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eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート
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印刷2022/01/31 19:22

イベント

eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 2022年1月28日〜30日にかけて「東京eスポーツフェスタ2022」が開催された。さまざまなeスポーツに関するコンテンツが配信されたが,ビジネス・学習チャンネルでは,eスポーツに携わるプロフェッショナルによる討論会「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」が行われた(収録は1月22日)。
 eスポーツの競技大会の運営やそれに出場する選手,実況者,メディアなどから6名が参加。各々がeスポーツ界でどんな仕事をしているのか,そしてどうすればその仕事に就けるのか,eスポーツ業界を目指している人に向けて語った。本稿ではその模様をレポートする。

画像集#001のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 シンポジウムの参加者は6名。プロeスポーツプレイヤーメルトン氏,eスポーツキャスター水上 侑氏,競技大会運営プロデューサー大津勇人氏,日本テレビ「eGG」プロデューサー小林大祐氏,デジタルライター岡安 学氏,そしてeスポーツイベントプロデューサー久嶋一嘉氏が進行役として登壇した。

メルトン氏。プロチームQuintette Agitato所属。「レインボーシックス シージ」の動画配信では1〜2を争う人気プロゲーマー兼YouTuber
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水上 侑氏。実況タイトル数は28以上という,様々なゲームタイトルの実況をつとめるeスポーツキャスター
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大津勇人氏。ウェルプレイド・ライゼストBD事業部長。運営,技術,制作など幅広い経験のもと,eスポーツイベントや大会にプロデューサーとして携わる
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小林大祐氏。日本テレビのeスポーツ専門子会社アックスエンターテインメント代表取締役社長。日本テレビのeスポーツ番組「eGG」のプロデューサー兼eスポーツチーム「AXIZ」代表
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岡安 学氏。フリーライター。ゲーム情報誌編集部での勤務を経て,フリーランスに。eスポーツ関連の取材を精力的に行い,関連する書籍も執筆している
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久嶋一嘉氏。ADKクリエイティブ・ワンアクティベーション本部プロデューサー。大手イベント製作プロダクションを経て,幅広い分野でイベントをプロデュースし,現在はデジタルカードゲームのメーカー主催大会を手がける
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 現在のeスポーツ大会は,主催団体によって目的は多種多様だ。ゲームメーカーが主催なら,メーカーが発売するタイトルの競技人口を増やし,ファンを増やすことでゲームの売上拡大につなげていくのが主な目的になる。それ以外の団体が主催する場合は,ゲームメーカーの協力を経て,地域・コミュニティの活性,福祉・教育・自社商品販売など,さまざまな目的のもとに開催されている。

eスポーツ大会はこのような目的や理念のもとに開催・運営される
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 主催団体は企画競合や入札などによって運営団体を決定し,両者が協力してイベントを作り上げていく。メディアの力を借りて情報拡散をすることで開催目的により近づくことができ,複数の主催団体がイベントを成功させることで市場全体が活性化し,その後のイベントがさらに盛り上がるという流れだ。

画像集#010のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート
今回登壇した各氏の業務は主にこのような内容となる
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eスポーツを取り巻く市場の様子
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 そんなeスポーツの仕事に携わる登壇者によるパネルディスカッションは,トークのテーマを掲げ,それに対して登壇者が返答する形で進行した。最初のテーマは「各職業での競技大会への関わり方」だ。

画像集#014のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 eスポーツイベントの主役となるプロゲーマーのメルトン氏は,大会に出場するモチベーションの維持について語り,その原動力は「ファンの声援」だと述べる。プロゲーマーはファンからの声援を浴びるスター的な存在だが,実際には勝つか負けるかの勝負の中で,規則正しい生活のもとに練習と反省会を繰り返す地味な活動が主になるという。そこに苦しむこともあるが,モチベーションを上げるために,ストリーマーとして定期的に動画を配信して地道にファンを獲得し,「応援してくれるファンのために戦う」ことを原動力としているそうだ。
 プロゲーマーはセカンドキャリアのために配信を行うというのが定説となっているが,メルトン氏はそれだけではなく,ファンの応援を自身の力とし副収入にもつなげられ,心を豊かにするために配信をするべきだと強調した。

