚本・演出で参加していただけたことが大きいですね。さらに,よだかのレコードの横森 創さんがゲーム制作を担当してくださっています。
 そして,本業の役者さんである北川さんを,演劇畑とゲーム畑の才能の中間に置く。ほかの取り組みではどちらかに偏っていることが多いような感があるので,中間に置くことが大事なんです。謎解きで重視する「お客さんの感情軸」,そして演劇で重視する「役者さんの感情軸」。その両方が最適化されていないと……ということですね。

4Gamer:
 両者の盛り上がりを一致させるということでしょうか?

イシイ氏:
 謎解き側と舞台側の両方で同時に何かが起こるということはないですから,盛り上がりを一致させるというよりはキャッチボールのように行き来させるということです。
 今はお客さんが主演の時間。次は北川さんが主演の時間というように,お互いが納得した状態でいかにキャッチボールをしてもらうかですね。北川さんが主演の時間が,ゲームでいうところの“カットシーン”ですが,他人事として眺めるだけの時間になってはいけない。そうならないように,演出班といろいろ対話しています。

4Gamer:
 お話を聞いていて,舞台装置を動かす演者とプレイヤーである観客の関係がアドベンチャーゲームに近しいようにも感じます。イシイさんから見て,デジタルゲームのノウハウは今回の舞台で応用できるのでしょうか。

イシイ氏:
 思ったより使えるという感触ですね。ただ,デジタルゲームだとすべてをプログラムしないといけないですが,演劇では人間の役者さんがやってくれるのでお任せできるところもありますね。その意味で,今回の僕は演劇と謎解きゲームの間に立っているのかもしれないです。

4Gamer:
 なるほど。ゲーム制作における演者は原作者の創作物ですが,この舞台では当然ですが演者自身の意志がある程度入るでしょうし,イシイさんが観客と演者の間に立つというのはうなずけます。
 ところで,これから公演を見ようという人の中には,謎解き系のイベントに参加したことがない人もいると思います。どういった心構えで公演の日に望めばいいでしょう。

イシイ氏:
 謎解きファンはもちろん,北川さんファンにも楽しめるように作っています。理想としては,まったく謎解きをしなくても面白いものが作れればいいなとは思っています。ZoomやLINEでコミュニケーションを取りつつ進行する舞台ですが,絶対に発言しないといけないという決まりもありません。ですので,視聴に集中する“透明人間”スタイルでも大丈夫です。
 みんながいる中で発言するのはハードルが高そうですが,感想をひと言いってくださるだけ,拍手の「8888」や相づちを発言してくださるだけでも,もうそれはインタラクティブです。
 理想としては,お客さんと北川さんのコミュニケーション,お客さんと謎解きのコミュニケーション,そしてお客さん同士のコミュニケーションが螺旋のように絡み合う作品になることですね。

4Gamer:
 では,公演を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。

イシイ氏:
 北川さんに参加していただけて本当に光栄です。今回の公演は北川さんと同時にお客さんも主演です。これまでの舞台ですと北川さんのファンでも見るだけだったんですが,ともに作品を作り上げる共犯関係という,演劇の新しい形を作れればと思います。新しいもの好きのかたは一番に体験してほしいです。

北川さん:
 このような素敵な作品に携わることができて幸せです。お客さんと作品を作り上げるということはなかなかないので,僕とお客さんとで協力していければいいなと思います。僕自身の新たな一面をお届けできそうな感触があるので,ぜひ楽しみにしていてください。

4Gamer:
 ありがとうございました。

画像集#002のサムネイル/演劇と謎解きが融合した舞台「アウフヘーベンの牢獄」。主演の北川尚弥さんと原作のイシイジロウ氏に開演に向けての意気込みを聞いた

 「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」は2021年12月4日と12月11日にオンラインで公演予定。チケットも発売されているので,興味のある人はチェックをお忘れなく。

「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」公式サイト

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