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ソニーグループの2022年度事業説明会をレポート。PS5の生産数を大幅に拡大し,同ハードとPS4をコアビジネスに据える
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印刷2022/05/26 17:58

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ソニーグループの2022年度事業説明会をレポート。PS5の生産数を大幅に拡大し,同ハードとPS4をコアビジネスに据える

 ソニーグループにおける2022年度の事業説明会が,本日(2022年5月26日)から開催されている。本稿では,ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の代表取締役社長である,ジム・ライアン氏が行った,ゲーム&ネットワークサービス分野の事業説明の模様をお伝えする。

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PS4とPS5の両方に軸を置く

強力なコアビジネス


 事業説明は,「強力なコアビジネス」「成長と拡大」「ソニーグループ内連携」の3つの分野に分けて行われた。

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 ゲーム&ネットワークサービス分野のコアビジネスとなるのは,PS4及びPS5という2つのプラットフォームになるそうだ。
 PS5のローンチだが,業績が低迷していた過去のプラットフォーム移行期とはずいぶんと異なるものだったという。それは,強固なビジネス構造とPS4コミュニティの規模やエンゲージメントによる継続的かつ安定した売上が貢献したからであり,さらな成長を実現するうえで,大きな弾みとなっているとのこと。

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 またPS5は,PlayStation史上最大のプラットフォームになると確信していると話す。理由は6つあり,その1つとして,「過去に類を見ない需要」であることを挙げた。
 米国の小売店イベントでは1分間に約1000台のPS5本体が販売され,また顧客の購買意欲は,PS4のライフサイクルの同時期と比較して,約2倍になっているそうだ。

※5月30日20:40追記。記載に誤りがありました。お詫びして訂正いたします

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 米国以外の市場でもそのような傾向は見られるが,SIEでは特に中国に注目している。PS4の中国市場規模は世界で11位だったが,PS5は6位に浮上しており,それは中国におけるコンシューマゲームへの支出の増加と,PS Plusの有料会員数の増加によるものだという。

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 コロナ禍の影響に伴う巣ごもり需要に伴って,今後もゲーム業界全体が著しいペースで拡大していくという予測も示された。
 特にコンシューマゲーム市場は,2025年まで4%という高い年平均成長率が見込まれているとのこと。そのように成長を続けるゲーム市場において,SIEではPS5がさらにシェアを拡大していくことに期待しているそうだ。

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 SIEでは,「ブランド」「ゲーム」「コミュニティ」を3つの主要なアセットだと捉えている。PlayStationは,世界的なトップブランドの1つとして認知されており,PS5においてはPS4発売時を上回る形で,そのブランド力を維持しているとのこと。

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 プラットフォームの評価は,最終的にプレイ可能なゲームによって決まるが,PS5はまだライフサイクルの初期であるにもかかわらず,過去のPlayStationよりもクオリティの高いタイトルを数多く提供しているとの見解が示された。
 その中でもPS Studiosの貢献は大きく,好調な業績につながっているとのこと。またサードパーティのサポートも強力で,大きな成果を上げている。

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 コミュニティのエンゲージメントは,SIEが掲げる7つの主要な指標すべてにおいて,PS5がPS4を上回っている。これは,SIEの予想をはるかに超える結果となる。このエンゲージメントにより,PS5のマネタイズの機会も増加しており,PS4のそれを15%上回っているという。

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 その一方で,PS5の供給能力はSIEの予想を下回った。これは新型コロナウイルスの影響によるもので,現在は改善しつつあるものの,まだ不確実性が残っているとのこと。
 PS5のローンチから3年めに入る2022年度は,生産数を大幅に拡大する予定だ。それによってPS4との差を埋め,2023年度にはPS4の4年めのインストールベースを超えるという見込みも示された。

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 PS4については,PlayStationのプラットフォームとして,もっともライフサイクルの長い製品である続けるよう取り組んでいくと話していた。
 SIE及び多くのパブリッシャは,現在も多くのPS4向けコンテンツをリリースしている。PS Storeにおける,2021年度のPS4向けコンテンツの売上は全体の3分の2を占めており,そのエンゲージメントの維持とマネタイズの機会の確保は不可欠だという。

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 ユーザーのデジタル消費も継続的に増加している。これは,過去5年間におけるFree-to-Playタイトルの成長が理由のようだ。