 続いてeスポーツキャスターの水上氏は,大会実況に挑むための心がけを語った。プロとして実況をするためには,とにもかくにも「ゲームをやること」であり,プレイヤー目線での経験を得るためにゲーム内の詳細な情報を把握し,自分なりのゲームの魅力を見つけることを怠らないようにしている。
 それを大前提とし,実況では「ゲーム外の情報」をどれだけ伝えるかを重要視していて,それはただ一つ「プレイヤーの情報」だと述べる。近年のゲームは演出や音楽も完成度が高く,視聴者はゲームに対する情報をあまり持っていなくても楽しめるが,それに挑むプレイヤーがゲームに対してどんな思いを持って活躍をしてきたかは,本人がしゃべらなければ伝わることがない。そのために水上氏は,選手が参加した過去大会のトーナメント表をさかのぼり,実況する選手達に対戦経験があって,どちらが勝ったかという情報を付け加えることで情報の解像度が上がり,選手を知らない人でも感情移入をしやすくしているという。
 水上氏はゲームの面白さだけでなく,選手のことも大会を通して好きになってもらいたいという思いを込めて,出場選手の情報はできる限り集め,正しく伝えることを心がけている。

画像集#020のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 大津氏は大会運営のプロデューサーがどんな仕事をしているのかという話題を挙げたが,その仕事は多岐にわたり,全てを説明するのは難しい。プロディーサーは0を1にする仕事であり,予算などお金の責任を持つ役割で,1を100にする仕事のディレクターや現場と,クライアント,イベント主催者の声を反映させるハブ役として,状況の整理や企画の立案を行っているという。
 仕事をするうえでとくに大切にしているのは「当たり前を当たり前に作る」という点。選手が実力を発揮するためのルールの設計や,選手のプロフィールや大会の歴史など,事前の情報をまとめた資料の製作など,「当たり前」の質をどれだけ高められるかを常に考えて業務を行っているとのことだ。

 メディアの立場である小林氏と岡安氏は,競技大会だけでなくeスポーツ業界全体に対する関わり方について語った。
 小林氏がTVで大会やイベントを紹介するときに大事にしていることは,番組を見る人は熱心なファンだけではないため,事情をあまり知らない人にも感動を届けるということ。選手やチームがどういった練習をして,どういった思いを持って大会に挑んでいるのかを,ロケやインタビューなどを交え,全ての視聴者が同じ気持ちになって見てもらうことを心がけて番組を作っているという。
 小林氏自身もeスポーツが好きでこの仕事をやっているので,番組を作って見てもらうだけでなく,その主役であるチームや選手を育てたいと思い,eスポーツチームAXIZを作ったそうだ。

 同じメディアでも,Webメディアで執筆をする岡安氏は,記事作成にあたり読者層のことをまず考え,eスポーツの全貌をあまりわかっていない人,あるいは誤解がある人などに向けて,啓蒙的な活動をしているそうだ。
 その一方で,大会のレポートなどは,コアな人でも納得できるような記事にするとのこと。結果を伝えるだけでは配信を見るのと変わらないので,他の登壇者と同様,選手のバックボーンや結果に至るまでの内容を取材し,ときには試合には関係のない話まで深掘りして伝えることが重要だと述べている。
 eスポーツは今やライブエンターテインメントとしてショービズの世界の中に入っているので,それを見るお客さん達がどう楽しんでいけるかを意識しているという。

 続いてのテーマは「それぞれの職業を目指したきっかけ」。eスポーツに関わる自信の職業に就いたきっかけを聞いた。

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 メルトン氏は,子供の頃からゲームが好きだったというが,そのときからプロゲーマーになりたいと思ったわけではなかったと話す。とはいえ,ゲームに携わる仕事に就きたいという考えは昔からあって,大学時代の在学中にゲームの専門学校にも通っていたそうだ。
 就活ではインターンシップも体験しつつ,ある会社からは内々定をもらうなどしたが,その過程で自身はゲームを開発することにあまり手応えが感じられず,本当に今のままでいいのか悩んでいたという。そんな生活の中で,YouTubeにプレイ動画をアップしたり,ゲームの大会に出たりしていたところ,ある日プロチームからスカウトの声がかかったというのだ。ゲームを作るのではなく,遊ぶことで結果を出せたことに改めて手応えを感じたメルトン氏は,決まっていた内定を蹴って現在のプロゲーマーを選んだそうだ。
 そんな自身の体験を踏まえ,将来eスポーツに関係する職業に就きたいのであれば,できる限りいろんなことを体験してみて,自分ができること,やれることを探していくのがいいのではないかと語っている。