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 デジタル消費の増加にはPS Plusも貢献しており,今後もPS4では加入者のマネタイズの機会とユーザー満足度が高いレベルで維持されていくと予測しているとのこと。

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2021年度末時点のPS4のユーザーベースが8400万人。PS3のライフサイクルの同時期と比較して2倍以上になっていることも示された


サービスの拡大・強化による成長戦略

PS PlusとPS Nowを統合したPS Plusも


 ゲーム&ネットワークサービス分野における今後の成長戦略は,「サービスの拡大・強化」「ポートフォリオの拡大」「顧客基盤の拡大」という3つの観点で説明された。

 サービスの拡大・強化については,まず従来のPS PlusとPS Nowを統合した,新しいPS Plusが紹介された。この統合は,PS Now加入者の4分の3が,PS Plusにも加入しているなどの事実を踏まえ,コミュニティを改善するためになされる。
 新しいPS Plusは,日本とアジア地域からサービスを開始し,そののち米国とヨーロッパに拡大していくそうだ。

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 オンラインストアのPlayStation Directは順次拡大し,2023年までにヨーロッパでの展開がほぼ完了する。ヨーロッパでのサービス開始と米国におけるサービスの成長により,同ストアの2022年度における事業規模は15億ドルとなる見込みだ。

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 PS VR2の開発が順調に進捗していることも報告された。SIEでは,プレイヤーとクリエイターがVR体験を純粋に楽しめるよう開発を進めているそうである。

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 ポートフォリオの拡大は,今後もアクティブに展開していく。2021年度から現在に至るまでに,デベロッパ5社の買収を完了。BungieHaven Studiosと引き続き協議していること,DiscordDevolver StudiosAccelByteに出資していることが紹介された。

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 これら投資の目的は,PS Studiosのコアとなる強みを拡大させることと,SIEがこれまでプレゼンスを示せなかった領域の知見や技術を取り込むことにあるという。
 特に,Bungieの買収は後者の1例で,SIEのライブサービス分野における戦略を推進できることに期待しているそうだ。逆に,SIEのアセットや知見を提供し,Bungieのビジョンを実現させるための後押しもするとのこと。

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 自社IPへの投資も拡大していき,2025年度には総投資額の50%を新規IPに投じる予定であることも明かされた。この投資が,2020年代後半において大きなリターンを生むことを期待しているそうだ。

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自社IPの映画化やグッズ化,テレビシリーズ化も紹介された

 ライブサービス領域では,2025年度までにPS Studiosに対する投資の半分以上が,ライブサービスに対する物になる予定であることを紹介していた。2025年までに,PS Studios製のライブサービスタイトルを12本にするという。


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 顧客基盤の拡大についてだが,こちらは自社IPのPC向け展開についての説明が行われた。現在までに,3タイトルのPC版をリリースしているが,2022年度以降も大規模な計画を予定しており,大幅な成長が予想されている。
 またライブサービス戦略によって,2023年度以降はさらにPC版の売上を増加させる可能性があることも示された。

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 モバイル向けの戦略は,ようやく形になってきたという。モバイル業界を代表する企業と自社人気IPのコラボや,社内スタジオおよびプロジェクトのネットワーク確立,パブリッシングチームおよびツールの構築により,成長を加速させていくそうだ。

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 2025年度までに,SIEの新作ゲームのほぼ半数を,PC及びモバイルでリリースする予定であることも示された。この変化は,SIE史上もっとも劇的なものだという。

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将来的には,PlayStationのコミュニティがコンシューマ機に留まらない,広い世界への拡大を目指す


ソニーグループ内連携は

映画「アンチャーテッド」が大きな成果を


 ソニーグループ内の連携は,2021年度に大きな成果を上げたそうである。もっとも大きなプロジェクトは,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの映画「アンチャーテッド」で,PlayStationを代表する人気IPとのコラボは,映画のマーケティング施策として強力なものになったという。
 今後も,ソニーグループ内のコンテンツ・サービスの相互活用や,ハードウェアの共同プロモーション,継続的なブランド強化活動などに取り組んでいくそうだ。

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ソニーグループが,ESG(環境・社会・ガバナンス)に取り組んでいることも示された
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