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 水上氏は趣味の範囲でゲームセンターやユーザーが主催する大会で実況をやっていたが,メルトン氏と同様,最初からキャスターになろうという気持ちは特別持っていなかったそうだ。
 あるとき,たまたま自分が実況経験のあるタイトルの世界大会の実況を仕事でやってみないか,と声がかかったのだとか。そこで初めてキャスターを仕事とすることを意識し,そのときに実況席から見た光景が本当に素晴らしく,その様子をまた見てみたいという気持ちがわき上がってきたという。そこにウェルプレイド・ライゼストがeスポーツ選手や実況タレントを募集しているのを見つけ,迷いつつも「この機会を逃したら,今後実況で食べていくのは難しいかもしれない」と考え,大会を実況した帰りに応募し,現在のキャスターの職となった。
 キャスターになったものの,実績が少なかった水上氏は,自分が実況ができる人間だということを知ってもらうために,とにかく大小あらゆるゲームのオフラインイベントに足を運び,積極的に自分を売り込んだことでそれが口コミでが広がり,実況の仕事を得られるようになった。今では30タイトル前後の実況ができるようになり,ようやく職業キャスターとして胸を張れるようになったという。

 同じイベントプロデュース業に就く久嶋氏と大津氏では,そこに至るまでの道のりは少し違っている。久嶋氏は高校時代に文化祭の実行委員会をやった経験があり,イベントを作ることの面白さを感じたという。普段からアニメやゲームが好きだということを周りの人に言っていたところ,たまたまゲーム関連のイベント案件に関わることができたことをきっかけに,現在の職につなげることができたそうだ。
 一方大津氏は,ゲームに時間を注いでいた学生時代にeスポーツのことを知り,自分が楽しんでいたゲームで競うことに衝撃を受けた。その体験を与える側になりたいと上京し,秋葉原のeスポーツ施設のテクニカルスタッフとして働いたことが業界に入るきっかけだった。
 その後自分が理想とするeスポーツ大会を実現してみたいという気持ちが強くなり,テクニカル業務から製作業務へと転身し,その中で気づいた「eスポーツは何かの課題を解決するツールとしても使える」ということを世に伝えるための企画提案を重ねていくにつれ,プロデューサーとしての業務が主になっていった。自分の好きなものを構成したい,世に知ってもらいたいという熱量が,今の職につながったとも述べている。

画像集#021のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 小林氏はテレビマンとなる前は,雑誌社やゲームメーカーに勤めていたことがあり,新規事業の立ち上げ業務を主に行ってきたという。そのため常にお金を稼ぐことを考える必要があったが,自分が楽しめるものや,便利だと思えるものを作りたいという発想で,雑誌社では無料で読めるフリーペーパーの企画を作り,ゲーム会社では発展途上のモバイルゲームを世界に広げる仕事などをしていたそうだ。
 日本テレビに在籍してからも同様に新規事業を企画していたところ,eスポーツに関するアイデアが多数挙げられ,そこで初めてeスポーツに興味を持つこととなった。eスポーツ事情をあまり知らなかった小林氏は,知人のつてで「リーグ・オブ・レジェンド」の大会の決勝を観戦し,その盛り上がりや面白さにカルチャーショックを受け,その当日にゲームを実際に遊んだところ,数か月ハマってしまったそうだ。
 ゲームの面白さがわかってくると,そのゲームで活躍する選手やチームが格好良く見えてきて,彼らを同じグループの読売ジャイアンツのような「プロとして応援される存在」として,時間をかけて育てることができるのではないかと考えたのだという。番組製作や大会運営の過程でチームや選手をより応援される存在へと育て,いずれeスポーツのスタジアムを建てることを目標に,プロジェクトを進行中だ。

画像集#019のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 岡安氏はゲーム情報誌での業務をするかたわら,ゲームセンターなどで行われるゲーム大会の出場や運営の経験があり,eスポーツの発展期を体験している。ゲーム情報誌の編集部対抗戦なども行われていたこともあり,そこへの参加や取材を行ううちに,ゲーム大会が好きになったという。その後,ゲーム大会のカルチャーは一旦廃れるが,2016年頃にはeスポーツとして再び大会が行われるようになり,注目が集まったことで,現在の仕事が増えていった。
 ゲームにかかわるライターは通常,他のゲーム関連の取材と並行してeスポーツの取材をすることが多いが,岡安氏はeスポーツの大会自体が好きだったということもあり,隙間産業的な専門職としてeスポーツの記事を積極的に取材し,読者だけでなくメディアの編集部側にも啓蒙することに努めていたそうだ。

 最後のテーマとなったのが,「将来の方向性を定めていくうえでの提言」。eスポーツ業界に携わるプロから,その世界を目指す人に向け,アドバイスやメッセージが贈られた。

画像集#016のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 現在目指している人も多いであろう,プロのeスポーツ選手であるメルトン氏は,「ゲームで強いというだけでは,実はプロ選手になってもあまり活躍できない」と断言する。野球やサッカーのような歴史のあるスポーツとは違い,eスポーツは歴史が浅く現在開拓中の競技であり,専用の設備もあまり整っておらず,ただ強いだけのプレイヤーがスターになれる状況ではないというのだ。
 スター選手になるためには,動画投稿や配信を積極的に行い,自分をブランディングすることが絶対だと述べるメルトン氏。たとえトークが苦手でも,できる限り配信を行うことで,その腕前だけでなく人柄を知ってもらう機会ができ,それがプロとしての人気を集めるきっかけになると語っている。またプロになる近道としては,強いプレイヤーと一緒にチームを作ったり,強いプレイヤーがいるチームに参加したりして,人脈を広げていくことが大事だとも付け加えた。

 水上氏がeスポーツの関連職業を目指す人に向けるアドバイスは,「自分がどうすればeスポーツ業界に接点を持てるのか,常にアンテナを高く張っておくこと」。「イベント会場に実際に行った」「大会を現地で観戦した」という現場に足を運んだ経験は,そのときに特別得られるものがなくても,将来業界の人と話す機会があったときに使える最強のトークカードになるというのだ。
 大会を観戦したという部分をフックとすることで,自身がeスポーツに関わる仕事に就きたいことを話すきっかけにもなり,現場に行っていたという熱意も伝わる。これまで水上氏はそういう状況を何度も経験し,必ず世界を広げられると話している。
 またeスポーツキャスターを目指すというなら,ゲーム実況の配信をすることが必須で,もし前述のようなきっかけができたときに,その配信動画をサンプルとして見せられる強みができるのだ。自身の実況をアピールするために,自身でゲーム大会を主催したり,他で行われる大会の実況に手を挙げたりして,その成果物を残すことも大事で,それらをきっかけにそのタイトル周辺の人に認知されば,大きな大会のキャスティングの権限を持っている人の目に留まるかもしれないと述べた。

画像集#017のサムネイル/eスポーツ業界でお仕事をするには? 「eスポーツのお仕事紹介シンポジウム」をレポート

 大津氏も「人とのつながりは本当に大事」と前置きをしつつ,「とにかく何かしらのアクションを起こすこと」という点を強調する。大会運営は裏方の職業ゆえに,何をしていいのかわからないという声もあるが,実は求人はそれなりにある状況だとか。実際にアクションを起こすことで,何かしらのきっかけを掴むことができ,自分がやりたいことが見つかる可能性も高いと述べている。
 「eスポーツという言葉を使っていないeスポーツ関連の求人は意外にも多い」と久嶋氏も述べていて,探し方に少しコツがいるかもしれないが,アクションを起こすことが,この仕事につながる近道だと続けた。

 小林氏は自身のメディアとしての業務について,知らない世界で起きていることを,知ってもらったり楽しんだりしてもらうこと,と述べ,eスポーツであれば,自分の好きなゲームや選手だけでなく,それ以外の部分にも興味関心を持ってほしいとアドバイスする。
 その上で,自分以外の人にどうやって伝えるかという点においては,動画配信やブログの執筆など,比較的簡単にできる手段がたくさんあり,それが楽しいと思えたら自分はメディア業界に向いていると考えていいと語った。

 岡安氏はeスポーツがまだ世間にそれほど浸透している状況ではないため,自身のような専門ライターを目指すのは難しいが,もう少し広い視野を持つライターを目指すのがいいかもしれないと語る。そのためにはメディアの編集部に入って,お金をもらいながら仕事を学んでいくのが手っ取り早いが,それも簡単なことではないので,小林氏が述べたように自身でブログを書いたり,動画を上げたりして自分から発信していくことが経験になると語った。
 近年の大会は配信されることも多いが,それを見るだけではなく,実際に現場に足を運んで,そのライブ感を体験すること,そして選手や関係者に話を直接聞くことが大事だそうだ。もし文章力に不安があったとしても,そこは編集者に任せることで何とかなるので,それほど気にすることはないとのこと。
 またクライアントから依頼された仕事の場合,ブログのように自由に書けるときとは違い,何かしらの制限が発生することも覚悟するようアドバイスした。

「東京eスポーツフェスタ」公式サイト

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